料理実例(詳細11)
(c)2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)

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'120312a ブダイ(イガミ)、ブイヤベース
ブダイ(イガミ)、ブイヤベース('12年03月12日)
(c)2012, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japa
図1:ブダイ、31p、2012年3月6日、矢が浜(愛媛)。
図2:3〜4日後、筒切りにする。 図3:ブダイのブイヤベース。

 ブダイは、通常、磯釣りの外道。あまり歓迎されない。しかし、冬のブダイは極めて美味。ぜひ持ち帰りたい。1番のお薦めは、ブイヤベース。

 以下のレシピでは、スープがかなり余る…が、これには意図がある。即ち、このスープにご飯を入れて一煮すると、リゾット(洋風雑炊)ができるので、これを翌日の朝食にする。これがもっと美味しい。

 
準備:
   1、釣ったブダイは、直後にナイフでシメる。
   2、鮮度保持・血抜きのため、クーラーボックスの氷に若干の海水を加え、
     これに入れて持ち帰る。
   3、帰宅後、鱗と内蔵を取り除き、頭をを切り離して(捨てない)、丁寧に水洗。
   4、ラップを密着させ、ポリ袋に密封、チルドルーム(氷温)に3〜4日寝かせる。
   5、使用時、頭を縦割りして、鰓や咽頭歯を取り除き、胴は2cm厚の筒切りにする。

 材料(約6人前):
   1、オリーブオイル…大匙3〜4…エキストラバージン
   2、タマネギ…………中1.5個…微塵切り
   3、ニンニク…………4片………微塵切り

   4、トマト缶…………400g…ホールを荒く砕く
   5、水………………8〜10カップ
   6、ローリエ…………3枚
   7、塩…………………小匙2/3
   8、コショウ……………少々…テーブルコショウ
   9、白ワイン…………200ml

   10、ブダイ……………500g………筒切り(下記手順参照)
   11、剥きえび ………150g………市販・冷凍品
   12、あさり……………400g………生、砂抜きする

   13、固形コンソメ……4個…1個入れるごとに味を確認
   (14、サフラン…少々…好みで)
   15、塩………………少しずつ、味をみながら適宜追加
   16、あらびき黒コショウ…味をみながら適宜
   (17、好みでパセリ…少々…微塵切りを適宜、最後に振る)

 手順:
   1、鍋にオリーブオイルを熱し、先ずタマネギ、ニンニクを炒める。
   2、鍋に、トマト、水、ローリエを加える。
   3、塩、コショウ、白ワインを加える。

   4、煮立ったら、ブダイ、剥きエビ、あさりを加える。
   5、再び煮立ったら、コンソメを1個ずつ砕いて加え、味を見て、適量でやめる。
   6、アクをとりながら10〜15分煮る。
   (7、サフラン少々を加えればさらに良い)

   8、塩と黒コショウで味を整える。
   (9、容器に盛った後、好みでパセリの微塵切りを振る)

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'130223a ブダイ(イガミ)、刺身
ブダイ(イガミ)、刺身('13年02月23日)
(c)2013, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:ブダイ、33p、2013年
2月21日、矢が浜(愛媛)。
図2:3枚におろす。アラは潮汁や
ブイヤベースに使う。
図3:刺身は、やや分厚く切ること。
皮を残して炙りにする方法もある。

 ブダイは、通常、磯釣りの外道。あまり歓迎されない。しかし、冬のブダイは極めて美味。ぜひ持ち帰りたい。ここでは刺身を紹介する。初めて食べた人は、その美味さに驚くはず。


 
準備:
   1、釣ったブダイは、直後にナイフでシメる。
   2、鮮度保持・血抜きのため、クーラーボックスの氷に若干の海水を加え、
     これに入れて持ち帰る。

 さばく:

  1、真水(水道水)で洗う。
  2、鱗をとり除く。
  3、3枚におろす(図2)。
   *アラは潮汁やブイヤべースに使う。
  4、包丁で腹身の骨を削ぎ取る。
  5、中骨は毛抜きで抜く(背身と腹身に切り分けない)。
  6、皮をひく(剥ぐ)。
  7、やや厚めの刺身にする(図3)。


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'120113c メジナ(グレ)、刺身
メジナ(グレ)、刺身('12年01月13日)
(c)2012, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:メジナ(グレ)、33-40p。
図2:3枚におろす。 図3:腹骨・中骨を除き皮を剥ぐ。 図4:刺身にする。

 メジナ(グレ)が特によく釣れる季節は梅雨と冬の年2回。

 もちろん途中の季節にも釣れるが、釣り人は各々を梅雨グレ、寒グレと呼んで親しむ。今回調理したのは33p〜40pの寒グレ。

 梅雨グレ、寒グレ、どちらも美味しく食べられるが、断然寒グレが好まれる。十分に脂がのっていて、臭みが無い。最近は寿司屋、居酒屋で寒グレの品書きを目にする機会が増えた。

 刺身を作る手順と注意点は、以下のとおり。

 (1)釣った直後に、ナイフで絞め(シメ)る。

 (2)鮮度保持・血抜きのため、クーラーボックスの氷に若干の海水を加え、
   これに入れて持ち帰る。
 (3)曲がってしまった魚体を調理の際に無理やり伸ばすと身が崩れるので、
  大きめのクーラーボックスを使い、曲がらないよう注意する。

 (4)魚体が空気に触れて乾くと、鱗を落とすのが困難になり、
   手間取ると身が崩れて美味しい刺身にならないので、乾燥にも要注意。

 (5)鱗を落とす。
 (6)3枚におろす。
 (7)腹の骨を削ぎ、中骨を毛抜で抜くか、包丁で背身・腹身に切り分けて除く。

 (8)そのまま刺身にする。
 (9)または、冷蔵庫(4℃〜8℃)に数時間置いてから刺身にする。
   この場合、皿にキッチンペーパーを敷き、身をのせてラップをかける。
   
 (10)後日まで保存するなら、骨を除いた(図3の)状態で。
   ラップを両面から密着させて空気を遮断、
   ポリ袋に入れて(できれば真空パックして)冷凍する。
 (11)刺身としてなら2週間まで、しゃぶしゃぶ・天ぷらう・ムニエルなら1ヶ月まで。
   解凍は、自然解凍。冷蔵庫内で約12時間。

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'090121b メジナ(グレ)、しゃぶしゃぶ
メジナ(グレ)、しゃぶしゃぶ('09年01月21日)
(c)2009, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:メジナ(グレ)、44p、2009年1月。 図2:しゃぶしゃぶ用の切身。

 グレをしゃぶしゃぶで食べようなどという発想が生まれるのは、よほどたくさん釣れた時か、よほど大物のが釣れた時。

 「しゃぶしゃぶ」とはどんな料理か?強い・しつこい味の肉や魚肉を熱湯(白湯)で温め、脂特に表面の脂分を洗ってあっさり感を演出してから好みの付汁で食べる…それが原形。

 したがって牛、豚、ブリなどはドンピシャリの材料。しかし、グレについては、せっかくの寒グレの脂、(しつこくない脂)をおとすので…もったいない思いが拭いきれない。しかし美味しい。

 しぶしゃぶの要領は、以下のとおり。

 (1)グレは、刺身の要領で準備する。
 (2)但し、刺身よりは大きな切身にする。

 (3)土鍋に水を張り、昆布を入れて出汁をとる。
 (4)好みで、若干の酒を加えても良い。
 (5)沸騰したら、太い白ネギを薄く斜め切りにして入れる。

 (6)あとは肉のしゃぶしゃぶと同様、味ポン酢、ゴマポン酢などで食べる。
 (7)アクをとりながら食べ、最後は青葱等の野菜を加えて寄せ鍋に移行、
  ウドン、雑炊などで終わる。

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'120316a メジナ(グレ)、テリーヌ
メジナ(グレ)、テリーヌ('12年03月16日)
(c)2012, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:メジナ(グレ)32p1尾を用いた。2012年3月。
図2:材料を揃える。 図3:容器に詰めて、電子レンジへ。 図4:テリーヌの完成。

 メジナ(グレ)の料理は多くが和風。しかし、洋風料理にも向く。ここでは、テリーヌ。単純にして美味。

 魚の準備:

 (1)釣った直後に、ナイフで絞め(シメ)る。

 (2)鮮度保持・血抜きのため、クーラーボックスの氷に若干の海水を加え、
   これに入れて持ち帰る。
 (3)曲がってしまった魚体を調理の際に無理やり伸ばすと身が崩れるので、
  大きめのクーラーボックスを使い、曲がらないよう注意する。

 (4)魚体が空気に触れて乾くと、鱗を落とすのが困難になり、
   手間取ると身が崩れて美味しい刺身にならないので、乾燥にも要注意。

 (5)鱗を落とす。
 (6)3枚におろす。
 (7)腹の骨を削ぎ、中骨を毛抜で抜くか、包丁で背身・腹身に切り分けて除く。

 (8)なお、以下の方法で冷凍保存しておいたものを随時解凍して用いると便利。
   方法:ラップを両面から密着させて空気を遮断、
   ポリ袋に入れ、できれば真空パックして冷凍(−18〜−30℃)。

 材料(6人前):
 (1)にんじん……・………70g………5o角のサイコロ切り
 (2)サヤインゲン…………5本………3〜5o程度に小口切り
 (3)塩……………………1つまみ、上記を茹でるのに使う

 (4)冷凍むきエビ…………100g……1cm弱に刻む
 (5)塩……………………1つまみ、上記を茹でるのに使う
 

 (6)グレの身………………260g……1cmサイコロ切り
 (7)塩………………………1つまみ、グレにふりかけておく
 (8)コショウ…………………少々、グレにふりかけておく
 (9)コンソメの素(固形)……砕いて粉にして、グレにふりかけておく
 (7)卵白……………………1個分

 (9)生クリーム……………100ml
 (10)黒コショウ(粗挽き)…少々

 手順:
 (1)調理の約10分前にグレの身に塩・コショウ・コンソメの素を振りかけておく。

 (2)ニンジンを十分に茹で、サヤインゲンを加えて軽めに茹でる。
 (3)冷水をくぐらせた後、すぐに水気を切る。

 (4)小エビを茹で、冷水をくぐらせた後、水気を切る。

 (5)グレの身と卵白をフードプロセッサ―に入れ、粉砕・ペーストにする。
 (6)ボールに取り出し、野菜・エビ・生クリーム・黒コショウを入れて練る。
   注意:暖かい季節・部屋では氷水に当てながら練ること。

 (7)適当な容器に入れ、ラップを緩く掛ける、または掛けてから小穴をあける。
 (8)600W電子レンジで加熱開始。
 (9)最初は1分30秒加熱して30秒休む。
 (10)以後、「30秒加熱して10秒休む」ことを繰り返しながら加熱。

 (11)様子を見ながら、全体に火が通るまで続ける(材料がやや膨らんで固まる)。
 (12)スチームオーブンまたは蒸し器で茶碗蒸しよりやや高温で蒸し固めても良い。
 (13)荒熱をとった後、冷蔵庫へ。

 (14)数時間冷やしてから切り分ける。
 (15)好みのソースを作り、つけて食べる。
 (16)ソースの例(マヨネーズ:ケチャップ:生クリーム=大匙2:1:2)

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'120401a メジナ(グレ)、白子のムニエル
メジナ(グレ)、白子のムニエル('12年04月01日)
(c)2012, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:グレ39cm、2012年03月27日。 図2:左のグレの白子。
図3:白子を薄い塩水で洗った後、
 1〜数時間白ワインに浸けておく
図4:塩・胡椒の後、薄く小麦粉を付け
てサラダ油とバターでこんがりと焼く。
図5:先の油を利用して好みのソースを
作ってかけ、茹でた野菜等を添える。

 春の湧きグレは壮観。海面に無数のグレが群れ、産卵しているのかその準備なのか浅学にして知らないが、これらのグレの腹は全て「白子(精巣)」または「真子(卵巣)」で膨らんでいる。

 稲妻さん(徳島・HP「鮎の友釣り」主宰)の話では、湧きグレを釣るとその大部分が雄とか。実際、今回2012年3月26日武者泊(愛媛)で釣ったグレでは料理した8尾中5尾が白子、3尾が真子を持っていた。

 白子をどう食べるか?今回ほど大量に手に入る機会がなかったため、鍋料理の具の一つとして利用する程度で、白子を主役にするなど、考えたこともなかった。

 素朴に茹でるか焼くかして、味ポン酢で食べるのが一番無難だろうと思ったが、今回はちょっと冒険だったが、洋風にしてみた。

 はっきり言って、今回のソースは、あまりお薦めでない。来年、湧きグレが釣れたらソースの項を変更するつもりであることをお断りしておく。

 白子(精巣)の準備:

  (1)釣った直後に、ナイフで絞め(シメ)る。

  (2)鮮度保持・血抜きのため、クーラーボックスの氷に若干の海水を加え、
   これに入れて持ち帰る。
  (3)曲がってしまった魚体を調理の際に無理やり伸ばすと身が崩れるので、
  大きめのクーラーボックスを使い、曲がらないよう注意する。

  (4)魚体が空気に触れて乾くと、鱗を落とすのが困難になり、
   手間取ると、身が崩れるで、乾燥にも要注意。

  (5)白子を傷つけないよう、丁寧に取り出す(図2参照)。
  (6)白子を薄い塩水で、手早く・優しく洗う。
  (8)白ワイン(白子500gに1カップ)に浸し、ラップをして、冷蔵庫に1〜数時間置く。

 材料:(6人分)

 <ムニエル>
  (1)白子………………600g(ワインから引き上げたもの)
  (2)塩…………………少々×2回
  (3)コショウ……………少々
  (4)小麦粉……………30g(但し、白子に付く量は半量以下に)。
  (5)サラダ油…………大匙3
  (6)バター……………15g

  <ソース>
  (7)トマト(缶詰)………200g(=半缶)、粗く刻む
  (8)キノコ(シメジ)……150g、下茹でしておく。
  (9)コンソメ……………小匙1
  (10)ローリエ…………2枚
  (11)塩………………少々
  (12)コショウ…………少々
  (13)砂糖……………少々

 <付け合わせ>*茹でた季節の野菜など

  (13)菜の花…………5本、下茹でしておく。
  (14)アスパラガス……5本、下茹でしておく。

 手順:

  (1)白子を熱湯に入れ、強火で短時間煮て、芯まで熱を通す。
  (2)冷水にとり、よく冷やす。
  (3)水分を完全に拭き取る。
  (4)白子を適当な大きさ(40g程度)に切る。

  (5)白子をキッチンペーパー上に並べ、白子に塩・コショウをふる。
  (6)裏返して、塩・コショウをふる。
  (7)小麦粉を、網で篩いながら、出来る限り薄く振りかける。
  (8)裏返して、同様に。
  (9)フライパンでサラダ油を熱し、白子を並べて入れ、焼く。
  (10)表面がカリッとしたら、ヘラで裏返して焼き、仕上げにバターを加える。

  (11)焼きあがった白子を、皿に盛り付ける。
  (12)大急ぎで油の残ったフライパンにソースの材料を加える。
  (13)数分煮て、塩・コショウ・砂糖で味をととのえる。
  (14)ソースを白子に添えるか、かける。

  (15)付け合わせ(アスパラガス、菜の花)を添える。

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'130302a メジナ(グレ)、フリッター
メジナ(グレ)、フリッター('13年03月02日)
(c)2013, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)
図1:一口大に削ぎ切りする。 図2:衣に泡だてた卵白を加える。 図3:フリッター。

 ふんわり・柔らかく・香ばしい、フリッターを作ってみた。フリッターは、天ぷらに似た揚げもの。しかし衣に違いがある。即ち、小麦粉に卵黄・牛乳・塩を加えて混ぜ、これにしっかりと泡だてた卵白を加える。

 煮付けやアラ煮がご飯に合い、刺身は日本酒に合う、云々…その伝で言えば、フリッターはビール、炭酸飲料、白ワインあたりに合う。私の好みは白ワイン、それもリースリング。

 ケチャップと粒マスタードを合わせて付けるのが簡単でお薦め。もちろん、塩・胡椒、マヨネーズ、タルタルソース、自分流の凝ったソース、何でも良いのだが。

 材料:(8人分)

  魚
   a.グレ(刺身のさく状にしたもの)……640g…1口大に削ぎ切りしておく(図1)。
   b.塩・胡椒・(好みのハーブ)………適宜
   c.白ワイン…………………………適宜(まぶす程度の量)
   d.小麦粉……………………………適宜(まぶす分)

  衣
   e.小麦粉………120g
   f.牛乳…………150ml
   g.卵黄…………2個分
   h.塩……………小匙1
   i.卵白…………2個分…………しっかりとした角ができるまで泡だてる

  油:
   j.揚げ油(サラダ油)……適宜

  ソース:
   k.ケチャップと粒マスタード
   (または、マヨネーズ、タルタルソース、自作ソースなど、好みで)

  手順:
   (1)魚に b.塩・胡椒・ハーブ(乾燥) c.白ワインを振りかけ、よく馴染ませる。
     *グレは淡白なので、好みの(適度な)塩味がつくように。
   (2)キッチンペーパーで挟んで、水分を除く。
   (3) d.小麦粉 をまぶし、余分を払い落す。

   (4)衣の材料 e.〜h. をよく混ぜる。
   (5)上記(4)へ i.泡だてた卵白 を加え、ヘラで混ぜる(図2)。
   
   (6)上記(5)の衣をつけて、170℃でやや濃いキツネ色(図3)になるまで揚げる。
   (7)この衣は「色づきがとても早い」ので芯まで火が通らないことがある。
   (8)その場合、皿上に重ならないように並べて電子レンジで「温める」とよい。
    *ラップをしないこと。
    *しっかり熱を加えても衣に影響はない(べたついたり崩れたりしない)。

   (9)上記ソースをつけて食べる。
     *冷めても美味しく食べられ、おやつにもなる。

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'120401b メジナ(グレ)、真子の煮付け
メジナ(グレ)、真子の煮付け('12年04月01日)
(c)2012, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:下処理。
グレの真子(卵巣)。酒に1〜数時間浸ける。
図2:真子の煮付け。

 春、湧きグレの季節のグレの腹には、大きな白子(精巣)か真子(卵巣)が入っている。

 以下は、真子(卵巣)の最も単純な料理である。

 真子(卵巣)の準備:

  (1)釣った直後に、ナイフで絞め(シメ)る。

  (2)鮮度保持・血抜きのため、クーラーボックスの氷に若干の海水を加え、
   これに入れて持ち帰る。
  (3)曲がってしまった魚体を調理の際に無理やり伸ばすと身が崩れるので、
  大きめのクーラーボックスを使い、曲がらないよう注意する。

  (4)魚体が空気に触れて乾くと、鱗を落とすのが困難になり、
   手間取ると、身が崩れるので、乾燥にも要注意。

  (5)真子を傷つけないよう、丁寧に取り出す。
  (6)真子を薄い塩水で、手早く・優しく洗う。
  (8)日本酒に浸し(真子150gに酒1/2カップ)、ラップをして、冷蔵庫に1〜数時間置く。
  (9)真子は最後まで(=盛り付けまで)切らないこと。
  
 材料(3人前):

 <真子>
  (1)真子(卵巣)・・・・・・・・・150g、上記のように下処理

 <汁>
  (2)水・・・・・・・・・・・・・・・・・1カップ
  (3)うすくち醤油・・・・・・・・・味を見ながら適宜(すまし汁よりやや濃く)
  (4)味醂・・・・・・・・・・・・・・・大匙1、好みで増減
  (5)土生姜・・・・・・・・・・・・・母指頭大の量、千切り

 手順:

  (1)汁を煮立て、真子を入れ、5分前後煮る。
  (2)盛り付けのとき、必要なら真子を切り分ける。

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'130227a メジナ(グレ)、皮で作るゼリー寄せ
メジナ(グレ)、皮で作るゼリー寄せ('13年02月27日)
            *アスピック、洋風煮こごり料理
(c)2013, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)
図1:皮と血合。 図2:分注、冷却。1容器が1人分。 図3:完成、皿へ。

 周知のように、「ゼリー」と呼ばれる食品には、植物質(ペクチン、寒天ほか)で固めたものと動物質(ゼラチン)で固めたものがある。ここでは、もちろん動物質のほう。

 ゼラチンとは、動物の皮を始めとする体各部には少なからず含まれるコラーゲンを温湯(家庭では煮沸)で抽出して得た変性コラーゲンのことで、濃いめに湯に溶けているものを冷却するとゲル化し、弾力のある塊になる。釣人ならだれもが知っている「にこごり」は、正にそれ。

 ゼラチン(変性コラーゲン)を健康食品として食べたり化粧品として皮膚に塗ったりしても、プラシボ効果(偽薬使用時の暗示による効果)や保湿効果を超す「劇的な効果」が期待できるような科学的裏付けを、浅学のせいか、私は知らない。

 …もし、そのような健康食品・サプリメント・化粧品等を大枚はたいて買っている人がいるなら、ここで紹介する料理「皮で作ったゼリー寄せ」を食べていただくほうが、よほどお得で栄養的・美容的にも良いのではないかと思う。

 材料:(6人分)
  *今回40pのグレ3尾相当量の皮と血合。
    もっと少ない魚数で作ろうとすれば、頭や尾鰭、中落ちも使えばよい。
    但し、この時は鰓や血を徹底して取り除かないと濁りが出る。

  a.グレの皮と血合……40p3尾分(図1)
  b.水 …………………約1.5リットル
  c.塩…………………小匙約1/2
  d.生姜(微塵切)……好みで(但しごく少量、小指1/2関節以下)
  e.ローリエ(月桂樹)…5枚

 ゼラチン(変性コラーゲン)の抽出:
  (1)上記材料を沸騰するまで強火、以後蓋をして弱火で煮る。
    *吹きこぼれに注意。
  (2)20分以上40分程度、水が1/2〜1/3になるまで煮る。

  (3)ザルにキッチンペーパーをセットして熱いうちに濾過する。
    *濾過やアク取りに使えるペーパーを使用(ペーパータオルは不可)
    *紙上に残った皮等のガラはまだ捨てないで鍋にもどしておく。

  (4)濾過して汁を容器(丼ぶり鉢等丸底容器)に入れ、
     荒熱をとった後冷蔵庫に入れ3時間以上冷やす。
  (5)弾力のある丈夫な塊になるか否か、確認する。
    *容器をひっくり反して皿の上にしっかりした乳房状の塊ができればOK。
    *丈夫な塊ができるほど後の失敗は少ない。
    *もし、脆弱なら、上記の鍋へもどして煮つめ、濾過する。

 ゼリー寄せ:(6人分)
  材料:
  f.ジャガイモ………………120g…5o角のサイコロに切る
  g.ニンジン…………………60g… ピーラーでスライスし、指爪大に切る
  h.タマネギ…………………120g…およそ5o角に切る
  i.コンソメの素(固形)……・1個(塩等を加えた後に、味を見ながら好みで増やす)
  j..塩…………………………少々(適宜)
  k.粗挽き黒胡椒 ……………少々
  l.胡椒(または白胡椒)……少々
  m.ベーコン…………………30g…およそ1p×5oに切る
  n.トマト ……………………120g…湯剥きしておよそ1p角に切る
  o..生クリーム ………………60ml
  
 調理:
  (1) 鍋に上記で得たゼラチンの塊を入れ、弱火で溶かす。
  (2)上記f〜hの野菜を入れ、落とし蓋をして弱火で煮る。
  (3)j〜lを適宜加えて、味と香りを整える。
  (4)ジャガイモが柔らかくなったら、m.ベーコンと n.トマトを入れ、
   野菜等で増えた水量を元にもどす程度にまで煮つめる。
  (5)最後にo.生クリームを加え、煮立ったら火を止める。
  (6)適当な容器(人数分)に分注文する
     (丸底の湯のみ等が最適、ここでは平底のスフレ皿を使った)。
  (7)ラップをかけ、荒熱がとれたら冷蔵庫で冷やして固める(図2)。
  (8)食べる直前に、容器を熱湯で瞬時(数秒以内)温め、皿で覆って反転させると
    きれいに容器から出る(図3)。
  (9)すぐに食べること。

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'140202a メジナ(グレ)、アラで作るそぼろ
メジナ(グレ)、アラで作るそぼろ('14年02月02日)
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)
図1:アラを熱湯に入れ沸騰1分弱。 図2:湯切りして身を集める。 図3:フライパンで炒りながら味付け。

 寒のメジナ(グレ)は美味。刺身、寿司、シャブシャブ等々楽しみ方は数々あるが、アラの料理の美味しさも見逃せない。アラでそぼろを作ってみた。

 そぼろを作る手順は以下のとおり。

 (1)アラはウロコや血が残らないよう、よく洗う。
 (2)強火でアラが浸る程度の量の湯を沸かし、アラを入れ、沸騰1分弱(図1)。
 (3)ザルで湯切りをする。
  *なお、湯は捨てず、ボールに受け、身をとった後の骨・皮を戻し入れ、
   再び加熱してゼリー寄せに利用する。
 (4)身をほぐして取り出す(図2)。皮・鱗・小骨が残らないよう注意(重要!)。
 (5)フライパンに薄くサラダ油を塗り、弱火で身を炒る。
 (6)味・風味付けは以下を参考に。
   ・生姜(微塵切りにする、またはおろす)…適宜
   ・醤油(濃口)…適宜
   ・味醂………適宜
   ・必要なら、酒・砂糖・炒り胡麻など。

 焦がさないよう、キンピラを作っている感じで炒る。

 なお、子供のいる家庭では、小骨による事故が心配になる。完成したそぼろを、さらに擂鉢(すりばち)で十分に擂るかフードプロセッサー等で粉砕する。

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'140512b メジナ(小グレ)、甘酢あんかけ
メジナ(小グレ)、甘酢あんかけ('14年05月12日)
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan

 淡路島のグレは、南岸(灘・沼島など)を別にすれば、30p程度が最大級。そこそこの味の刺身になる25p以上が釣れれば御の字。小グレ(20〜25p)のキープで我慢せねばならない場合が多い。

 それが梅雨の小グレの場合、味はとても淡白なので、濃い味の煮付けにするか、揚げるか、何か調理に一工夫加える必要がある。

 甘酢あんかけは、見た目も楽しく演出でき、お薦めできる1つ。

 作り方は簡単。以下が手順と注意点。

 材料:
  (魚等)
   ・小グレ…2尾、
     *以下は2尾(22p、23p)に対する量
   ・塩……適宜
   ・胡椒………適宜
   ・小麦粉(薄力粉)…適宜*魚にまぶす分

  (甘酢あんの材料A(野菜等))

   ・たまねぎ…中1個を薄切り。
   ・にんじん…1/3本を千切り。
   ・その他(ピーマン、サヤエンドウ等)…適宜量を千切りほか
   ・キノコ…適宜
   ・炒め油…サラダ油大匙1

  (甘酢あんの材料B)

   ・ケチャップ……70g
   ・酢……………80ml
   ・砂糖…………70g
   ・中華だし………顆粒小匙1/2を100mlのお湯で溶く
   ・醤油……………小匙2

  (甘酢あんの材料C)
   ・水溶き片栗粉…大匙1+1/3
   ・ごま油…………小匙1+1/3

 手順と注意点:

 (1)材料A(野菜等)を上記のように下処理(洗う・切るなどの準備)する。
 (2)材料A(野菜等)をフライパンで炒めたら、火を止めておく。
 (3)小鍋に甘酢あん材料Aを混ぜて弱火で加熱、火をとめておく。

 (4)魚の鱗を剥がし、腹を裂いて内蔵を取り除く。
   *鱗は丁寧に全域をはがす。
   *消化管は可能な限り喉の際までとり除く。
   *釣針が無いか、必ず確認。
   *鰓は、取り除くのが難しければそのままでもよい。
 (5)魚の左右両側に切れ目をつける。
   *背鰭の際に沿って、また尻鰭の際に沿って。
   *体側に斜めに3本ほど。
   *切れ目は、身をカラリと揚げるため、また反りを防ぐためにつける。

 (6)両面と腹腔に塩・胡椒して、10分間馴染ませる。
 (7)体表面と腹腔の水気をキッチンペーパーを軽く押しあてて除く。
 (8)小麦粉をまぶし、余分を払い落とす。

 (9)魚を180℃で揚げる。
   *2度揚げする。
   *身がカラリと揚がるまで、十分に。

 (10)炒めた材料A(野菜等)をフライパンで再加熱。
 (11)小鍋の材料Bをフライパンに加える。
 (12)十分加熱できたら、材料Cを投入して撹拌、甘酢あんを完成させる。

 (13)揚げた魚を皿に置き、甘酢あんをかけ、熱いうちに食べる。
   *揚げたての魚に、熱々の甘酢あんがかけられるなら最良。

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'081223b メジナ(小グレ)、一夜干し
メジナ(小グレ)、一夜干し('08年12月23日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:小グレ、25pまで、2008年12月。
図2:3枚におろし、腹の骨を削ぎ取り、
中骨を毛抜きで引抜く。
 図3:濃い塩水に短時間浸した後、
紙等を押しあて、水気を取る。

 大きなメジナ(グレ)が釣りたくても、釣れない地域もある。淡路島では、特別な場合を除けば31pまで。岸や波止からは25cmを超えれば堂々と「グレ」と呼んでも良いのでは?という意見もちらほら。
 小型グレの味はどうか。30p以上の大型グレに比べれば、淡白。しかし、淡白な魚には淡白な魚の食べ方がある。

 「そんな小さなグレなんて…」とバカにするベテラン釣り師もいるが、それは先人の知恵を知らない大バカ者である。

 1つは干物。油と馴染ませる天ぷら・ムニエルもある。出汁と合わせる鍋。タタキにナメロウ…方法は少なくない。ここでは、一夜干しを紹介する。

一夜干しの作り方と注意点は、以下のとおり。

 (1)釣った魚は直ぐにナイフでシメる。
 (2)鮮度保持と血抜きを兼ねて、クーラボックスの氷には海水を加え、
  これに入れて持ち帰る。

 (3)鱗をとる。
 (4)3枚におろす。
 (5)腹の骨を削ぎ取り、中骨を毛抜きで抜く。

 (6)海水(塩分約3.5%)より十分に濃い塩水(7%以上)に1−数分浸ける。
 (7)引き上げてキッチンペーパー等を押し当てて水気を除く。

 (8)猫や虫を避けるため、網篭に入れて、夜間に(1晩)干す。
   猫は相当高いところまで飛びあがって悪戯するので注意が要る。

 (9)日が上がる前に取り込み、ラップを両面から密着させ、
  ポリ袋に密封(できれば真空パック)して冷凍庫(-18℃〜-30℃)に保存。

 (10)必要な時に、冷蔵庫内で解凍。焼いて食べる。

 なお、(6)で塩を振りかけず濃い塩水に浸けるのには理由がある。

 振りかけるのは案外難しい。適量が撒けず不均等になりがち。過剰の塩がかかると干している間に塩が深く浸透して、辛くなり過ぎる。薄かったら、腐敗しやすい。

 確実にまんべんなく、塩を行渡らせるには、濃い塩水が一番。

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'120516a メジナ(小グレ)、塩焼き
メジナ(小グレ)、塩焼き('12年05月16日)
(c)2012, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)
図1:メジナ(小グレ)、23p。2012年5月15日。 図2:塩焼き。
図3:内臓は頭と一体で取り除く。 図4:縦に深く切れ目を付ける。

 新鮮な釣魚は、先ず刺身にと言う人が多い。残ったアラを煮付けなどにすれば、無駄もなく、結構なことだと思う。

 しかし、小魚の場合、脂気が無かったり、アラに利用価値が少なかったりするので、刺身を第1の選択にするのは利口ではなく、一般には、無駄なく身を食べ尽くすことのできる塩焼きが薦められる。

 ところが、暖季の小グレの場合、素朴に塩焼きしたのでは淡白過ぎる。別項の一夜干しや葱味噌焼きのほうが遥かに味わいが深くなるが、ここでは、塩焼きの最終段階で、ハケで薄口醤油を塗ってみた。

 塩焼きの手順は以下のとおり。

 (1)釣った魚は直ぐにナイフでシメる。
 (2)鮮度保持と血抜きを兼ねて、クーラボックスの氷には海水を加え、
  これに入れて持ち帰る。

 (3)真水で流水水洗、鱗をとり、流水水洗。
 (4)内臓を傷つけないよう、頸の両側面と腹に切れ目を付ける。
 (5)頸の骨を切断、頭を下に引くと内臓全部を一気に取り除ける(図3)
 (6)尾鰭を切り取る。

 (7)身の両側面に、縦に深い切れ目を付ける(図4)。
 (8)塩を振って焼くが、コツは「強めの塩・すぐに焼く」こと。
 (9)焼きあがったら、ハケで薄口醤油を塗って、すぐに火からおろす(図2)。

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'120516b メジナ(小グレ)、づけ丼ぶり
メジナ(小グレ)、づけ丼ぶり('12年05月16日)
(c)2012, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)
図1:メジナ(小グレ)、29p、2011年5月15日。 図2:づけ丼ぶり。
図3:3枚におろす。 図4:骨、皮をとり除く。 図5:調味液に漬け込む。

 暖季の小グレの味は概して淡白。そこで、調味液に漬け込んで、それを寿司飯にのせて「づけ丼ぶり」にしてみた。

 づけ丼ぶりを作る手順は以下の通り。

 (1)釣った魚は直ぐにナイフでシメる。
 (2)鮮度保持と血抜きを兼ねて、クーラボックスの氷には海水を加え、
  これに入れて持ち帰る。

 (3)真水で流水水洗、鱗をとり、流水水洗。
 (4)3枚におろす(図3)。
 (5)骨と皮を完全に取り除く(図4)。

 (6)好みの調味液を作る(例えば、濃口醤油1:味醂1・刻み生姜適宜)。
   
*醤油を多く、味醂を少なくする選択肢もある。生姜をすり胡麻に変えるのも一法。
 (7)ポリ袋を用い、身を調味液に浸し、冷蔵庫中に2〜6時間置く(図5)。

 (8)炊きたてのご飯を寿司酢で和え、丼ぶり鉢に入れる。
 (9)上に出来上がった「づけ」を並べ、すり胡麻を振り、錦糸卵などを添える(図2)。

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'090104b メジナ(小グレ)、ネギ味噌焼き
メジナ(小グレ)、ネギ味噌焼き('09年01月04日)
(c)2009, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:メジナ(小グレ)、23pまで。 図2:ネギ味噌焼き。
図3:3枚におろし、骨を除く。 図4:味噌をまぶし、1晩置く。 図5:刻み葱をまぶして焼く。

 房総半島あたりに伝わる漁師料理に、ナメロウとかサンガ焼きと呼ばれているものがある。使われる魚種はアジ、グレ(メジナ)、サバ等。

 簡単に言えば、ネギ、ショウガ、オオバ等の香味野菜を加えて魚のタタキ(叩、敲)を作り、少量の味噌で和え、軽く叩いて生のまま食べるのがナメロウ、それをオオバ等を敷いて焼いて食べるのがサンガ焼き。

 ネギや味噌と淡白な味の小グレは相性が良いのはそんな料理からも類推できる。ここでは叩かずに3枚下しのまま、ネギと味噌を合わせて焼くことにした。

 ネギ味噌焼きの手順と注意点は、以下の通り。

 (1)釣った魚は直ぐにナイフでシメる。
 (2)鮮度保持と血抜きのため、クーラーボックスには氷に加えて海水を入れる。

 (3)鱗を落とす。
 (4)3枚におろす。
 (5)腹の骨を削ぎ取り、中骨を毛抜きで抜く。

 (6)味噌に漬け、1晩〜1昼夜冷蔵庫4(℃-8℃)に置く。 
 (7)味噌は白味噌をベースに好みの合わせみそを作るが、
   最初は普段味噌汁に使っている味噌を使うのが無難。
 (8)好みで味醂・砂糖・酒を加える。

 (9)焼く時は、洗わないこと。軽く払い落す程度が良い。少々の焦げは気にしない。


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'091013a メジナ(小グレ)、天ぷら
メジナ(小グレ)、天ぷら('09年10月13日)
(c)2009, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)
図1:メジナ(小グレ)、21pまで、2009年10月。
図2:3枚に下(お)ろし、腹骨を削ぎ、中骨を毛抜きで抜く。 図3:天ぷら。

 秋の小グレ(18-21cm)。少し脂の気配も感じられますが、やはり刺身には淡白。ならばキスの天ぷらに倣い、淡白さを生かす天ぷらに。

 これが想定を超える、大成功。

 天ぷらにするまでの手順と注意事項は、以下のとおり。

 (1)釣ったグレは直ちにナイフで絞め(シメ)る。
 (2)鮮度保持と血抜きのために、クーラ-ボックスの氷に海水を加え、
   これに放り込んで、持ち帰る。

 (3)大量に釣れたら、帰宅後、真水(水道水)で素早く洗って即刻チルド(氷温)室に
   入れる。さばくのが翌日夕方になっても、全く心配ない。

 (4)(既に洗ってあるので)冷たいまま、鱗を落とすし、瞬時流水で洗う。
 (5)3枚に下(お)ろし、腹の骨を包丁で削ぎ取り、中骨を毛抜きで抜く。

 (6)流水で瞬時洗い、直ちに水分を吸い取って、皮を引き剥がす。
   仮に刺身にすればせいぜい3〜4切れの大きさ。切らずに天ぷら種にする。

 (7)下味は塩・胡椒、好みでハーブを加える。数分置く。

 (8)衣は次のように作る。
   大匙2杯の片栗粉に薄力粉を加えて合計1カップの粉とする。
   これを、卵1個に氷水を加えて1カップとした卵液で溶く。  

 (9)型どおりに揚げて、ほんのり狐色になったら、完成。

 (10)熱々に酢橘(すだち)少々を絞りかけ、塩・胡椒、マヨネーズ、醤油など
   好みのものを付けて食べます。

 (11)クセのない、若グレだからこその味。

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'120611a メバル、刺身
メバル、刺身('12年06月11日)
(c)2012, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)
図1:メバル、21pまで。2012年6月10日、淡路。 図2:3枚に下ろす。
図3:骨を除き、皮を剥ぐ。 図4:刺身包丁で切る。

 メバルは、煮付けにすると美味しく、無駄無く食べられる。しかし、良型が揃えば、少しは刺身に回すと良い。極上の味を堪能できる。比較的捌き易く、丁寧にやれば案外無駄は出ない。

 刺身の作り方と注意点は、以下のとおり。

 (1)釣った魚は直ぐにナイフでシメる。
 (2)鮮度保持と血抜きを兼ねて、クーラボックスの氷には海水を加え、
  これに入れて持ち帰る。
 (3)夜釣りで釣ることが多いので、
   クーラーボックスから魚を取り出したら、直ちに、
   魚を乾かないようポリ袋に密封して、冷蔵庫で氷温(チルド)保存。
   (保存性を高めるため内蔵を除こうとすると、水洗などで
    魚体の温度が上がってしまい、意図とは逆に保存性が悪くなる)

 (4)翌日夕方、料理にかかる。
 (5)鱗をとる。
 (6)3枚におろす(図2)。
 (7)腹の骨を包丁で削ぎ取り、中骨を毛抜きで抜(図3)。

 (8)キッチンペーパーで包んで冷蔵庫(チルド)で冷やす。
 (9)食事直前に取り出して、刺身包丁で好みの大きさに切る(図4)。 

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'090104a メバル(小メバル)とカサゴ(小ガシラ)、煮付け 
メバル(小メバル)とカサゴ(小ガシラ)、煮付け('09年01月04日)
(c)2009, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:(左)メバル、(右)カサゴ(ガシラ)、18pまで、2009年10月。
図2:必ず切れ目を入れる。。 図3:落とし蓋をして煮る。 図4:下がメバル、上がカサゴ(ガシラ)

 オーストラリアでは、魚種によってはキープする魚の下限と上限が定めてあり、何センチ以下は放せ、何センチ以上も放せと、ガイドブックにも書いてある。

 海に放された後、釣りの傷が原因で死んだとしても、魚や海鳥や様々な生物の食物や栄養になり、無駄にはならない。納得である。

 日本には、法的なしばりは無いが、小魚は放せという習慣はある。

 しかし、鈎(はり)を呑みこんだ小魚を、持ち帰って食べようとする行為は、それはそれで真っ当だと思う。

 さらに言えば、魚の死を無駄にせず、家族や仲間で食べきれる範囲なら、釣った小魚を持ち帰ることも、全く問題ないと思う。

 幼魚にせよ成魚にせよ乱獲こそが致命的。特に、成魚の乱獲こそ規制されるべきで、幼魚に対してアマチュア釣り師が加える淘汰圧など微弱で問題外。許容範囲だと思う。

 幼魚を狙って釣る釣りは典型的にはサビキに見られるように、実在する。そして、つつましく小型のメバルや小型のカサゴ(ガシラ)を釣ってつつましく食べる営みも、実在する。

 チリメンジャコや煮干しなど大量の幼魚を食用にする食文化の中では、些細な愛らしいこと。いいではないか、と思いつつ、以下にメバル(小メバル)とカサゴ(小ガシラ)の煮付けを紹介する。

 (1)釣った魚は、氷絞(じ)めにする。
   即ち、クーラーボックスの氷に海水を加え、ここに放り込む。
 (2)帰宅後、真水(水道水)で洗ってチルドルームで氷温(0℃)貯蔵すれば、
   翌日にゆっくり調理できる。

 (3)鱗を落とす。鰭の棘が刺さらないよう注意。
 (4)頭を落とし、腹を裂く。

 (5)各鰭の付け根に沿って包丁を入れ、
   食べる際の身離れをよくする(図2)。
 (6)反り返りを防ぐための切れ目も体側に入れる(図2)。

 (7)鍋に、酒・濃口醤油・砂糖・味醂・刻み土生姜を入れ、
   沸騰したら魚を入れ、アルミホイルの落とし蓋を入れ、
   蓋をして、弱火で煮る。
 (8)ゆっくり煮ながら、ときどき味見をする。
   砂糖と醤油を足して甘さ・辛さのバランスを整える(図3)。
 
 (9)味が整ったら、火を止めて放置。
   冷える過程で、味が深く浸みこむ。
 (10)完全に冷めてから、再度軽く煮て、
     若干煮つめ気味にして完了。

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'150715a メバル(小メバル)、唐揚げと南蛮漬け 
メバル(小メバル)、唐揚げと南蛮漬け('15年07月15日)
(c)2015, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:メバル(小メバル)、13〜15p。 図2:頭と内臓を引抜く。 図3:背鰭、尻鰭を除く。
図4:塩・胡椒をし小麦粉を薄く塗す。 図5:2度揚げで、カラリと仕上げる。 図6:南蛮漬けも美味しい。

 日本には、法的なしばりは無いが、小魚は放せという習慣はある。

 一方で、幼魚を狙って釣る釣り典型的には豆アジのサビキに見られるような釣りが、実在する。

 チリメンジャコや煮干しなど大量の幼魚を食用にする食文化の中では、小型のメバルをつつましく釣ってつつましく食べることは、賛否議論はあるだろうが、「つつましく」の範囲内なら些細で愛らしい行為、許容されても良いではないかと思いつつ、以下にメバル(小メバル)の唐揚げと南蛮漬けを紹介する。

 なお、今回使ったメバル(小メバル)は13〜15p(図1)。

 (魚の準備)

 (1)釣った魚は、必ず氷絞(じ)めにする。
   即ち、クーラーボックスの氷に海水を加え、ここに放り込む。
 (2)帰宅後、真水(水道水)で洗ってチルドルームで氷温(0℃)貯蔵すれば、
   翌日にゆっくり調理できる。

 (下処理)

 (3)鱗を落とす。鰭の棘が刺さらないよう注意。
 (4)腹に切れ目を入れ、内臓を切断しないように頭を落とし、内臓を引抜く(図2)。
   *頭とともに胸鰭・腹鰭・内蔵が除去される。

 (5)背鰭と尻鰭の付け根に沿って深く包丁を入れ、鰭を引抜く(図3)。

 (唐揚げ)

 (6)塩・胡椒を適宜振る。
 (7)小麦粉を薄くまぶし余分をはたき落とす。

 (8)油(サラダ油等)を熱し、170℃でやや色付くまで揚げる。
 (9)一旦引き上げて5分ほど置く。
   *この間に油の余熱で深く熱せられる。
 (10)やや高温にした油で、からりと仕上げる。
   *腹部の骨(肋骨)が気にならないところまで揚がったら唐揚げは完成。

 (南蛮漬け)

 (11)酢(米酢)、醤油、砂糖を好みの割合で適量混ぜる。
    ポリ袋の中で揚げた魚が浸る量が最低限の量。
 (12)タマネギの薄切りを加える。
 (13)辛みの材料(一味、七味など)を好みの量加える。
 (14)唐揚げにした魚を浸す。
    *ポリ袋(保存袋、冷凍保存袋)に入れ、冷蔵庫に1晩〜1日置く。

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