3月


20日
イプセン(1828〜1906)ノルウェーの劇作家。

南部の港町シェーンで、富裕な商家の子として生まれましたが、8歳の時に家が没落し、薬剤師の徒弟となりました。奉公をしながら大学へ進学するための勉強を続けましたが、大学受験には失敗し、劇場監督へと進路を変更します。

彼はまずベルゲンで、次いでクリスチャニアで劇場監督になりました。しかし、イプセンは周囲の無理解という逆境に悩み、1864年にノルウェーを去ります。

その後、イタリアに住み、劇詩「プランド」「ペール・ギュント」を書いて有名になりました。そして、世界戯曲「皇帝とガリレア人」の大作を書き上げ、ドイツをはじめヨーロッパ各地を歩き、1879年には「人形の家」を書いて世界にその名が知られるようになりました。

27年後にノルウェーに帰国したときイプセンは世界的に著名な戯曲家になっていました。最後の4つの作品をノルウェーで書き、1906年に死去しました。

その盛大な葬儀は国王のそれにもおとらないほどで、ノルウェーの国民は彼の死を心から悲しんだと言われています。
彼は、自然主義的な近代劇の形式を作り上げ、近代演劇の父と言われています。作品の中で、彼は隠れた力にかりたてられ、秘密を持ち、逃れられない過去に縛られる近代人を描いています。
彼の劇は、歴史劇、自己発見劇、そして現代劇の三つのカテゴリーに分けられます。歴史劇は、ノルウェーの芸術家たちが祖国のアイデンティティーを確立しようとしていた頃に書かれました。現代劇では、社会問題と普遍的な問題の両方を扱っています。強い女性たちを通して女性の権利に対する一般の意識を高めたのです。
彼は大学へは進学できなかったが、試験勉強のため読んでいたキケロの本の中から題材を見つけて、歴史劇「エカティリーナ」を書き上げました。
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