3月


17日
ゴットリーフ・ダイムラー(1834〜1900)ドイツ 機械技術者 発明家

 ショルンドルフに生まれ、1853年から3年間、エッセンのグラーフェンシュターデン工作機械工場で機械技術の実地訓練を受け、57年から59年まで、シュトゥットガルト工芸学校で学び、61年から2年間イギリスの機械工場で実際的修行をつみました。ドイツに帰ってからカールスルーエ機械製作会社で働き、72年にケルンのランゲン・オットー商会、後のドイツガス発動機会社の技術指導者として迎えられています。
 そこで、オットーとダイムラーは1875年から燃料にガソリンを使用する方法を考案していたといわれています。ガソリンを気化させて吸入させれば、ガスエンジンは全く同じ原理で回転することが判っていました。ただし当時はまだ、ガソリンはガスよりも希少であり、なおかつ危険で取扱いが困難なものと考えられていたのです。
 その後、原油が深い地層から限りなく汲み出せる事が発見されて、ガソリンの精製技術も急速に進化していきました。彼は、ガソリンエンジンの実用化と、その多様な将来性を、高く評価しており。燃料をガソリンとすることによって、4ストロークエンジンは、より軽量で高回転、高出力になると、確信していました。
 1883年に赤熱管点火装置を完成させ、900rpmという高速で回すことに成功します。この高速ガソリンエンジンを動力として試用した最初の乗り物が、1885(明治18)年に特許を得た、2輪車でした。これはガソリンエンジンを搭載した史上初の2輪車となります。しかし、ダイムラーは、オートバイ自体の開発について、この最初の特許以上の興味はまったくなく。唯一行なったアレンジは、前輪を外してソリを取り付け、雪上走行用2輪車としたことだけでした。
 その後、1896年に馬車の車体を使った最初の四輪車とモーターボートを完成させ、続いてトロッコ、軌道車、消防ポンプなどを製作していきます。このように、彼は、ガソリンエンジンの応用法にからむ多様な特許の申請に邁進しましたが、そのエンジンの用途として、その後もっとも大きく発展したのは、やはり最初に志し、試作したオートバイと自動車でした。
 彼の発明は、ガソリンエンジン時代の幕開きとなり。彼は90年にダイムラー自動車会社(現ダイムラー・ベンツ)をカンシュタットに創立しました。
 彼の開発した2輪車は、エンジンにはダイムラー製の中で最小の1/2馬力、260ccの空冷が使用されました。これはガソリンエンジンを搭載した史上初の2輪車でした。ただしフレームの主要部分はすべて木製で、さらに左右に補助輪まで付けた車体には、当時の自転車技術の応用は全く見受けられません。おそらくこの時点のダイムラーの周りには、鉄製の自転車フレームを製作できる優秀な職工がなく、木工職人しか見つからなかったからだといわれています。

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