お魚クラブ釣行記録、2014年詳細(前半)
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)

お魚クラブ釣行記録目次2014年(目次)>前半(詳細)・ 後半(詳細)

日付順に配列してあります。


'14年01月13日(月)、佐野テトラ(淡路)
お魚クラブVer. 2,エビ箱の使い初め
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図1:釣果(一部)。 図2:エビ箱。
 2人釣行、U師匠と私ABA。昨年夏に自作したエビ箱の使い初めなので、狙いは当然メバルとガシラ。行先は佐野テトラ(淡路)。

 14:00田園科学室発、いつものように釣具店、スーパーを経由。釣り場に着いたが夕暮れまでにはまだ時間がある。軽食を食べてしばし談笑。

 先ず私が釣り始め、U師匠はそれより遅れて竿出し。いつものパターン。しかし、グレ釣り大好きの私と、グレに興味の無いU師匠の釣り開始時刻の差は、この季節になると、ごく僅か。4:20と4:45、その差25分だけ。

 もう淡路の浅場にグレはいないので、私には早く竿を出すメリットが無い。せっかちな性格の分だけ早く竿を出したに過ぎない。

 間断なくあたりがあり、魚はたくさん釣れた。

 少なくとも30尾以上。…が日中は悉くササノハベラ、日没後は小型ないし超小型のガシラ。最も欲しかったメバルは小型が1尾だけ。ほとんどを放流したが、10余尾「せめて味噌汁の具ぐらいは」と食い意地が元で、持ち帰った。

 エビ箱は、とても具合が良く、予期以上の快適な釣りになった。とにかく、手返しが早くなる。これを使い始めたら、エビ活かし容器の水から網で掬いあげて餌をつけるなんて、もうまどろっこしくてやっていられない。

 餌付けは、1回20秒ぐらい節約できる。3投の間に1分、30投の間に10分の差が付く。餌が海中にある時間がそれだけ長くなり、釣れる確率が増す。

 魚と餌を同じ容器に収容するので、魚が釣れた場合も、間髪を入れず次の1投に移れる。この動作における時間短縮の効果も大きいと思う。

 ただ、釣れる確率を高める工夫は、これだけでは足りない。エビ箱を重宝する播州(姫路など兵庫県南部)の釣人は、リール竿よりメバル専用の延竿を使い、2本鈎の仕掛を使う。

 今回、エビ箱を使わないで釣ったU師匠の釣果は、私を少し上回っていたので、延竿プラス2本鈎の効果はエビ箱以上なのかも知れない。

 一般に、釣りの方法の優劣の論議には科学的根拠(客観的証拠)は無い。あっても、さほどしっかりしたものではない。上記もまさにそれだが、僅かな回数のしかし印象的な経験から大胆な理論即ち「屁理屈」を立ち上げて悦に入る、これが趣味世界の醍醐味なのだ。

 なお、エビ箱に入れた魚は、帰宅時、ほぼ全部生きていた。氷で冷やされて、じっとしているが、とても元気だった。これも嬉しい。

 木箱(桧材、9mm厚)の断熱効果は、想像以上。製作直後の真夏に軒下で行った実験では、朝入れた1/2ブロックの氷が、晩にも僅かだが残っていた。当然、真冬の今、1ブロックを丸々入れたのだから数時間ぐらいでは平気も平気、「溶けてない」に等しい。

 削った桧材を提供、製作にあたって貴重なアドバイスを下さった気鋭の大工さんO氏に感謝します。なお、設計にあたってはO氏自作のものをベースにしましたが、いくつかの変更を加えました。

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'14年01月16日(木)、牟岐大島(徳島)
お魚クラブVer. 2,爆釣中なのに…
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図1:今回は3番でした。 図2:グレ、ゼロ。ニザダイ30p弱だけ… 図3:稲妻さんからいただいた魚。

 待ちに待っていた今季初の磯釣り。勇躍、でかけました。

 重ちゃん、稲妻さん、ほんわかKさんのお世話になりました。同船の若い釣師にも親切にしていただき、船長さんには3番まわりの、足場の良い良磯に1人あげてもらいました。「釣れる磯だから、好きなやり方で釣ってみなさい」暗にそう言ってくれている感じ。

 重ちゃんとほんわかKさんのあがったマルバエが正面に見える磯。ピストルの後ろ端でしょうか、名前を知りませんが、図1でいうと右上の尖がった高い磯のこちら向き(マルバエ向き)の端です。

 マルバエの東隣の磯にいる稲妻さんの様子も、もちろん見えます。こんなにふうに眼球を動かすことなく全員の顔を常に視界に捉えながら釣るのは初めてのこと。実に楽しい、理想形の配置でした。

 …天気は申し分なく、風も弱く暖かでしたが、波はかなり強くて、センコウテイはもちろん、図1の右上の磯群のうち東2つは、潮が下がっても轟音とともに大きな波に洗われる状態でした。

 釣りの開始時から、潮はどんどん下げ、昼ごろに下げ底。僅かに満ち始めるころまでが釣りの時間。波も潮の流れも波音もダイナミックで、磯の雰囲気が最高に感じられる一日。

 しかし…

 「(…いやあ、磯釣りは楽しい、実に楽しい)」―――その満足に浸りに浸り、浸りきっているうちに、何も釣らずに終わってしまった。そんなところです。

 釣果ゼロで終わりたくないので、最大限努力しました。タナはもちろん、ハリスの太さも長さも変えてみたし、錘も変えてみました。ポイントを変え、流し方ももちろんです。しかし、眼下に乱舞するアイゴさえ釣れずに終わってしまいました。

 実力不足。それに加え、昨季から釣りが雑になっているようです。大島で皆さん爆釣しておられる中、目をつぶっていても1尾は釣れるといわれる中でのゼロは、昨季の矢が浜(愛媛)の2日連続のゼロと並んで「私の最も恥かしい記録」。

 近日中に、また磯へ、「行きます!」「行かずにおれません」

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'14年01月23日(木)、牟岐大島(徳島)
お魚クラブVer. 2,1尾で良いから…
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図1:釣果、グレ38p、28p。右の1尾は稲妻さんから。 図2:次々とグレを釣る稲妻さん。

 今季2回目の磯釣り、牟岐大島(徳島)へ。顔ぶれは前回と同じで、重ちゃん、稲妻さん、ほんわかKさん。いつも、何から何までお世話になり、ありがとうございます。

 さて、1週間前の釣行は、全般に好調だった中で、私はまさかの苦杯。イサキやアイゴも釣ることができませんでした。

 今回、各人の目標はさまざま。

 私は当然「何としても1尾、今季の初グレを!」。ほんわかKさんも「前回釣れなかったので、とにかくグレを!」。稲妻さんは「今日は2尾!」。最近の重ちゃんは目標の数を口にしないが、「当然、先ず1尾そしてそれ以上を目指す、だってグレ釣りなんだもの」というのが胸の内かな?

 牟岐大島は、例年ならグレのシーズンが始まる昨年11月からなぜか水温が低く、概して不漁。「お薦めできる状態でない」とのことで、結局11月と12月の釣行は実現しなかった。

 1月中旬になって、「おやおや?」…驚きの高水温(17℃)に上昇、釣りは絶好調に。ようやく「来るか?」の声がかかったが、水温は安定せず4日で元の木阿弥。前回釣行はぎりぎり好調の最終日、釣果にばらつきが出た。

 今週、水温が再び上昇、磯が賑やかになった。稲妻さんは、釣行が前回のように好調の終わりの釣果にばらつきの出る日になってしまっては気の毒と、水温変化の周期性を探ったりして気を遣ってくれてましたが、直前には「大丈夫!」の太鼓判。

 再び好調の磯。しかも太鼓判付きの日ですから、今度はゼロでは帰れません。前回稲妻さんから魚をいただいて帰ったら、娘が「さあ、もらったグレの刺身を食べようか」「もらったアイゴの刺身、美味しいね」などと言うのです。もちろん笑顔で言うのですが、釣り歴66.5年の釣り師としては滅茶苦茶辛かったのです(笑)。

 「いざ、汚名返上、名誉挽回!」。この一戦に、何と何と、天国にいる稲妻さんのお父様が助太刀してくれました。そうとしか思えない「幸運の奇跡的な連続」があったのです。

 先ず、船内で渡礁順を決める船内籤は何と16人もいた釣り師の中の1番。…籤と徒競走で1等になったことは皆無の私がですよ。

 次は、島を18区画に分け、各船へ1区画を割り当てる磯籤。島に集結した12隻の各船から1番籤を引いた代表が島に上陸して馬蹄形に並び、両端のジャンケンで勝った方から籤を引き始めます。このジャンケンに、この私がまさかの勝利。最初に、(目をつぶって)籤を引き抜きました。

 船内の期待は「8番!」「18番も良いぞ!」…そのすごいプレッシャーの中で、「8番」を引き当てたのです。ヤカタとかヒッツキといった超1級磯が並ぶ区画です。船内がどよめきました。

 実は…

 前回釣行で、稲妻さんのお父様へのお供えの酒1本が買ってあったのです。それを家に忘れて出かけてしまって大後悔。バチが当ったのだと思いました。だから、今回は、「釣り道具、よ〜し!」「酒、よ〜し!」と指差し確認。天国から大真面目な私の顔を見て、大笑いしながらの助太刀、それ以外にこの幸運の連続を説明できるものは…ありません。

 上がったのはヤカタ。最も良い釣座の「胴」、しかも波が穏やかなのでそこに座って釣りができる快適さ。これで釣れないわけがありません。

 はたして…

 早々に、磯際で目標達成、子供みたいに歓声を上げました。ヤカタは、重ちゃんによれば「潮流の向きで釣座間に差が出る」磯で、稲妻さんによれば「実力による差が出る」磯でもあるとか。

 最終の釣果は2尾、ほぼ同じ位置にいた稲妻さんに大差をつけられて、その両方が真であることを実感する結果になりましたが、十分に満足。

 来週?「今度はグレもアイゴも釣れる磯を、誰か引き当てて下さいね」。
 

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'14年01月29日(水)、牟岐大島(徳島)
お魚クラブVer. 2,水温が…
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図1:8番、ヤカタ、好天でした。 図2:結果はともかく…。

 3週連続の牟岐大島釣行。稲妻さん、重ちゃん、お世話になりました。1週目が0、2週目が2尾、さあ今度は2尾以上をと目標を高めに設定して、張り切っていました。

 (ところが…週明け早々に暗雲)

 26日に水温が急低下、グレがピタリと釣れ止んだとの情報。釣行予定の29日の水温がとても心配な状況になってしまいました。稲妻さんが時系列で水温を整理してくれましたが、…水温の急な回復は見込めません。

 もちろん、水温が低くても無茶苦茶な低水温でない限り、低くても安定して経過すればグレは餌を追い始めるし、一部の磯で比較的暖かな水塊に恵まれることがあるのも事実。

 さらに、低水温のニュースで、多くの人が釣行を控えたり、釣り船の数が減るなどすれば、磯の選択の幅が広くなり、まさかの幸運に恵まれる可能性もあります。

 「行ってみなければ分かりませんよ」と重ちゃん。確かにそうです。

 (さて、当日…)

 同船の釣り人は6人。船内籤は、私が2番。別のグループの人が1番で彼が引き当てた磯の区画は、何と8番。名礁ヤカタやヒッツキのある区画です。2週連続で「垂涎の8番」が来るなんて嘘みたいです。

 しかし、島全般に低水温。ならば、「魚が既に低水温に慣れているかも知れない島の北側のほうが良いのでは?」という考えもある中、船は全速で8番へ。

 「(腐っても鯛、低水温でも8番)」、心の中で自分に言い聞かせていました。

 船内で船長を含めた皆さんが話し合ったようで、私たち3人がヤカタ、別の3人がヒッツキへ上がることが決まりました。2回連続でヤカタの胴に上がれるのです。

 好天。当初の弱い北東(斜め背中側)からの風さえ昼にはにおさまって、暖かでうとうと眠ってしまいそうな、申し分のない釣り日和。

 最初に竿を曲げたのは稲妻さん。次が重ちゃん。

 しかしグレではありません。2人がグレ2〜3尾を釣ったころ、私に1尾目が来ると予想するのが順当。私の技量はその程度、ちゃんと自覚しているので焦りなんて全くありません。お2人の写真を撮ったりして、ニコニコと釣りを楽しんでいました。

 …しかし、工夫に工夫を凝らしても、私の浮子に何の魚信もありません。「ええっ!もう昼?」あと2時間半、こうなると、焦りが出ます。

 でも、稲妻さんも、重ちゃんも…まさか私に遠慮したわけではないでしょうが、掛けた魚を捕り逃がします。それも、次々に、かなりの大物を。「(早く2〜3尾釣ってよ、そしたら私にも1尾目が来るから)」と胸の内でつぶやいていました。

 (…がそれも空しく、とうとう14:30に)

 嗚呼・アア・ああ、何ということ!全員グレ無し。いくら低水温といっても、ありえない「全滅」。メチャ悔しい結果です。

 私は、来週は行けません。U師匠と淡路でメバルの約束があります。だから、早くてもその次の週になります。お2人の次回の好漁を祈りながら過ごします。

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'14年012月02日(日)、郡家(淡路)
お魚クラブVer. 2,メバル、お前も…
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図1:釣果。ガシラ(カサゴ)。メバルはゼロ。

 2人釣行。U師匠と私ABA。私はエビ箱、U師匠はエビクーラーを携えて、当地冬の定番、メバル釣りです。

 U:「いつもの場所では、いつのもような結果になる…」
   「だから、全く別の場所へ行くっていうのはどう?」

 A:「では、具体的に、どこにする?」
 U:「どこでも…、任せるワ」
 A:「じゃあ、北淡ICで降りて、どこか地味な小磯を探すってのは?」
 U:「了解、しかし餌と軽食は、買い損ねないようにいつもの店で…」

 そんなこんなで、先ず高速道を淡路ICで降り、1つ南の東浦ICから再び高速道へ入って南進。ところが、車中で世間話に夢中になって…
 A:「ああああっ!北淡IC!あああっ!行き過ぎたア!」
 U:(笑い転げる)

 A:「1つ先(津名・一宮IC)で降りて、西浦(西海岸)の郡家(ぐんげ)へ行って…」
   「そこから北へ戻りながら小磯を探しましょうか?」
 U:(まだ笑う)

 (そして郡家へ。港が左手に見える)

 A:「念のため波止の様子を見ておきますか?」
 U:「そうしましょう、そうしましょう!」

 がらーんと空いていて、のっぺっらぼうで、何の変哲もない波止。

 しかし…
 U&A:「案外、ここ良いかも!」
 テトラは無いが、波止の捨て石があって、少しだが藻が生えている。
 U&A:「夜になれば石や藻の間から、ガシラ(カサゴ)やメバルが出て来そう!」

 大きな魚はいないだろう。しかし…

 人の少ない広々した空間、鏡のような水面、透明な海水、沈もうとしている夕日、水平線は空に溶け込んでどこにあるのかわからない。美しき混沌。
 
 釣果なんてどうでも良い、この景色に身をひたして数時間を過ごせるなら。かくして淡路西浦(西海岸)の、いつもの誘惑に、今回も完全に負けてしまった。

 U師匠は、波止の付け根へ。私は波止の中ほどへ。互いに、数十m離れて竿を出した。後から来る釣人があったとしても、100%波止の先端へ行く。誰も見向きもしないこの場所は、絶対釣り荒れしていない。

 エビ箱に腰かけて、至福の2時間!
 A:(いやあ、よかったなあ、あの景色の中に居れて)

 (釣果は…)

 U師匠は良型メバル1尾、良型ガシラ(カサゴ)4尾。私は小型のガシラ10尾、メバルは0尾。「メバルよ、グレだけじゃなくお前もか!」となった。これでU師匠との今季メバル対決は2戦2敗。しかし、とても機嫌良く帰って来れた。

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'14年02月12日(水)、牟岐大島(徳島)
お魚クラブVer. 2,水温高し、波も…
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 図1:牟岐大島、スベリから見渡した大島港。左が湾口、右が湾奥。左の岩がクジラ。

 今季4回目の牟岐大島釣行。重ちゃん、稲妻さん、ほんわかKさんのお世話になりました。

 水温好転、ずんずん上昇して16〜17℃。そりゃあ、誰もが「釣れる!」と予測する。平日にもかかわらず、渡船9隻。私たちの船に8人、他船もほぼ同様の大賑わい。

 ところが、自然はそう甘くない。天気予報では風は4m/sec.程度だったが、実際はそれより遥かに強い。かなり大きいうねりがあり、もちろん一面白波が立っていて、船は大揺れ、しぶきをしこたま被りながら大島港内の抽選場へ。

 ほんわかKさんが、船内1番を引いたので、抽選場へ。「変な籤だったら帰ろう」という声もあるぐらいだったので、少し緊張しているようにも見える。港内(湾内)とその出口付近を除けば、どの区画のどの磯も波が洗うため使えない。さあどんな籤を引いてくるか…

 「おおっ!」幸い、港内に限れば良磯と見られる籤を引いて来たほんわかKさん、「感謝!」そりゃあそうでしょう、神戸から約150q、01:30という超早起きで来たのだから、どんな場所でもいい、竿を出したかったのです。

 稲妻さんとほんわかKさんがクジラ、私ABAは重ちゃんにくっついてスベリという磯へ。どの船も港内に釣師を降ろしたので、大きな釣り堀で釣っているように見えなくもない。

 しかし、港内とはいっても天然の海の立派な磯。ちゃんとした腕がなければ釣果は望めない。徳島の3人の猛者が各々3尾ぐらい釣れるようなら、私にも1尾釣るぐらいのチャンスが巡って来る。

 「皆さん早く釣ってヨ!」と願う中、重ちゃんが竿を曲げる。…が、これは31pのアイゴ。さらにもう1回、竿を曲げたがこれもアイゴで33p。

 私の前にもアイゴがいる。撒き餌を撒くとアイゴの影がチラリ。アイゴ狙いの仕掛に変えるか否か、迷ったが、水温は17℃もあるのだ、「釣れないはずはない」。だからどうにもグレを諦め切れない。ハリス1.2号で、タナを探りながら、ひたすら投入を繰り返す。

 しかし「嗚呼!」。結局…私だけでなく、猛者3人もグレの姿を見ずに終わってしまった。

 今季4回の釣行でグレを釣ったのは1回だけ。今年は厳しい…否、垂涎の8番を引いたあの日、運を使い切ったようだ。

 しかし、諦めたわけではない。「このままでは終わらないゾ!」
 

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'14年02月25日(火)、牟岐大島(徳島)
お魚クラブVer. 2,自己ワースト新
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図1:釣果。

 いつものように、重ちゃん、稲妻さん、ほんわかKさんのお世話になって、牟岐大島釣行。今年に入って何と5回目。

 私ABAは、人より沢山釣る腕が無いことを百も承知。人が3尾釣れば1尾目が見えてくる…ようやくそれぐらいのレベルに来たかなと思っていた。

 しかし、昨年、好調の矢が浜(愛媛)で2日連続のゼロを記録してから、その自信の芽は萎(しぼ)み始め、ついに今年4回の釣行で3回のゼロを記録したことで枯死寸前まで来た。

 唯一の救いは、前回のように同行の地元猛者全員ゼロ、一部ゼロなんて極度に条件が悪くどうしようもない場合が各1回(計2回)も含まれていたこと。4戦3敗なのだが、「実質は2戦1敗だ」と強弁することも可能だった。

 ところが今回、あの矢が浜の2日間の何倍も苦いものを舐めるこになってしまった。

 空も風波も水温も私が過去何年か大島に来た中で最高の日、しかも同船の他グループの人が14番・櫂投島を引き当ててくれた。さらに、最近絶好調のタニハンの地という好磯に上げてもらえた。

 何という幸運。私の腕でさえ、過去にゼロは無く、最低でも3尾釣っている磯。しかも、最良の釣座をもらった。これ以上のおぜん立ては、将来もう無いだろう。

 1尾目、キツ。30p前後と小さいので放流。次、カワハギ。

 次、またもカワハギだが、さっきより大きくて美味しそう。次、ササノハベラ、放流。タナを修正、磯際をやめ、沖へ流し始める。

 先にグレを掛けた重ちゃんから「タナ1.5尋だよ!」とのアドバイスが入り、タナを合わせた途端に待望のグレの感触。30pに足りないぐらいだが、そんなことはどうでも良い。ゼロから脱出できるのだ。喜びの余り、手が震えて、なかなかタモで掬(すく)えない。「ありがとう重ちゃん!」

 大騒ぎしたが、1尾釣れて、気持ちが落ち着いた。人の1/3の実力と思っているから、稲妻さんが何尾釣ろうと、重ちゃんが何尾釣ろうと、さほど慌てない。「2人が6尾を超えるころ2尾目が必ず来る」「稲妻さんは凄いピッチで釣っているが、重ちゃんは未だ6尾に届いていないから、私が未だ1尾でも、あたりまえ」。実際、2人の写真を撮ったりして余裕綽々だった。

 しかし、重ちゃんが3尾を超し、稲妻さんに至っては10尾を超えた。「やややっ、やばいぞ!」さすがに、焦った。

 仕掛、特にハリス長さを変える。しかし釣れない。どんどん長くした。すると、急にウキが沈み始め、ササノハベラ、キタマクラ等が来た。どうやら仕掛が底へ沈んだり、際の岩壁へ押されたりしているようだ。

 再び、ハリス長を縮め、細くしたら、「来た!」。2人から「グレだ!」と声援が来る。しかし、コンコンと小さく竿を叩くこの感触は紛れまなくアイゴ…案の定。

 次は、「大きい!」再び「グレだ!」と声援をもらう。私も、希望的観測から「グレだ!」と一瞬思ったが、後で冷静に考えると、あの感触はたぶんサンタ(ニザダイ)…岩角でハリスが切れてバイバイ。

 結局、グレは1尾どまり。タニハンの地での自己ワースト新を記録。「1/3の実力」説は完全に崩壊、1/6〜1/16説が浮上。中をとって1/9が妥当かな?

 今回は、客観的証拠を伴った形で実力低下が突き付けられたので、もう新説を認めるしかない。

 何が客観的証拠か?

 (1)最初は、「左」重ちゃん、「中」私ABA、「右」員稲妻さん。
 (2)絶好調の稲妻さんが「ここへ!」と呼んでくれたので私「右」へ行くが、全く釣れず。
 (3)私のいた「中」へ移動した重ちゃんが、ポンポンとグレを掛けた。
 (4)さらに重ちゃんが「右」へ移動したら、ポンポンと釣れた。
 (5)この日グレが多かったのは「右」、次が「中」、「左」は少なかった。
 (6)私は、「中」で辛うじて1尾を捕ったが、移動先「最良の右」で捕る力量がなかった。
 (7)対照的に、重ちゃんは「中」「右」2つの移動で、,確実に捕った。

 心が折れ体が崩壊するほどのショック。

 次回はどうする?
  「先ず稲妻さんの釣法を徹底して模倣してみては?」重ちゃんの提案に乗るか?それとも、あくまで自己流を貫いて研く事にこだわり「今年は玉砕も良し」とするか?
 全く違う発想の第3の方法は無いか?3つとも勇気が要る。
 

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'14年03月01日(土)、育波(淡路)
お魚クラブVer. 2,小雨降る中…
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図1:釣果。小型ばかりだったで、多数を放流。

 2人釣行。U師匠と私ABA。天気予報では雨は1mm後1mm未満と弱いようなので、予定していたメバル釣りは「決行!」ということに…。

 潮の干満からいうと東浦(=東海岸)が良いが、風を避けるには西浦(=西海岸)が良いかな、と考えて餌と軽食を買った後再び本四道にのって北淡ICに向かう。

 弱いとはいえ雨が降っているので、車から遠く離れた位置で釣るのは嫌だったし、帰りに夕飯オーダーストップでガックリなんて悲劇も避けたかったので、IC降りてすぐの育波漁港で釣ることに決める。

 「この無精者めが、お前らに釣らせる魚なんか無い!」おそらく、海の女神はそう考えたのだろう。2人とも、書くのも嫌になるほどの貧果に終わった。

 私ABA、小さなガシラ3尾。U師匠、小さなアイナメ、ガシラ、タケノコメバル各1尾。

 今回も、一応、私ABAとU師匠のメバル対決第3戦という設定になっていたので、私の3戦3敗。しかし、勝者に何の達成感も無かったと思う。

 あっ、そうそう。今回、U師匠は餌を買わず、いわゆるメバリング(擬餌でのメバル釣り)で通した。

 彼のスマホの歩数計の値は普段の生活より2,000〜3,200歩多い数を記録していたので、かなり熱心に港周辺を探ったことが知れたが、好結果には繋がらなかった。

 淡路のメバリングでは、ネットで見る限り、たいていの人はランガン(ran & gun)、つまり車であちこち移動してはそこで釣る釣り方で結果をだしているようだ。この日の・この場所は良い場所では無かったが、この日の・他の場所なら様子は違っていただろうと思う。

 私が伝統的な「エビ箱持参の餌釣り」に拘(こだわ)って腰を据えて釣っていたため、「この場所はダメだ」と見切りをつけられず、ランガンできなかったU師匠は気の毒だった。

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'14年03月04日(火)、牟岐大島(徳島)
お魚クラブVer. 2, 阿波には阿波の…
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 牟岐大島(徳島)へ、いやはや、びっくりの今季6回目。私ABA、ついに誕生日を過ぎ70歳の大台にのったとあって、「磯へ行ける体力のあるうちに存分に行っとき」と家族は寛大。

 例によって、重ちゃん、稲妻さん、ほんわかKさんのお世話になりました。

 前回稲妻さんからいただいた牟岐大島と津島のグレを大食して体力旺盛、やはり前回重ちゃんからいただいた阿波の仕掛のレクチャーにしたがって仕掛を「阿波(風)」に改良、勇躍徳島へ。

 釣具店に並ぶ解凍餌は40人分程度。おや、水温高く、天気も良いのに何故?と不思議に思いながら渡船乗り場に着くと…「あれれ?」「今日は週末に遜色ないほどの人出」なのだとか。

 そんな中、たぶん同船の皆様や船長の配慮もあって、船籤5番の中で最良の磯ゾウノハナに稲妻さんと2人揚げてもらいました。

 「稲妻さんが、よう知っとる磯やけん、教えてもらいよ」と船長。

 「ここはそっち(右〜沖向き)にグレはおらん、こっち(左の湾状部)がポイント」と稲妻さん。「ここには大きなグレがおる」とも。

 左の湾状部に向いて2つの釣座があるが、湾奥向きの方は足場が狭く滑りやすい。フェルトの貼ってないスパイクだけのブーツの私には無理。ということで、足場の良い湾口寄りの釣座をもらう。

 私がハリスを結んでいる間に、稲妻さんが第1投。すぐに「掛かったア!」と竿を大きく曲げる。「大きい!」と満面の笑みを浮かべた瞬間、仕掛がふわっ。無念のハリ外れ(鈎が魚の口から外れる)。

 そして私が第1投…そして、「(えっ!)」「(あっ!)」
 「(こういうことか!)」「(納得です!)」「(これは良いワ!)」声には出さないがそう叫びました。

 私、牟岐大島では、2.5号の道糸を海水に馴染ませるために苦心惨憺、頻繁な竿・リール操作を強いられてきたのですが、「嘘みたい!」に簡単に馴染むのです。

 僅か30秒ほどで、重ちゃんレクチャーの細い道糸の効果を納得。あの苦労が無く釣りに集中できるのですから、この時点で「(今日は釣れる!)」と確信しました。

 (はたして…)

 たちまち、浮子(うき)に、モゾモゾ・ジワーっという当り。
 「よっしゃ!掛けた!」
 竿が大きく曲がったが、これは稲妻さんと同じく、鈎外れ。

 しかし、「今日は釣れる!」という確信は益々強くなった。

 今日は、(1)天気穏やか (2)磯良し (3)足場・ポイント良し (4)波気もほど良し (5)仕掛良し (5)百戦錬磨のコーチが同礁 (6)魚は第1投から食って来るほど活性が高い。「向かい風」である以外は全てマルなのだ。

 「さあ、舞台は整えたぞ、釣ってみせい!」
 同行・同船の皆さまと船長、全員にそう言われているのも同然。

 「やらいでか、釣らいでか」
 「これで釣らなきゃ釣り歴66.5年、3歳半で高知の磯に立った私の歴史に傷が付く」

 (はたして、はたして・・・)

 釣果はグレ3尾。2尾は31p、24pと小型だが1尾は40p(後の実測で42p)」。何とか面目は保てた。「嬉しい!」

 それにしても、前回帰途に聴いた重ちゃんの助言による仕掛変更の効果は絶大だったなあ。感動すら覚えた。

 ハリス:1.2(1.25)号、2尋(ひろ)
 錘は:Bか2B、最大でも3Bまで
 浮子:鉛負荷に相応
 道糸:1.8(1.85)号、視認性の良いピンク等
  *以上を基本に。

 単純明快。阿波の釣師ならだれもが出発点とか基本にしている仕掛と言えなくもない。

 …が、海中での仕掛の挙動についての重ちゃんと稲妻さんの説明は強い説得力があり、淡路の浅場で経験的に積み上げて来た自慢の「私(ABA)流」を一旦忘れて阿波流に帰依しても良いと思わせるものだった。

 「こんな頼りない仕掛で大丈夫かな?」正直そういう不安はあったが、40p級の堂々のグレに余裕で耐えた。たちまち海水に馴染む、この快適さ。

 阿波には阿波のやり方。加えて阿波の人々の親切。改めて阿波に惚れた。旨いぞ今夜の酒、肴。
 

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'14年03月08日(土)、浦漁港(淡路)
お魚クラブVer. 2,小ガシラ放流隊
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図1:釣果。ガシラ(カサゴ)15pまで5尾。これ以外は放流。

 2人釣行、U師匠と私ABA。風裏でさっと行ってさっと帰れる…この2条件で久々に浦漁港へ。この場所選び、ちょっと安直だったかなあ。

 夕方の汐は島のどこへ回っても干底、釣果は望めない。しかし、「それでも行く」。大きな釣果は大きな喜びを与えてくれる。だけど、釣り好きが釣好きである所以(ゆえん)はそれだけではないのだ。

 「寒い、釣れない、それが分かっているのに何故行くの?」

 返答に窮した昔の著明な登山家のように「Because it is there. そいつ(山)がそこにあるから」をなぞって「海がそこにあるから」「魚がそこにいるから」と嘯(うそ)ぶくのも一法だが、正直のところ何故好きなのか自己分析する能力も一括りに表現する日本語力も、70年も生きて来たというのに、未だ持っていない。

 「何故彼女が好き?」に「全部!」以外の答えを言うやつはどこか胡散(うさん)臭いと思っている。「ようわからんが、無茶苦茶好きやねん、だからいつも一緒にいたいねん!」そういう人種に非常に親近感を持つ私です…と、まあ、今はそんな例え話で「釣れないのに釣り行く不思議な習性」の説明に代えさせて下さい。

 (それで…)

 「やっぱり、なるようにしか、ならんやった」。2人とも極度の貧果に終わりました。U師匠は、メバリングの専用竿を買い調えて最新のメバル釣り、私はエビ箱を携えて播州伝統のメバル釣り。modern / traditional どちらの極端も不発でした。

 U師匠はランガンせず、私はエビを撒かずで、どちらも釣法の大事な部分を割愛(かつあい)、軽くジャブを交わしただけの試合でしたが、私はこれで4戦4敗。即ち、U師匠は辛うじて小型のメバル1尾とタケノコメバル1尾を手にしましたが、私は今回もメバルゼロ。

 私の場合、U師匠が諦めて竿を置いた19:30ごろだったでしょうか、小さなガシラ(カサゴ)の入れ食い状態になりましたが、肝心要(かんじんかなめ)のメバルに会えませんでした。

 小さなガシラを釣っては放流・釣っては放流。粋な「火消し小頭(*)」を気取って「(われら小ガシラ、放流隊!)」胸の内でつぶやきながらの放流でした。
 
*うろ覚えだが、「紺の法被の袖裏には火消し小頭と書いてある、いくら火消しの小頭でも、恋の炎は消せやせぬ」

 私も20:00、活動終了。U師匠はウドン・寿司定食、私はウドン・カツ丼定食を食べて解散。

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'14年03月17日(月)、牟岐大島(徳島)
お魚クラブVer. 2, 2度目の阿波釣法は…
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:釣果。貧果ですが、学ぶことの多かった価値ある釣行でした。

 私ABA、今季7回目の牟岐大島釣行。重ちゃん、稲妻さん、ほんわかKさんのお世話になりました。いつも、お世話下さり、ありがとうございます。

 今回の釣行では、重ちゃん・稲妻さんから学ばせていただいている阿波釣法、その「Lesson 2」の学習が最大の目的であり、楽しみでした。船中で、ほんわかKさんからもアドバイスをいただきました。

 前回は大成功、ここで人並みにグレを掛けて、自分が1歩前へ進んだ「実感(達成感?)」を持ちたい、と思っていました。

 正直言って、未だ「これが、阿波釣法」などと、とてもじゃないけど恥ずかしくて語れない門前の小僧。基本中の基本の仕掛を磯で実際に扱えるようになること、それを学習中です。

 Lesson 2では前回始め3B後2Bの2種類だった錘を、始め2B後Bの2種類にして仕掛の各々の挙動を確かめ、グレを人並みの数掛けられるよう頑張ることにしていました。道糸・ハリスの太さは前回と同じ各々1.85と1.2号でしたがハリスを前回より長くしました。

 ( グレ釣りには静かすぎる海、しかし学習には絶好、願っても無い日和でした)

 晴天、風弱く、波穏やかで、正に「春の海、ひねもす、のたりのたりかな」。ほんわかKさんが終盤「立ったまま10分ほど眠っていたワ」と真顔で言ったほど。

 しかし、釣況は前々日(土曜)の活況が翌日(日曜)には一転、一部の磯を除き全くの不調に。そして、船長の話では、今日(月曜)もその不調は変わっていないとのこと。

 (密かに定めた目標は2尾)

 船内籤1番、磯籤8番を引き当てて依然数が出ているあの磯(ヤカタ、ヒッツキ)に上がれるなんてことは無理。現実的にはそれ以外の不調の磯に上がることになるから、で2尾釣れたら胸が張れるはず。

 (はたして…)

 上がった磯はオオバエ、ここに重ちゃん、ほんわかKさんと私、計3人が揚げてもらった。過去に1度来たことのある磯、足場も良い大型の良磯だ。

 但し、良い思いはしていない。前に上がった時は、ゼロに終わった記憶。
「しかし今度は違うで、以前の俺やないからな」

 「おっ!」
早々にほんわかKさんが竿を大きく曲げた。「大っ、大っきいですね」と言いながらカメラを出して、撮ろうとしたら、カメラの起動待ちの間に、フッと竿が跳ねあがる。「ああ…」。

 弱い風とはいえ、真前から来るので撒餌が狙った所に落としにくいが、それ以上に苦労したのが朝日。海面が光り、偏光グラスをかけても浮子(うき)も道糸も、全く見えない。

 苦闘。しかし、海面の反射を嫌ってやや右側の磯際ほんわかKさんの足元流すと、待望のアタリ。もぞもぞっとして、すうっと優雅に沈む。「(グレだ!)」手応えもグレ、しかし…ハリが口から外れた。姿を見てないので「キツだったのでは?」と言われたら反論のしようがないのが悔しい。

 時間が経ち、太陽が大きく右に動いて海面が見えるようになってくると、浮子も道糸の様子も良く見える。鮮やかな色の潮受けゴムを付け、仕掛の沈み具合を観察。これなら錘を2BからBに変えても極めてスムースに沈む。「静かな海よありがとう、良い実験観察ができた」。

 あまりにも釣れないので、船長の薦めに従ってほんわかKさんが釣座を西向きに変えた。「それなら」と、遠投。彼の釣っていたシモリの沖へ流し込む。すると、その動作の2回目で、綺麗なアタリが来た。

 「よっしゃ!掛けた!」

 ドラグが鳴る。魚の動きを読んで、ここぞと思う時に一気に巻く。これを繰り返す。次第に寄せる。そして、ついにグレが見えた。よっしゃ「大物や、もろたで!」とドラグを一杯締め込んで勝利宣言、目でタモ網を探す。

 …とその瞬間、グレが予想外の抵抗、ぐいっと突っ込んで、ハリスが…プツリ。「ああああああ」後悔先に立たず。痛恨の油断。痛恨のドラグ操作ミス。

 その後、アイゴを、これまた海面に浮かせておきながら、ハリが口から外れ、逃がす。これには「侮辱!」を感じて、アイゴ狙いの胴付(突)仕掛に変える。すぐにアタリがあって、合わせると、今度は何と道糸がプツリ。

 浮子(うき)を拾おうと、重ちゃんの浮回収の「パラソル」を借りて、道糸に結ぶ。そして投げようとするが、パラソルは地面からピクリとも動かない。何と、自分の道糸ではなく他人が捨てた同色の道糸に結んでいたのだ。

 さらに阿波の(グレ)仕掛に戻す途中、糸端を切ったつもりが道糸の本線を切ってしまい、浮子(うき)が転がって水面へ、ポチャリ。

 「ABAさん、自分を失ってますね!」…重ちゃんの言うとおり、全くそのとおりのパニック状態。そりゃあそうです。重ちゃんが「ここにはいない」と言いきっていたアイゴに、ここまでバカにされたのですから。

 結局丸ハゲ2尾で終了。でも、阿波釣法の学習は、想定を遥かに超えて「十分に」できました。

 これで今季の牟岐大島詣では一応「中締め」。しばらくご無沙汰することになります。船長さん、船長さんの奥様、同船の皆さまにもとても親切にしていただきました。感謝で一杯です。 

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'14年03月29日(土)、浦漁港(淡路)
お魚クラブVer. 2,メバル戦完敗に…
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:U師匠の釣果、メバル18pまでを6尾、ほか。

 2人釣行。U師匠と私ABA。メバル対決第5戦、私の負け。浮子(うき)に1回の当りもなく、とうとう5戦5敗。今季は、完膚無きまでに叩きのめされた。こうなると、笑うしかなく、潔く「完敗に乾杯」です。

 最近、メバル釣りに限らず、急速に釣りが下手になりました。「感じる」とか「思う」などという程度をとっくに通り越して、はっきりした「自覚」が生まれています。

 釣果は、「心・技・体」を高めて臨み、釣行日が「運(天気・汐・水温・時刻等)」に恵まれた時に爆発的に伸びるもの…と信じ、時々それを大喜びしてきました。

 しかし、60歳を過ぎたころから、心・技・体の各々が漸減、あるいはバランスを欠いて、釣果の「爆発」が規模も回数も少なくなってきました。

 体の衰えを、老いて益々盛んな意欲、工夫に工夫を重ねた仕掛、経験で積み重ねた竿操作で補うなどして、そこそこの釣果を保ってきたのが「有り体(ありてい)」。

 今、その現状維持さえ困難になった…という自覚。それをさほど悔しいと思わず、素直に受け容れている自分。

 壁に架けた色紙。そこにある歌。その感じ方が変わってきました。

 「しんとろり こはくのいろの滴りの 澄めば澄むもの 音のかそけく (砕花)」

 ほんの一瞬にせよ、お目にかかれた故・富田砕花さんの作。

 しんとろり…これが美酒の様子と響くか、男女の情愛の様子と響くか。

 最近の私は「急速に後者へ」。人のみならず、魚との付き合い方にも、「枯れ」が入ってきたようです。辛うじて健康を保って行き着く先は、「枯淡の境地」か。
 

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'14年04月15日(火)、伊毘(淡路)
お魚クラブVer. 2,二度あることは…
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:Taka−yuさんのタケノコメバル(上、21p)、ガシラ(下、19p)。小型ガシラはMiya−shinさんの釣果。
なお、Taka−yuさんは小型ガシラ1尾放流、良型1尾ネコに奪われた。

 3人釣行。Taka-yuさん、Miya-shinさん、私ABA。

 二度あることは三度…あった。私の釣れない病は益々重症化、もう救い難い。

 そういう自覚があって、今回の釣行の目的は、第1はワカメを拾って帰ること、第2はツワブキを摘んで帰ること。

 第3がメバルかガシラ(カサゴ)、釣行なのに魚の順位が一番下。行く前からこれだから、情けない話です。

 (注)ワカメは、地元の漁業権者のもの、私たちのような遊魚者が採ることは許されず、漁業権者が損害を申し立てれば罪に問われます(親告罪)。

 晴天、明るくて、暖かで、風穏やか。ワカメ拾いもツワブキ摘みも、実に楽しく順調にできて、目的3つのうち2つを大・大満足の域まで達成。このまま夕飯食って帰ったら幸せだろうな…と思いながら淡路島の最南部、伊毘の旧港へ移動。

 ところが、「おやっ?」以前と比べて、えらく寂しい。

 水揚げ場を使っている様子がなく、その脇に渦潮の観潮船乗り場ができている。地元の人の話では、漁協が合併し、丸山漁港へ水揚げされるようになったとか。

 夜10時まで粘りましたが、私には釣果なく、Taka−yuさんが21pタケノコメバル、19pガシラなど4尾。Miya-shinさんが小型ガシラ1尾。

 Taka−yuさんが結果を出したのは、間断なく誘いをかけたから。私に釣果がないのは、そういう熱意に欠けたから。

 この夜最も盛り上がったのは、Taka−yuさんが2尾目の良型ガシラを釣った直後。竿を波止の地面に置いた瞬間、電子浮子(うき)が高さ30pで左へ数メートル、鉄砲玉かUFOのように瞬間水平移動。

 「わあっ!」「何だ?」「何だ!」

 「猫です!」

 野良猫が魚を銜(くわ)えて横へ数メートルダッシュ、テトラの間に消えたのでした。
 

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'14年05月10日(土)、佐野テトラ(淡路)
お魚クラブVer. 2,さあ梅雨グレの季節です
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:釣果(ABA)。

 2人釣行。U師匠と私ABA。サツマイモの植付準備が予想以上に進んだので、土曜の夕方に望外の空白時間ができた。

 (何たる幸運、無駄にしてなるものか。)

 忽(たちま)ち釣行決定。U師匠はメバリングなので、日没後が本番、私はグレ狙いのフカセなので日没迄が貴重。

 両方が立つように、16:00過ぎに佐野テトラ(淡路)に到着。かなりの数の釣人がいるが、長い・長いテトラのこと、少々のことでは過密にならない。

 久々のグレ釣りとあって、気が逸(はや)る。大急ぎでテトラを駆け下り、餌溶かし。ポリ袋に密封した撒餌をサランネットに入れて海水中に吊るす。

 溶けるまで30分、その間に小腹を満たし、溶けたところで牟岐大島で使い残した配合餌「ど遠投」と適量の海水を混ぜて準備完了。

 この日は強風、しかしここは風裏。やや波気があって、メバリングのU師匠には気の毒だが、私には丁度良い。場所の選択はバッチリ。

 (はたして…)

 柄杓に2杯、撒餌を撒いて様子を見る。すると、来るは・来るは、オセン(スズメダイ)の大群。たちまち絨毯状態。

 この場所のこの状態では、阿波(徳島)釣法はデメリットが目立つ。私はハリスを切り詰め0.6〜1.2mにして、絨毯の直下へスイッと入れる。

 偶に、撒餌を力一杯遠投して、沖を釣る。

 もう梅雨グレは、本番に入っている。

 (結果は…)

 グレ5尾。帰宅後の測定では29.5p、29p、26.5p、23p、22p。日没までの時間が少なかったので、数を出せなかったが、この季節らしい大きさのグレとのやりとりを細竿で楽しんだ…のでした。

 今夜は、グレの刺身と寿司。いや、小型の2尾はガシラ(カサゴ)とともに甘酢あんかけ!
 

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'14年05月17日(土)、浦魚港(淡路)
お魚クラブVer. 2,木っ端グレでも良い…
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:釣果。グレ(メジナ)、12尾、20〜26p。

 2人釣行、U師匠と私ABA。

 5月17日(土)と18日(日)は「神戸まつり」。土曜日は各区それぞれの会場で祭、日曜日は中央会場の市役所前フラワーロードで祭(パレード)。

  土曜日、ある区の祭の会場で恒例のバザー。友人が栽培しているブランドもののタマネギを販売。これを常識外の安値で売るものだから、あっと言う間に完売。

 それで、先週に続いてポッカリ「望外の空白時間」ができた。こうなると、心身が先週と同じ反応を起こすのは止むを得ない。

 15:00田園科学室集合。行先は、今回は浦漁港。前回メバリングのU師匠をグレポイントへ誘ったので今回はメバルポイントへという次第。

 ここでもグレは釣れるが、29、30pは稀。経験的には22p以下が多く、25pを超える確率は前回の佐野テトラに比べればかなり低い。

 17:00少し前に釣り開始。珍しく、メバル狙いのU師匠が明るいうちからエビ餌で参戦。おや?いつもと意気込みが違う。

 一方の私、釣って帰らねばならない事情があった。翌日帰省して来る孫たちに、爺の魚を食べさせなくてどうする。

 できれば29〜30pのグレ3尾、しかしこの場所ではそれは高望み。ならば木っ端グレを10尾以上。もとより脂気は無いから刺身・寿司は無理として、ムニエルにでもできれば…という魂胆。

 (はたして…)

 U師匠絶不調。藻が岸辺を覆い、苦戦を強いられ、ガシラ(カサゴ)2尾、メバル2尾。それも小型とあって「青菜に塩」。

 私。日没までが私の時間。長くても2時間半しかない。今日の仕掛はどうする?

 始めっから木っ端狙い。ならば、こうだ。ハリス1.2号1.2m、錘はB、これに軽い円錐浮子(うき)。浮子止めは付けない。水面から底まで、どこでどんなサイズが食って来ようがご自由に、という意思表示をしたつもり。

 実に幸い。グレたちは、第1投からそれに応えてくれた。20pに満たない超小型から26pまでが、多数。20p以下はお帰り願ったが、可哀そうだとは思いながら20p以上12尾をキープ。

 「えっ?」「今日は刺身じゃないの?」と一瞬怪訝(けげん)な面持ちの孫たち。しかし、直ぐに爺・婆の手になるムニエルをワイワイ楽しんで、あっという間に完食。

 嬉しいのです、この光景が、何にも増して。

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'14年07月05日(土)、志筑(淡路)
お魚クラブVer. 2,どこで釣る?
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:釣果(ABA+Ya-kazさん+Kita-miさん)。グレは24pまで、ウミタナゴ24pなど。

 6人釣行。Ma-ikuさん、Miya-shin、Ya-Kazさん、Kita-miさん、Nishi-uさん、それに私ABA。久々の賑やか釣行。

 超多忙の中、無理矢理時間を作って強行したのが真実。午前中は氏神さんの掃除。出発時間は13:00、ようやく30分前に帰宅、慌しく準備して、出発。夕方からの会議は無理言って欠席させてもらった。

 「どこで釣る?」迷いに迷った。

 当初の行先は、鳥飼。淡路島西海岸を南へ下った所。しかし、女性3人、トイレが使えない…ということで取り消し。

 島内3か所の一文字のどれかへ渡船で渡る計画に変更。

 しかし、出発段階で神戸は小雨。私ABAの集めた諸情報+観天望気では、「当日淡路で2回の通り雨があり、風と波は共に穏やかなものの、雨量あるいは雷によって早々に撤退することもありうる」。

 「そのリスクを承知で渡船料((1人1700円以上)を払う?」

 「今日は、波止や岸壁が無難」

 ところが、釣れそうなところはトイレが無い。用を足せそうな物陰がたくさんあるところはテトラが苦手なメンバーに気の毒。

 あれこれあれこれ、迷いに迷った末、小さくて恐怖心が湧かない程度のテトラのある志筑、すぐ背後に大きなスーパーがある場所に決定。

 しかし、この釣り場の選択が釣果を決めてしまった。

 竿頭はKita-miさん。その彼が22pグレ1尾、24pウミタナゴ1尾、クロアナゴ1尾だけなのだから、後は推して知るべし。

 18〜20pのアジを狙ったサビキさえ不調で、豆アジのみ。初参加のNishi-uさんは手の平グレ1尾。20pアジはクーラーに入れようとして、逃がしてしまった。

 「釣れるのも釣り」、釣れないのも釣り」長く生きてきて、そう思えるようになったが、皆さんはどうだったか…いささか心配。

 「次回はアナゴ」と決めて解散。

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'14年07月16日(水)、都志港(淡路)
お魚クラブVer. 2,久々のアナゴは…
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:食べごろサイズ。 図2:ABAの釣果8尾のうち7尾。 図:これも何とか食べごろサイズ。

 2人釣行。Taka-yuさんと私ABA。平日組と休日組に分けてのアナゴ釣りの平日組。当初3人の予定、しかし私の都合(計4日間の仏事手伝い)で予定日を変更、そのせいで1人は参加を断念。

 (さあて、何処へ行く?)

 減場所の選択に悩むが、朝やや強く吹いていた南寄りの風は、午後には止むとの予報。これを信じて当初から予定していた淡路島西海岸の都志(つし)港へ。

 14:00科学室発。いつも通り釣具店、スーパーを経由して、釣り場到着は16:00ごろ。淡路ICまで15〜20分なのだが、なぜか島に着くと…のたり・のたり哉(かな)のお魚クラブ。

 (あらら?)

 目標は、明るいうちにタコ1杯、夕方にサビキでアジをそこそこ、日没後アナゴを各人の家族数×2尾。大波止の中ほどで釣るつもり…ところが、まさかのまさか。嵩(かさ)上げ工事中で、厳に立入禁止。(津波対策公共事業かなあ?)

 そこで、手前の岸壁へ。ほかに釣人2人。どちらもサビキ。しかし、豆アジ数匹フグ多数、いや無数。嘆きながら、退散して行った。

 私たちの釣果も全く同じ。タコ全く気配無し、アジ豆アジ数匹のみ。唯一の幸運はグレ24p。Taka-yuさんのサビキに食いついて来たこと。

 日没を控え、次善のアナゴ釣り場を考える。地元のギャラリーの言が信用できそうだったので、漁船溜まりの方へ移動を決める。

 (これが正解だったのかな?)

 私の竿に次々とアタリ。型は40p前後、いわゆる食べごろサイズ。投げ竿で釣っているので手応えを楽しむには程遠いが、アナゴ釣りとはそうしたもの。あくまで、食べる楽しみの第1段階。

 結果は私8尾、Taka-yuさん3尾。釣果計11尾で目標の10尾(家族数×2名)を何とか上回った。

 竿置きの三脚を忘れて行ったので、穂先のケミホタルを揺らすアタリを楽しめなかったのが反省点。あっ、それと午前様になってしまったこと。 

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'14年07月21日(月・祝)、都志港(淡路)
お魚クラブVer. 2,アナゴ第2回は…
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
図1:乾燥中のポケットの品々。何故濡れたかは本文を…

 4人釣行、Nishi-uさん、Ma-ikuさん、Miya-shinさん、そして私ABA。女性2人と男性2人。平日組と休日組に分けてのアナゴ釣りの休日組の釣行。

 晴天。予報に頼らなくても、梅雨が明けたとわかる天気。

 前回と同じ場所への釣行、難しい釣りではないし、そこそこの釣果は望める。さらに汐は前回より遥かに良いとくれば、問題は混雑だけ。

 (はたして)

 ベランダ(手すり設置の波止)はガラガラ。せいぜい10人程度。キス釣りのようだが、習熟度はさほどでない様子で、見ている限り釣れてない。

 広大な岸壁には10組余り。車を横付け、投げ竿を2,3本置いてひたすら待っている組と、サビキで豆アジを狙っている組。釣れていれば、休日のファミリー向きのこの釣り場には、歓声が満ちる。しかし、全くの閑散。

 汐が良いので豆アジ用のサビキ仕掛も餌も揃えて来たが、前回と何も変わっていない。これなら今日の本命、アナゴの場所を確保したほうが良い。

 漁船溜まりを囲む旧堤防へ移動。

 (ありゃ!人がいる)

 幸いキス狙いのファミリー。日没を待たずに帰るはずと見て、車を近付けると、待つ間も無く帰って行った。「どうでしたか?」と声をかけると、予想どおり「ダメ」の返事。

 こんなふうで、前回と同じ場所に入れた。周辺に全く釣り人はいない。声にこそ出さないが、徳島・勝浦川の鮎釣り人稲妻さんの口癖「今釣らないて何時釣るの」を真似る。

 (ところが)

 これが釣り。前回あんなに簡単に釣れたのに、今回はさっぱり釣れない。

 釣果は終了間際の時点で、Miya-shinさん2尾、私2尾、Ma-ikuさん1尾、Nishi-uさん0尾。4人合計5尾の大貧果。

 釣行を計画した責任を感じてしまう。サビキで豆アジを拾って最低限のお土産を…と動くしかなかった。特に竿を新調して臨んだNishi-uさんに釣果が無いのが辛い。

 そんな様子に神様が同情したのだろう。Miya-shinさんの最後の1投に食べごろサイズが来た。もちろん「Nishi-uさん、どうぞ」との声。しかしクーラーは既に車の中。

 そこで、ハリスを長めに切ってもらい、それを私ABAが受取り、左手でぶら下げて運ぼうと踵を返したその時…ドラマが起こった。

 並みのドラマなら、「アナゴが逃げた!」程度。だが、この日は歴史的大ドラマ。

 クラブで釣行時には必ず、子供たちはもちろん立派な大人対しても「こうしろ、ああしろ」と延々安全策を講じる私ABAが、海に「ドボン!」。海面まで2m、水深3.5m。

 釣歴だけなら第1級、66.5年に及ぶ釣歴の中で、初めて海に落ちた。「弘法も筆の…」、否そんな人格者ではない。「猿も木から…」、否猿ほどの天賦の技があるわけでもない。ただただ慎重の上にも慎重な「慎重居士」が落ちた。

 踵を返して西方向へ戻るはずが、北へ1歩を踏み出した。何の疑いも無く歩を進めたので、体が見事に宙を舞い、波止のコンクリートにかすりもしなかったのが幸運。

 パニックにはならなかった。水中で、左手で持っているアナゴのハリスを放すべきかどうかを先ず考えたが、先ず水面へ上昇することを優先、上方へ両腕をかいた。

 「アナゴ、逃がしてしまった!」水面で発した声に、陸上の3人にやや安堵の雰囲気。水汲みバケツの細引き(ロープ)を投げてとは言ったが、取り消して、少し泳いで上陸、手を貸して貰って波止の上へ戻った。

 幼時から、何度か溺れながらも水に親しみ、着衣靴履きの水泳にも慣れていたのが幸いした。ともに泳ぎ、潜り、魚を突いた幼馴染みに感謝だ。
 

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'14年07月29日(火)、由良(淡路)
お魚クラブVer. 2, 豆アジ等食糧調達に
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan
 図1:チヌ46p、彼の自己新記録。     図2:ABAの釣果、アナゴ50pまで、豆アジ58、ほか。

 3人釣行。Taka-yuさん、Miya-shinさん、そして私ABA。当初4人の予定、しかし転んで足を痛めたYa-kazさんが欠席。

 勤務を全て終えたのだから、農作業が以前の3倍はかどるはずなのに、1/2以下にスローダウン。鮎釣りに未だ1回も行けない。これは何故?

 「わからんかあ?」
 「わからんなあ…」

 今のところ、「体力の落ち込み」以外に理由が見当たらない。しかし、嘆いて暗くなるなんて悲しい生き方はしない。こんな時は、夜釣り、正確には「半夜釣り」。

 児戯に等しいレベルの釣りであっても、やはり釣りは釣り。気持ちを新品同様に直してくれる効果に、何ら変わりはない。そもそも、「釣りをせむとや生まれけむ」なのだ。

 (それで…)

 目標は豆アジ1人100尾。冷凍庫の魚が枯渇したので釣趣は2の次、食糧調達、食欲優先。豆アジは今丁度南蛮漬けに最適サイズ。

 今あちこちに回って来ていると聞く小サバ、そいつが仕掛をひどく縺れさせることさえなければ、この程度の目標は短時間で達成できる。豆アジにプラスして何を釣る?キスか?アナゴか?小チヌか?少し型の良いアジか?これには少々悩んだ。

 「希望は?」
 …お2人に訊いてみるが、なかなか決まらない。

 「じゃあ、あれこれ好きな仕掛を持って来てね」
 …そう連絡して、何にでも対応できるよう、多様な仕掛を準備した。

 (さて…)

 17時少し前、釣り場着。この時刻でも太陽が「熱い」のは予想どおりだが、南寄りの風の強さは想定を超えていた。釣具が飛ばされそう。ときどき、体さえ持って行かれそうで、危ない。

 前回に続いて海に落ちるのは恥も恥。それやこれやで、釣座を変える。

 幸い、それを機に豆アジが釣れ始める。最初はTaka-yuさんの独り舞台だったが、ほどなく全員に来るようになった。

 「目標は100尾だよ100!」
 …6本のハリに1匹ずつしか来ないので、なかなか数が伸びない。日没後、灯りのある場所で釣り足して、全員50〜60尾まで漕ぎつける。

 目標には届かないが、豆アジに混じって、カマスの子、カンパチの子が来たりして、十分楽しい。
 「まあ、これで良しとしよう」
 …ということで、次の釣り。

 強風は相変わらずなので、アナゴ釣りしか方法はない。サンマの切身をつけて投げ込むと、まずまずの釣果。

 私ABAが50pの良型を含む5尾、Taka-yuさん3尾、Mya-shinさん2尾、だったがとびきりのサプライズがあった。

 Taka-yuさんが、チヌ、それも46pの良型。丁寧に、少しずつ・少しずつ、優しく底をなでるように引いて、誘った努力が実った。

 (あっ、そうそう…)

 私ABAが、ウミケムシの被害に遭った。この顛末については拙HP「衛生動物」欄に明日にでも掲載の予定です。

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