11月


13日
11月13日

ロバート・ルイス・スチーブンソン(Robert Louis Stevenson)

(1850〜1894)

イギリスの小説家

スコットランドの首都エディンバラで生まれました。父は灯台の技術者、お母さんは弁護士の家の出身でしした。おとなしく本を読む方が好きな子だったそうです。17歳でエジンバラ大学に入り、父と同じ技術者の道を進もうとしましたが途中でコースを変更し法律の勉強を始め、1875年には弁護士の資格を取ります。

ところが、彼は体が弱かったため、ヨーロッパ各地で療養し、その間に多くの旅行記や短編小説を書き、文学の道を志すようになりました。

そして、1876年、彼はパリ近郊のグレという町で11歳年上のファニーという魅力的なアメリカ人女性と知り合います。しかし彼女には夫がいました。しかし、この夫はひどい浮気性だったので、彼女はいつも苦しんでいました。そんな彼女に彼は同情し、徐々に愛情を抱くようになっていったのです。 しかし、彼女は彼を置いて夫と共にアメリカへと帰ってしまいました。

そして1879年、彼のもとに夫と共にアメリカ西海岸の帰国していた彼女から、彼のもとに一通の手紙が届きます。そこには、彼女の苦しい気持ちが切々と書かれていました。その手紙を受け取った彼は、周囲の反対を押しきってすぐに荷物をまとめ、遠いアメリカへと旅立つのでした。

彼女を助けよう、彼女と幸せになろうとやってきたスチーブンソンでしたが、実際に彼女を訪ねてみると、彼女は、彼が本当にやって来たことに驚き困惑してしまいます。彼女は、11歳年下の彼のことを真剣に考えていたわけではなく、ただの不平不満を手紙に書いただけだったのです。そして、彼女は、夫との離婚をためらい、彼を冷たくつきはなしたのでした。

助けに来たはずの彼女に裏切られた彼は落胆し途方にくれてしまいました。行くところも無く、わずかな旅費も底をつき、故郷を遠く離れた異国の地で、泊まるところもないまま野宿をかさね、ついに重い病気(結核)にかかってしまうのでした。

その後、運良く猟師に助けられ、なんとか一命を取り留めましたが。この病気が彼を救うことになりました。彼のことが気になっていたファニーは自分のことを心から愛し、自分のために命さえ落とそうとした彼の姿に心を動かされて、ついに夫と離婚し彼との結婚を決意したのでした。

彼女の故郷のカリフォルニアで、幸せな家庭を築き上げた彼は、彼女の連れ子である12歳の義理の息子ロイドとも仲良く暮らし、新しい生活の様子を「素人移住者」という本にまとめています。

そんな、幸せな生活の中、彼は愛する息子ロイドのために、空想で島の地図を描き、これを「宝島」と名づけて、海賊と宝の物語を書きはじめました。これがきっかけとなって、父トマスもまじえて楽しみながら、親子3人でこの物語を書き続けていったのでした。

この物語こそが、今でも世界中の人たちが愛読している「宝島」なのです。有名になった彼は、翌年には、後に二重人格の代名詞にもなった「ジギル博士とハイド氏」を出版します。

世界的にも有名な作家になった彼は、その後、一家を連れて太平洋の島々を巡る長い旅に出ます。そして、彼が永住の地として西サモアを選んだのでした。そして、彼はサモアで作家の活動以外に、アメリカ、イギリス、ドイツの植民地支配を強烈に批判し、これら3国の手で流刑となった西サモアの酋長27名の釈放に尽力しました。

西サモアの人々は、彼のことを「ツシタラ」(物語の作家)と呼びたたえ、釈放された酋長たちは彼の旧邸脇のバエア山に至る道を切り開き「愛情の道」と名付けたのでした。

サモアをこよなく愛し、サモア人に愛されたスチーブンソンは1894年12月3日に、44歳の生涯を西サモアで終え、アピアを見下ろすバエア山の頂上で静かに眠っているそうです。
宝島 (Tresure Island)
港の宿屋「ベンボー提督亭」に来た頬に刀傷のある船乗りが宝島の地図をのこして死んでしまいます。宿屋の少年ジムは医師のリブジーや地主のトリローニらとともに船を仕立てて、その宝島を目指して航海に出発。その船のコックとして乗り込んできた一本足の海賊シルバーに出会い、フリント船長の財宝の隠された島で、大冒険の末ついに財宝を手に入れる物語です。日本でもアニメ化されています。
彼の住まいは、1962年のサモア独立後、国家元首の公邸に用いられました。 90年と91年の台風で被害を被り、修復後、博物館として一般に公開されています。野球場がすっぽりと収まるほどの敷地の中央に彼の住まいはあり、おもしろいことに、1階の部屋と2階の書斎には暖炉が設けてあります。暖炉など、この常夏の国には必要ないのですが、祖国の雰囲気をつくり出すための演出だったらしいといわれています。
2004.8.29 無断引用の箇所があるということで、出所のはっきりとしないエピソードは削除しました。紹介してくださったYAMA様、谷様申し訳ありません。

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