4月


14日
クリスチャン・ホイヘンス(Christiaan Huygens)

(1629〜1695)オランダ 物理学者・天文学者・数学者

オランダのハーグで生まれました。幼いころから数学が得意で、ライデン大学に学びました。兄コンスタンチンと共に望遠鏡の改良に成功、1655年には自作の望遠鏡を使って、土星の第6衛星(タイタン)及び土星の輪を発見、翌年には、オリオン星雲を観測しています。

又、1657年には振り子時計を発明して名声を高めました。振り子の等時性は1583年にイタリアのガリレオ・ガリレイによって発見されていますが、それまで機械時計に用いられていた「棒てんぷ」に代わって、振り子の運動で冠歯車の回転を一定にしています。振り子の長さを変えることによって時間の調整が可能にしました。振り子時計は機械時計の1日の誤差を10秒ほどにすることを可能にし、機械時計をようやく実用的なものにしました。(棒てんぷ時計は1日で500〜1000秒の誤差があったそうです。)これらの功績によって、彼は1663年にはロイヤル・ソサエティー会員に選ばれています。

その後、運河の水面上を広がる波面をみて、光は宇宙に充満しているエーテルを伝わる波動であると考え、波のすすみ方を説明するために,波面上のエーテルはそれぞれが周りに新しい球面波(素元波)を作り,それが重なって新しい波面を作るというホイヘンスの原理を提唱し、それによって、光の反射、屈折、その他光の諸現象を解明しました。
著書 振り子時計について
ホイヘンスはガリレオの先例に従い振子時計の仕組みと、振り子の振動の数学的解析法を研究しました。この研究の全成果を本書に収めましたが、時計そのものについて論じているのはその半分にすぎず、他にすべて力学に関する新しい知識について書かれています。
 ホイヘンスは正確な等時性の振子はサイクロイド曲線の軌跡を描くことを発見し、サイクロイド曲面を持つ側面板を二つ立てて、吊糸がその間を振動するような振子を考案しました。これはサイクロイドの伸開線もまた合同のサイクロイドであるという定理に基いて考えられたものでありました。ホイヘンスは振子の研究を更に発展させました。いろいろな曲線を描く物体の落下を研究し、慣性モーメントならびに重力に関する研究を推進したのです。本書の末尾に、円運動における遠心力理論に関連した十三個の定理を述べています。ホイヘンスは本書の一冊をニュートンに贈りましたが、ニュートンは彼の万有引力理論がホイヘンスの遠心力理論によるところが多いと謝辞を述べています。本書は、ガリレオの「新科学対話」以後の力学に関する最大の貢献をなした書物です。

4月


14日
アーノルド・ジョセフ・トインビー

(1889〜1975)

「「果敢な挑戦者の一団が、まずは困難を切り開き、新しい文明を誕生させる」

イギリスの歴史家・文明評論家

イギリスのロンドンに生まれました。オックスフォード大学を卒業後、ギリシア、トルコ史を専攻して1919年に、ロンドン大学の教授になりました。その後、1924年に退官して、外務省の王室国際問題研究所員となり、国際問題を研究していました。第一・第二次の両大戦では、講和会議にイギリス外務省の随行員の一人として参加しています。

1934年から39年には、彼の代表作となる12巻の大著「歴史の研究」を発表して、歴史上の東西の26の諸文明の生成・発展・崩壊の過程を比較研究することによって文明を形作る一般法則を体系づけました。また、東洋文明を高く評価し、大きな反響を呼んでいます。

1948年には論文集「試練に立つ文明」で、人類は、2つの世界の対立を通じてやがて1つの世界に統一されるであろうと、世界連邦や世界宗教の樹立を呼びかけました。日本へも、1956年と1968年に訪れています。
トインビー家は代々学者一家で、伯父は「産業革命」という言葉を生み出した同名の経済学者です。


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