皆さんが普段乗ってるオートバイの心臓です。
なかなか見る事の無い中身です。
街乗りのオートバイではエンジンメンテナンスの機会はあまり無いのですが、
競技車両(レーサー)ともなると、走行距離でメンテナンスの管理をしてます。
街乗りでは普通、「オイル交換は3000km」と言ってますが、競技車両では1000km
程度でオーバーホールをしていきます。
街乗りの車両でも数万km走ってるとエンジンに疲労が溜まってます。
エンジンもメンテナンスをするとシャキッと生き返りますよ。

'05 CBR600RR  エンジン

まず、エンジンを総て分解しながら各部を点検します。
その後、画像の様に各部のクリアランスの点検。
クランクシャフトのオイルクリアランスを点検してます。
メーカー規定は0.034〜0.058mmです。右図の様に
プラスチゲージを使って確認し、メタルの厚さを選定し
ます。メタルの選定は車両それぞれの使用状況で判
断していきます。その後、各部洗浄とバリ取り加工を
施します。

総てを分解・点検・洗浄をし、各部にノウハウ加工を施
し、丁寧に組上げていきます。組上げ中、各部がキッチ
リ作動するか確認します。エンジンの緑の部分は特殊
グリスを使用。近年のエンジンは各部にガスケットが無
いので合わせ面も点検します。全面バリ取りでキッチリ
面が出てますが、確認は怠りません。

シリンダーヘッドも上の内容で総て作業します。
16バルブ全て分解点検していきます。バルブは使用か
どうか判断しますが、スプリングは交換します。
シリンダーヘッドを乗せるとクランクシャフトを手で回し
てエンジン各部に干渉や異常、エンジン回転の異常な
重さが無いか確認します。
OKなら各カバー類を装着して完成です。

今回のエンジンのピストンです。
走行は数百kmの使用です。
ピストン頭部はカーボンが堆積し、ピストンスカート部
のコーティングは剥げてきてます。
交換しました。

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