4月


8日
釈迦(紀元前560頃〜紀元前480頃)古代インドの宗教家 仏教の開祖

姓をゴータマ、名をシッダルタといい、天竺国(てんじく、現在のインド)の北部、ヒマラヤ山麓(現在のネパール付近)を治めていた釈迦族の王、シュッドーダナ(浄飯)王を父、マヤ(摩耶)夫人を母として生まれました。

国王になるための教育を文武両面で受け、16歳でヤショダラ(耶修陀羅)女と結婚、1子ラーフラをもうけましたが、人間の運命について深い悩みを持ち、宮廷生活、妻子をすてて出家しました。出家の動機について仏伝には「四門遊観」があげられています。

マガダ国へ修行に旅立ち山林で苦行をつみ、ブッダガヤの菩提樹の下で瞑想を続け、「極端な偏りは何も生み出さない。王子時代の快楽の日々、修行時代の苦行の日々、何事も両極端はいけない。真理をとらえる為には、その中程を貫く過程「中道」(ほどほど)が大切ではないか」と気づき、そして、出家してから6年目にあたる、35歳の時に真理に目覚め「仏陀」となったのです。

クシナーラー(シャカ国とマガダ国の中間にある)でなくなるまで45年間、インド各地をまわって教えを説き、国王、大臣から賎民まで多くの人を教化しました。

シャカは解脱(さとり)の道を説いています。自我に執着する迷いから目覚めて無我の境地にたって安心立命すれば人は救われる、そのためには欲望をおさえ、修行をつみ、一切の生けるものに対して慈悲をおよぼせと説いた。この教えが仏教で、彼がいなくなってのちアショカ王によって広くひろまり、世界的な宗教になりました。

生没年にはさまざまな説があり、前565〜前486年説、前465〜前386年説などが有力とされています。又、出家の時期についても、19歳とも29歳とも言われており、それに伴って修行の期間も6年間もしくは11年間と変化しています。
釈迦
釈迦という呼び名は、その出身である釈迦族からとったもので。後に、真理に目覚めてからは仏陀(ぶつだ)、または、"釈迦族の聖者"という意味を持つ、釈迦牟尼世尊(しゃかむにせそん)あるいは略して、釈尊(しゃくそん)と呼ばれるようになった。
「四門遊観」
釈迦が王宮にいたとき、城から遊びに出ようとした。東の門から出たときには老人、南門では病人、西門では死者を見た。ところが、北門から出たときに出家者が歩いているのを見、心を強く動かされ、出家を決意したといわれる。「生老病死」といった人間の本源的な苦悩の解決が出家の目的だったのである。
釈迦の教えは、縁起、四諦、八正道から成り立っています。

縁起(えんぎ) 物事がお互いに関係しあっているという意味

釈迦は、人生は苦であり、苦の根本的な原因としは、「無明(むみょう、無知、迷い)」、無知である為に迷い、迷う為に物事に対して「愛(愛憎の念)」をもち、それに対して「取(執着)」し、執着する事で苦しむと考えました。四諦、八正道でこの無明から抜け出す方法を説いています。
四諦(したい) 苦という人生の本質、苦の原因、原因の消滅、苦の原因を取り除く方法

苦諦(くたい)
苦に関する真理。人生とは本質的に苦であると説いています。
 
集諦(じったい)
原因に関する真理。人生が苦である事の原因を明らかにしている
 
滅諦(めったい)
原因の消滅に関する真理。苦の原因である煩悩(ぼんのう)の消滅が苦の消滅です。
 
道諦(どうたい)
道=実践(方法)に関する真理。苦の原因を取り除く方法を説いています
八正道(はっしょうどう) 道諦をさらに詳しく説いた八つの正しい道(方法)

この方法を修行を積む事により、煩悩(ぼんのう)をなくし、結果として苦を克服する事が出来ます。

正見(しょうけん) 我の意識を離れ、正しく物事を見る事。
 
正思惟(しょうしゆい) 正しく物事の道理を考える事。
 
正語(しょうご) 真実のある正しい言葉を語る事。
 
正業(しょうごう) 正しい行為。間違った行いをしない。
 
正命(せいみょう) 正法に従って清浄な生活をする事。
 
正精進(せいしょうじん) 正しく目的に向かって努力する事。
 
正念(しょうねん) 邪念を離れて正しい道を思念する事。
 
正定(しょうじょう) 正しく精神を集中して安定させる事。
人生は四苦八苦、「迷い」や「執着心」を断って、「考えすぎない」のが一番だと悟った。
灌仏会
釈迦の誕生当日の陰暦四月八日(現在では多く陽暦)に修する法会。(釈迦誕生の時、梵天、帝釈がくだって、仏の体に甘露をそそいで洗ったという故事に基づくという)花御堂を作って誕生仏を安置し、甘茶(正しくは五種の香水)をそそぎかけて供養する行事。降誕会。仏生会。誕生会。灌仏。花祭。浴仏会。竜華会。
甘露
天から与えられる甘い不老不死の霊薬。中国古来の伝説では、天子が仁政を行なうめでたい前兆として天から降るという。
又、インドで天の神々が不死を得るための飲料をいう。転じて、仏の教え、仏の悟りなどにたとえる。(梵amィtaの訳語。阿蜜俟多と音訳。不死、神酒などとも訳す)


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