衛生動物(10a)脊椎動物 哺乳綱
(c)2011, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)

衛生動物(目次)


Ref. 110206 ネコ
ネコ                     【ネコ科Felidae】
Feris catus
(食肉目Carnivora, 哺乳綱Mammalia、脊椎動物門 Vertebrata)
(c)2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

図1:ネコノミ咬症。
神戸市西区。農家の庭へ猫を捨てた人があり、
それが納屋の隅で出産、この被害の元となった。

ネコ、ネコノミ刺症や猫ひっかき病に注意
(6 February 2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan.)

 ネコには、しばしばネコノミが発生する。捨て猫を拾ってきた場合、おびただしい数のネコノミが着いていることがある。屋内へ持ち込む前に、ノミの除去と体の洗浄を徹底的に行う必要がある。できれば、動物病院の助言・指導を仰ぎたい。

 捨てられたネコにせっせとパンの耳など余った食品を運ぶ人がいる。近くの里山に怖いほど大きな集団ができたことがあった。幸い、ボランティアの避妊推進等の諸活動が奏功して杞憂で済んだが、近づくと足元からネコノミが這いあがり、多くの人がノミを家庭に持ち帰る可能性があった。

 ネコノミは人家内でヒトを吸血して増殖できる。実際、誰かが拙宅へネコを捨て、納屋への定着が発端となって、長期間家族全員がノミの被害を受け続けた苦しい経験がある。

図2:大量(約20頭)の捨猫のあった後、この
網と表示が設けられた。本州・四国道上り
側室津PA(淡路)、2011年2月22日。
図3:恐らく関係当局による捕獲が行われて
数が激減した。しかし、まだ数頭が残る。室津
(淡路)PA上り側、2011年2月22日。

 ネコも、イヌに劣らず多くの人畜共通感染症に関係する。

 例えば、ネコには原虫の1種トキソプラズマToxoplasma gondiiが寄生していることがある。糞便とともに排出される卵嚢子(オーシスト)を、ヒトが庭の土いじり等の際に口にすると感染。

 通常は無症状。医療や疾病で免疫機能が抑制または低下の場合、発症することがある。妊娠初期の女性の感染は要注意。確率は高くないというが、胎児への胎盤感染を招く心配がある。

 近年(1992)、ネコひっかき病の病原細菌が明らかにされた。ネコノミを介してネコ間で伝播され、ネコは発病しないがネコがヒトを咬んだり引っ掻いた場合、ヒトに感染し発症することが新聞で報道されるなど、注意喚起されるようになった。

 ネコは、戸外、庭、砂場などで排便。糞中に排出されたネコ回虫の虫卵がヒトに経口摂取されると、大多数が無症状とはいえ幼虫移行症を招く。多くの公園等の砂場で適宜対策がなされていると聞くが、それでも砂場の砂から虫卵を検出することは稀ではない。

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Ref. 110206 イヌ
イヌ                     【イヌ科Canidae】
Canis familiaris domesticus
(食肉目Carnivora, 哺乳綱Mammalia、脊椎動物門 Vertebrata)
(c)2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

図1:イヌ咬症。
発生は1993年、18年後の痕跡。手首内側。
外(この裏)側に同様の痕跡が残る。内3針、外2針、計5針。

イヌ、多くの人畜共通感染症に関係
(6 February 2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan.)

 妻が隣家のチャウチャウ犬に咬まれた時、大の男が駆け付けても、なかなか引き離すことができず、大きな傷になった(図1)。イヌは、咬症をおこすだけでもれっきとした衛生動物である。乳幼児の死亡が報道されたこともある。

 イヌで繁殖したノミ(多くはネコノミ)などが、ヒトに刺症(虫刺され)をおこす。さらに、狂犬病ウイルスを保有してヒトに重い疾病をもたらす(近年日本でも相次いで2人が死亡)など、イヌは実に多くの人畜共通感染症に関係する。

 人畜共通感染症とは、世界保健機関(WHO)、食糧農業機関(FAO)が指定した「ヒトと脊椎動物の間を自然に移行する疾病と感染症」であるが、指定の122疾患のかなりの部分にイヌが関係している。

 寄生虫や原虫の保虫宿主(保有宿主)となる場合に限っても、肝吸虫、ウェステルマン肺吸虫、宮崎肺吸虫、有害異形吸虫、浅田棘口吸虫、日本住血吸虫、マンソン裂頭条虫、単包条虫、多包条虫、瓜実条虫、有線条虫、イヌ回虫、有棘顎口虫、イヌ鉤虫、イヌ糸状虫など多数ある。

 イヌには、法で義務付けられている狂犬病の予防接種を受けさせる。暖かな季節は、蚊の対策を怠らずフィラリア予防薬を服用させ、イヌ糸状虫の感染を防ぐ。イヌの糞は、速やかに回収・処分してイヌ鉤虫のイヌ・ヒトへの感染を防ぐ。

 日ごろから、イヌを清潔に保ち、健康状態をよく観察する習慣を身につけたい。

 なお、冒頭の咬症の例では、(1)狂犬病の予防接種がしてある犬かどうか即刻飼い主に確認、(2)病院ではメスで解放(切開)創にした上で消毒、縫合(図1)。

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Ref. 0-0-0- ----
ウシ                     【ウシ科】
Bos taurus
(偶蹄目Artiodactula, 哺乳綱Mammalia、脊椎動物門 Vertebrata)
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Ref. 0-0-0- ----
ニホンイノシシ                     【イノシシ科Suidae】
Sus lrcomystax
(偶蹄目Artiodacctyla, 哺乳綱Mammalia、脊椎動物門 Vertebrata)
(c)2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)


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Ref. 0-0-0- ----
ブタ                     【イノシシ科Suidae】
Sus domestica
(偶蹄目Artiodacctyla, 哺乳綱Mammalia、脊椎動物門 Vertebrata)
(c)2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)


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Ref. 060330 クマネズミ
クマネズミ                  【ネズミ科Muridae】
Rattus rattus
(齧歯目Rodentia, 哺乳綱Mammalia、脊椎動物門 Vertebrata)
(c)2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

図1:クマネズミ。
2006年3月30日、神戸市西区、
農業倉庫で補殺。

図2:クマネズミ。
同左、耳介を折り曲げる
と目を覆う。

クマネズミ、各種病原体を保有
(30 March, 2006. Revised on 5 February, 2011. ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan.)

 日本の家屋には2種の大型のネズミが見られる。1つはドブネズミ、もう1つが本種クマネズミである。耳介を前に倒したとき目を覆う(図2)なら本種。

 ドブネズミは、下水道が未整備だった昔、家庭排水の排出口から家屋へ侵入するなどした。いわば下ルートからの侵入者。台所の食品や残飯を狙うようで、経験から言うと、畜舎や生ゴミ集積場また漁港付近で丸々太った個体を目にすることが多かった。

 一方、クマネズミは尾を巧みに使って電線などを伝って家屋へ侵入することができる。いわば上ルートからの侵入者。幼時より、農家の穀物や藁を貯蔵する倉庫、オカキやアラレの干し場で度々ネズミを補殺したが、全てがクマネズミ。貯穀が好みなのだろう。

 家庭排水の排出が下水管に直結された管を通じて行われる今日、ドブ(排水溝)から排水口を経て家屋に侵入する下ルートをほぼ完全に断たれ、ドブネズミは家屋内ではあまり見られなくなった。

 農家である我が家の天井裏を足音をたてて走り回るネズミは、何度捕えてもクマネズミ。近年は都市部においても、家屋内の大型ネズミは、多くの場合クマネズミであろうと思う。

 ネズミは、(1)食品の汚染、(2)就寝時の咬傷、(3)鼠咬症スピリルムの感染、(4)尿中のレプトスピラによるワイル病および類似疾病、(5)各種寄生虫の保虫宿主、(6)病原性ウイルスの保有等ヒトの健康被害に関わることがきわめて多い。

 なお、レプトスピラ、スピリルムは各々スピロヘータに含まれる属の名。

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Ref. 0-0-0- ----
ドブネズミ                   【ネズミ科Muridae】
Rattus norvegicus
(齧歯目Rodentia, 哺乳綱Mammalia、脊椎動物門 Vertebrata)
(c)2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)


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--                     【科--dae】
--
(--目-------, 哺乳綱Mammalia、脊椎動物門 Vertebrata)
(c)2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)


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