料理実例(詳細09b)
(c)2009, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)

お魚クラブ釣魚料理料理実例編(目次)>詳細09b


'081213a サバ(ゴマサバ)、茶漬け
サバの茶漬('08年12月13日)
(c)2008, rivised on 15, 2012. ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:ゴマサバ、35cm、2008年。 図2:ゴマサバの茶漬け(ゴマ醤油で和えて完成)

 サバの茶漬は、九州福岡あたりでは普通の食べ方。

 新鮮なサバをやや薄切りの刺身にし、ゴマ醤油で和えて10分ほど馴染ませ、少量の山葵とともに熱いご飯に載せ、熱々のお茶を注いで食べる。タイ茶漬けの上品さとは別次元の、野趣豊かで濃厚な味が魅力。

 私の博多暮らしの中で、印象深かった料理の1つ。

 サバはマサバでなくても構わない。要は鮮度。淡路島の釣りでは岸からでもしばしば良型のゴマサバが釣れるので、お茶漬けが楽しめる。

 サバのお茶漬けの作り方と注意点は、以下のとおり。

 (1)釣ったらすぐにナイフで絞め(シメ)る。または、サバ折りにする。

 (2)鮮度保持と血抜きが、特に大事。クーラーボックスの氷に海水を加え、
  これに漬け込んで持ち帰る。

 (3)真水(水道水)でよく洗い、先ず3枚に下(おろ)す。

 (4)腹身の骨を削いで除き、上身と腹身に切り分ける際に血合いと中骨を除く。
   お茶漬けは掻き込むように食べるもの、故に骨は絶対に残さないこと。
 (5)皮を剥ぎ、やや薄切りの刺身にする。

 (6)これを浸すゴマ醤油は、すり鉢でゴマ粒の1/2か/2/3が潰れる程度に
   すり、鉢に適量の醤油と、ごく少量の酒を注いで作る。

 (7)すり鉢の中で、刺身をゴマ醤油で和え(軽くほぐすように混ぜ)、
   別の容器に全量を移し、冷蔵庫中で10−30分間馴染ませる。

 (8)適量を、おろし山葵とともに茶碗の熱々ご飯に載せ、
   熱々の番茶をかけて、食べる。

 (9)食べ残した分はチルドルーム(0−2℃)に入れて保存。
   1晩置くと、美味しい「ずけ」になる。

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'141226a タカノハダイ、刺身
タカノハダイ、刺身('14年12月26日)
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室
図1:タカノハダイ(2014年12月25日)牟岐大島。 図2:鱗を除き、3枚におろす。
図3:腹骨を削ぎ、中骨を除く。 図4:刺身にする。

 食材としてのタカノハダイの評判は、必ずしも良くない。磯釣りでは嫌われ者と言えるが、その理由は味の良否よりも、これが釣れるとその日は本命のグレが釣れないと信じられていること。

 肉質は良く、少なくとも冬に、刺身はなかなかの味。磯臭いという評判を耳にするが、季節や調理法などによるのかも。

 刺身の手順はほかの魚と変わらない。但し、鱗剥がしが大変、硬くて難儀する。念のため、臭い移りの原因になるかも知れない内蔵を傷つけないようにしたい。

 (1)釣ったらすぐにナイフで絞め(シメ)る。
   鮮度保持と血抜きのため、クーラーボックスの氷に若干の海水を加え、
   それに浸けて持ち帰る。
   *世間で「磯臭い」と言われている魚は、鮮度保持と血抜きを怠らないこと。

 (2)鱗(ウロコ)を落とす。鱗は、硬くて剥がし難いので、手を負傷しないように注意。

 (3)3枚に下(お)ろす(図2)。
 (4)腹骨を削ぎ取り、中骨を除く(結果的に上身と下身に切り分けることになる)。
 (5)皮を剥ぐ(図3)

 (6)好みの厚さに切り分けて刺身にする(図4)。

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'120329a タカベ、塩焼き
タカベ、塩焼き('12年03月29日)
(c)2012, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)
図1:タカベ、26p、2012年3月27日。 図2:タカベ、塩焼き。

 タカベは、磯釣りの外道ないしは餌盗りの類、釣師にはあまり歓迎されない。しかし、実は美味しい。

 様々な料理に向くだろうが、最も単純にして最も薦められるのは塩焼き。

 塩焼きの要領は以下のとおり。

 (1)釣ったらすぐにナイフで絞め(シメ)る。または、サバ折りにする。

 (2)鮮度保持と血抜きが大事。クーラーボックスの氷に海水を加え、
  これに漬け込んで持ち帰る。

 (3)真水で洗う。翌日料理するならチルドルーム(0℃)に保存。

 (4)鱗と内蔵をとり除き、身に適宜切れ目を入れる。

 (5)全体(表裏とも)に、高い位置から塩をふりかける。量は好みで加減。

 (6)各鰭には化粧塩(塩を指先で厚く圧して付ける)をして、鰭の焼失を防ぐ。

 (7)塩は、できれば粗塩や岩塩を選ぶ。

 (8)塩辛さの程度は、塩の量もさることながら、振って以後焼くまでの時間に影響される。やや強い目の塩を使い、即座に焼くのが私の方法。

 (9)レモンよりは酢橘が合うので、酢橘を冷凍保存しておくと便利。

 なお、塩焼きの美味しさは、
 加熱によって、「魚に内在する油で魚を揚げる」ことで生まれる。
 このことを心得ておこう。

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'111012a タチウオ、塩焼き
タチウオ、塩焼き('11年10月12日)
(c)2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)
図1:タチウオ、2012年9月15日、淡路。 図2:頭と内蔵を除去。
図3:前2/3は塩焼き、後ろ1/3は3枚におろして別途利用。 図4:塩焼き、酢橘を添える。

 タチウオ(太刀魚)の料理で、最も簡単なのが塩焼き。鱗を剥がす手間が要らず、内蔵の除去も簡単、ぶつ切りにして、塩を振って焼くだけ。

 しかし、最もお薦めの料理法かというと、そうでもない。

 タチウオのサイズは「指4本幅」などと表現されるが、波止から釣る太刀魚は、指3本幅(50mm)前後の小型がほとんど。

  このサイズを塩焼きにすると、体の前半分はともかく、後ろ半分は身が薄過ぎて骨に固着。剥がせず、食べるのに苦労する。前半分にしても、小骨を除きながら食べるのは易しくない。

 故に、塩焼きには、最低でも指3.5本幅、できれば指4本幅以上が向くと心得たほうが良い。

 小型は、意外に思うかもしれないが、3枚に下(お)ろして、刺身・天ぷら・味醂干しにすると良い。アラは、湯引きしてから、出汁をとったり椀種にすると美味。全く無駄がない。

 タチウオの塩焼きの手順は、以下のとおり。

 (1)真水(水道水)で洗う。
 (2)鱗をおとす必要はない。
 (3)腹を裂き、頭部を落とし、内蔵を除いて水洗(図2)。

 (4)ヒレの根元全域に浅く包丁を入れ、食べるときに小骨を除き易くする。

 (5)適当な長さ(10〜15cm)にぶつ切り。
   前2/3は塩焼きに使い、後ろ1/3は3枚におろして
   別途(椀種などに)利用する。(図3)

 (6)塩を振って、焼く。

 (7)鰭(ひれ)には厚く化粧塩を付けて焼くこと。
  好みの量の塩を振り、時間をおかずにすぐ焼くこと。

 (8)うす塩で焼いて少量の醤油を付けながら食べると良い。

 (9)レモンを添えるのも良いが、この季節はスダチを薦める(図4)。

 (10)もちろん、熱々を食べるのが一番。
   シンプルな料理ほど、食べるタイミングを大切にしたい。

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'111012b タチウオ、刺身
タチウオ、刺身('11年10月12日)
(c)2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)
図1:タチウオ、2012年9月15日、淡路。 図2:頭と内臓を除去。
図3:3枚におろす。 図4:アラは椀種に。 図5:生姜とネギを添える。

 波止jから釣れるタチウオ(太刀魚)は、多くが小型。指3本幅までのタチウオなら、お薦めの第1は刺身。

 しかし、たいていの人は「身が少なそう」「脂がのってなさそう」「さばくのが難しそう」と、反対する。でも、それは漠然と思い込んでいるだけ。

 指3本幅の小型タチウオはキビナゴより小さいか?指3本幅のタチウオはサヨリより小さいか?それらより淡白か?そんなことは、全くない。

 旬(秋)指3本幅の小型と蔑まれるタチウオはそこそこ大きな魚であり、身の量は決して少なくない。また、その腹には、もう卵が宿っていて、身には品の良い程度に脂がのっている。

 指4本幅を超すような中・大型のギトギトするほどの脂に比べれば淡白というだけのことで、ほかの魚に比べれば、小型でも脂ののりは良い。食べてみれば、わかる。

 さばくのが難しい?それは嘘。想像だけで物を言ってるからだ。尻尾の端から「大名おろし」で3枚におろすような乱暴極まりない方法でも、十分に刺身ができる。腹の骨も、包丁でワン・アクションで簡単に削ぎとれる。

 身が少々多めに中骨に残っても、湯引きして、出汁をとったり、椀種にすれば極上の1品ができるから、心配無用(図4)。

 小アジを、普通の方法で3枚おろしにできる腕があるなら、全く問題なく立派な刺身ができる。臆せずやってみれば、「何だ、小アジより簡単だ!」と、きっと驚き、喜ぶ。

 刺身の手順は、以下のとおり。

 (1)真水(水道水)で洗う。
 (2)鱗を落とす必要はない。

 (3)頭と内蔵をとり除き(図2)、3枚に下(お)ろす(図3)。
 (4)腹骨を、大胆に、削ぎとる。
 (5)血などの汚れがあるなら、ごく軽く流水水洗、水気を紙などで拭き取る。

 (6)皮を引く(剥ぐ)必要は全くない。
 (7)小口から、薄く削ぎ切りにする。フグほどではないが、幅広の薄作りに。
 (8)指4本幅以上の中大型の場合は、皮に1つ切れ目を入れてから削ぎ切り。
  切れ目だけ・削ぎ切り、切れ目だけ・削ぎ切り…これを繰り返す。

 (9)山葵と醤油で普通に食べても良いが、極細の博多葱・万能葱を
   極小に刻んだものと、おろし生姜を振りかけ、少量の醤油を付けて食べる(図5)。

 (10)一度食べたら、もう離れられない。

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'111012c タチウオ、天ぷら
タチウオ、天ぷら('11年10月12日)
(c)2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)
図1:タチウオ2012年9月15日、淡路。 図2:頭と内臓を除去。
図3:3枚におろし、衣を付けて天ぷらにする。 図4:保存はラップを密着させ、ポリ袋に密封、冷凍。

 タチウオ(太刀魚)が大量に釣れた時、指3.5本幅以上なら、内蔵を除いてから水洗・ブツ切りにして冷凍保存、解凍して塩焼きやフライなど多くの料理に利用できる。

 しかし、それより小型の太刀魚は刺身(別項参照)の時と同様に3枚におろして、以下の要領で冷凍保存しておき、解凍して天ぷらにすると美味。

 冷凍庫内にさほどの場所もとらず、いつでも取り出して使えるので便利である。

 天ぷら種を作って保存する方法は、以下のとおり。

 (1)真水(水道水)で洗う。
 (2)鱗を落とす必要はない。
 (3)頭と内臓を除去(図2)、3枚に下(お)ろす。
 (4)腹骨を包丁で削ぎ取る。
 (5)長さを2〜3分割(ぶつ切りの切身に)。(図3)

 (6)ラップを広げ、切身を並べる。
 (7)上からもう1枚ラップを重ね、手のひらで軽く圧して空気を追い出す。

 (8)ラップの四辺を内側に折り畳んだ後、端から巻き寿司のように巻くか畳む。
 (9)これを、ポリ袋に入れて密封、冷凍庫で保存(-20℃で、約1ヶ月以内)。(図4)

 (10)解凍は、ポリ袋の密封が完全なら、清潔な水に浮かべて解凍。
   一般には、巻きを解いてラップ密着のまま冷蔵庫内で解凍。
   電子レンジで軽い目の解凍をしても良いが、あまり薦めない。

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'111012d タチウオ、朴葉味噌
タチウオ、朴葉味噌('11年10月12日)
(c)2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)
(写真準備中)

 タチウオを冷凍保存しておくといろいろな料理に使えて便利である(別項「タチウオの天ぷら」を参照)。

 朴葉味噌(焼き)の作り方と注意点は、以下のとおり。

 (1)解凍した切身を、1cm幅程度の小口切りにし、
   これをキノコ・ネギなど火のとおり易い好みの具材とともに、
   味噌に混ぜ、朴葉にのせて焼く。

 (2)朴葉がなければ、アルミホイルでも良いし、
   コーティングされたフライパンの上で焼いてもよい。

 (3)焼きながら、熱々を、これまた熱々のご飯にのせて食べる。

 (4)味噌は、最初は、普段味噌汁に使っている味噌を使ってみるのが無難。
   これに、適量の味醂・砂糖などを加える。

 (5)以後は、中部地方の赤味噌系を中心に自分流に配合して、
  自分好みの味をみつける。

 (6)一般に、味噌に加えるのは、(酒)・味醂・砂糖・唐辛子など。
  自分好みの配合、併せて焼く具材の自分好みの組み合わせが出来上がると、
  もうこの料理から離れられない。

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'120426a ニザダイ(サンタ)、チーズ焼き
ニザダイ(サンタ)、チーズ焼き('12年04月26日)
(c)2012, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)
図1:ニザダイ、45p、2011年4月24日。
稲妻さん(徳島)からいただいた良型。
図2:内臓を傷つけないよう注意
しながら5枚におろす。
図3:血合と皮裏の赤身を捨て、白身
の良い部分だけを用いる。
図4:塩を加えた白ワインで洗い、
一口大に切り分ける。
図5:塩・コショウ・好みのハーブ
を振り、フライパンにバターを熱し、
強火で表面だけをを焼く。
図6:ベーコンかハムを散らし、チーズ
を振り、電子レンジで芯まで熱し、オー
ブンで焼き色が付くまで焼く(1人前)。

 ニザダイは磯釣りの外道(目的外の獲物)として扱われ、多くの釣り人は持ち帰らない。特有の磯臭さが嫌われる。当然市場には出回らない。しかし、冬期の釣りたての大型は美味。身はしっかりしていて美しく、心地よい弾力がある。料理に多少の心得があるなら、挑戦してみては?

 王道は純和風の「薄造り」。しかし、ここでは敢て洋風の御菜(おかず)にしてみた。

 魚: 

 (1)贅沢に白身の良い部分だけを調理、それ以外は大胆に捨てるので、大型に限る。
 (2)釣ったらすぐにナイフで絞め(シメ)るが、決して内臓を傷つけないこと。
 (3)バケツの海水に突っ込んで速やかに血抜きをする。
 (4)クーラーボックス内の温度を下げるため、氷に海水を加える。
 (5)魚は、できるなら、ポリ袋に入れ、ほかの魚と隔離して移り香を防ぐ。

 魚の下処理:
 (1)ニザダイ(40p級、図1))…………1尾で約4人前
 (2)皮は硬いようだが、包丁で簡単に、気持ちよく切れる。
 (3)3枚におろそうとすると内臓を傷つけがちなので、5枚におろす(図2)。

 (4)血合を完全に切って捨てる。
 (5)皮の裏(皮と身の間)には赤い層があるので、皮とともに分厚く削いで、捨てる(図3)。
 (6)1/2カップの白ワインに塩小さじ2を加え、これに数分さらした後、流水で洗う。
 (7)一口大に切り分ける(図4)。

 調理の手順:
 (8)切り分けた身に塩1つまみ、胡椒・黒胡椒を適宜振り、好みでハーブも振る。
 (9)混ぜて数分置く。
 (10)フライパンにバター15gを熱し、強火で身の表面に焦げ目を付ける(図5)。
  *ここで味を調える(例えば、コンソメの素の粉を小匙1/4程度)

 (11)グラタン皿等に並べ、ベーコン(またはハム)1p角を散らし、チーズを散らす。
 (12)電子レンジで、チーズが溶け、魚の芯に熱が通るまで熱する。
 (13)オーブン、またはフィシュロースターに入れて、適当な焦げ色を付ける(図6)。
 (14)好みで、パセリの微塵切りを振る。
 

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'130208a ニザダイ(サンタ)、酒焼き
ニザダイ(サンタ)、酒焼き('13年02月08日)
(c)2013, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)
図1:ニザダイ、38p、2013年2月5日、
牟岐大島(徳島)。
図2:5枚におろし、骨、血合、
さらに皮目の赤い部分も削ぎ取る。
図3:ポリ袋に酒とともに入れ、
チルドルームに1晩〜1昼夜。
図4:酒を拭き取り、塩・胡椒を振り、魚焼器で
焼いて、醤油とバルサミコ酢(1:1)で食べる。

 ニザダイは磯釣りの外道、釣人に嫌われる。しかし冬期の釣りたての大型は臭いも少なく美味。身はしっかりしていて美しく、心地よい弾力がある。料理に多少の心得があるなら、挑戦してみては?

 王道は別項の純和風「薄造り」、さらに別項ではチーズ焼きを紹介したが、ここでは「酒焼き」を紹介する。酒に浸けて焼くだけの簡単な料理だが、釣った直後から家での下処理を終えるまでの段階をきちんとやるかどうかで料理の巧拙が決まる。

 魚: 

 (1)贅沢に白身の良い部分だけを調理、それ以外は大胆に捨てるので、大型に限る。
 (2)釣ったらすぐにナイフで絞め(シメ)るが、決して内臓を傷つけないこと。
 (3)バケツの海水に突っ込んで速やかに血抜きをする。
 (4)クーラーボックス内の温度を下げるため、氷に海水を加える。
 (5)魚は、できるなら、ポリ袋に入れ、ほかの魚と隔離して移り香を防ぐ。

 魚の下処理:
 (1)ニザダイ(40p前後、図1))…………1尾で約2〜3人前
 (2)皮は硬いが、包丁で簡単に気持ちよく切れる。
 (3)3枚または5枚におろす。内臓を傷つけないように。

 (4)血合を完全に切って捨てる。
 (5)皮の裏(皮と身の間)には赤い層があるので、皮とともに分厚く削いで、捨てる(図2)。
 (6)1/2カップの日本酒をポリ袋へ入れ、そこへ魚の身を入れ、冷蔵庫に1晩〜1昼夜(図3)。

 焼く:
 (1)酒を拭き取る。
 (2)塩、コショウ、好みのハーブを適宜振り、5〜10 分間馴染ませる。
 (3)炭火、またはガスか電気の魚焼き器を使い、網上でからっと焼く。
 (4)バルサミコ酢と醤油(1:1)で食べるが、もちろんレモンと醤油等でもよい(図4)。


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'130208a ニザダイ(サンタ)、薄造り
ニザダイ(サンタ)、薄造り('13年02月08日)*調理日は'12年12月13日
(c)2013, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)
図1:ニザダイ、34p、2012年12月12日、
牟岐大島(徳島)。
図2:5枚におろし、
骨と血合を取り除く。
図3:皮の下にある赤い層を削ぎ取って、
白身だけにする。
図4:薄造りにする。刻んだ極細葱を振り、
それを包み込んで生姜醤油をつけて食べる。

 ニザダイは磯釣りの外道、釣人に嫌われる。しかし冬期の釣りたての大型は臭いも少なく美味。身はしっかりしていて美しく、心地よい弾力がある。料理に多少の心得があるなら、挑戦してみては?

 王道はこの純和風、「薄造り」。簡単な料理だが、釣った直後から持ち帰って家で下処理を終えるまでの段階をきちんとやるかどうかで料理の巧拙が決まる。

 魚: 

 (1)贅沢に白身の良い部分だけを調理、それ以外は大胆に捨てるので、大型に限る。
 (2)釣ったらすぐにナイフで絞め(シメ)るが、決して内臓を傷つけないこと。
 (3)バケツの海水に突っ込んで速やかに血抜きをする。
 (4)クーラーボックス内の温度を下げるため、氷に海水を加える。
 (5)魚は、できるなら、ポリ袋に入れ、ほかの魚と隔離して移り香を防ぐ。

 魚の下処理:
 (1)ニザダイ(40p前後、図1))…………1尾で約2〜4人前
 (2)皮は硬いが、包丁で簡単に気持ちよく切れる。
 (3)3枚または5枚(図2)におろす。内臓を傷つけないように。

 (4)血合を完全に切って捨てる。
 (5)皮の裏(皮と身の間)には赤い層があるので、皮とともに分厚く削いで、捨てる(図3)。
 
 薄造り:
 (1)刺身包丁で、可能な限り薄く造り、1枚ずつ丁寧に皿に貼りつけるように置く(図4)。
 (2)極細のの葱かアサツキを細かく刻んで振りかける。
 (3)箸で葱を包み込むように身をとり、生姜醤油をつけて食べる。


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'120113a ヒメジ(オキナヒメジ)、味噌漬け
ヒメジ(オキナヒメジ)、味噌漬け('12年01月13日)
(c)2012, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)

図1:
オキナヒメジ、33cm。
図2:3枚または2枚おろしに。 図3:味噌(加、味醂・酒)に漬ける。 図4:焼く(24時間〜)。

 ヒメジ(オキナヒメジ)、33p、1尾を調理。ヒメジ類の中では大きい種。

 調理の手順と注意点は、以下のとおり。

 (1)釣ったらすぐにナイフで絞め(シメ)る。
   鮮度保持と血抜きのため、クーラーボックスの氷に若干の海水を加え、
   それに浸けて持ち帰る。

 (2)鱗(ウロコ)を落とす。鱗は、硬く大きいが、除くのは極めて簡単。

 (3)頭と内臓を取り去り、2枚または3枚に下(お)ろす。
   今回は3枚に下ろして、腹の骨を包丁で削ぎ取り、小骨を毛抜きで抜いたが、
   もちろん、2枚に下ろして調理し、食べる時に骨を除くほうが、無駄がない。

 (4)塩焼きも良いが、少しクセ(磯の香)を感じる場合もあるので、
   一般には味噌漬けのほうが親しみやすいと思う。

 (5)味噌は、初めてなら家庭で味噌汁に使っているものを使うが、
  味醂または砂糖を加え、酒で少しのばす。もちろん、味噌の選択、
  甘味の程度は好みで工夫・加減する。

 (6)漬け込む容器は、ポリ袋。冷凍用の厚手の袋ならさらに良い。
 (7)漬けこむ時間は1日(24時間)程度、冷蔵庫内に置く。

 (7)焼く時、味噌は洗い落とさず、払い落す程度にする。
   焦げやすいので注意しながら芯まで火を通す。図4のように焦がして
   しまっても、皮を取り除けば身には何の不都合もない。

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