田園科学室
タマネギのの栽培(詳細1)
(c)2008-2009, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, JPN (田園科学室)
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050925a 播種 |
タマネギの播種('05年09月25日) |
(c)2005, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, JPN (田園科学室) |
![]() 図1:タマネギの播種。播種後に寒冷紗で被覆。 |
1、撒き床 (1)元肥を施し、(2)畝を立て、(3)畝を整形、(4)黒マルチによる畝の被覆を行う。施肥においては適量の石灰。また、黒マルチ被覆直前に畝の表面にごく薄く石灰を撒く。 この畝に2条撒きする。そのための準備は以下のように行う。 マルチのフィルムに、2条(縦2列)各60〜90p×8〜10pの長方形に切り、地面を露出させる。如雨露で静かに散水。上記切り欠き部の土に、木材の角などを押当てて、ごく細い押し跡を各条3〜4本作り、これを撒き溝とする。 2、播種 各条の撒き溝に適量の種子を撒く。一見、手間のかかり過ぎる撒き方であるが、ここで手間を惜しまなければ、後日の管理、特に除草の能率が格段に良くなる。 種子が混みすぎると苗が虚弱になるし、粗すぎると雑草が繁茂する。どのようにマルチを切り、どの程度播くかは、次項「タマネギの育苗」の芽生えの図などを参考に。 3、覆土 覆土は、乾燥した土を篩(ふるい)にかけたきめの細かいものを用いる。優しく振りかけ、鎮圧(押さえつけ)はしない。 4、寒冷紗被覆 黒い寒冷紗などで被覆し、遮光することが重要です。灌水は翌日から寒冷紗の上から行う。土を乾かさないよう、様子を見ながら随時灌水(1日回ときに朝夕2回)。 |
051001a 育苗 |
タマネギの育苗('05年10月01日) |
(c)2005, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, JPN (田園科学室) |
![]() 図1:タマネギの芽生え。 |
![]() 図1:育苗完了時。 |
1、追肥の時期 苗が約8pに伸長したとき、1回目の除草を行う。さらに約15pに伸長した時、2回目の除草を行い、この除草後に追肥を行う。 2、除草の方法 除草においては、播種の際に撒き溝を作ったか否かで、能率が著しく異なる。 撒き溝に撒いた場合、除草は、一方の手の手のひらをヘラのように使い、髪を分けるような形で優しく苗に当て、斜めに押しやり、生え際の髪のように並ぶ苗の根本を、もう一方の手の指で除草する。 撒き溝を作らずに漫然と条内(長方形内)にばらまいた場合、1本1本の苗を支えながらその根本の草を引くことになる。草の根とともに、苗の根が引かれてしまい、草と同数の苗が失われてしまうので残る苗は僅少なとる。 3、追肥の方法 畝中央のマルチを切り取り、その跡に浅い溝を掘って追肥を入れる。但し、図1に見える横方向のマルチは切らないで残すこと。切り取ってしまうと、マルチが両側へ広がり、風で全てめくれてしまう。 先に配合肥料(化成と有機の配合)を薄く撒き、その上に牛糞堆肥を盛り上げ、さらに谷から鍬で上げた土で覆う。 |
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061118a 定植 |
タマネギの定植('06年11月18日*あさひ、児童) |
(c)2006, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, JPN (田園科学室) |
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1、黒マルチに穴を開ける 元肥をまき、耕して、畝を黒マルチで覆い、それに先の尖った棒などで穴を開ける。 同時に植付けの穴も掘っていることになる。但し、穴はやや深めに開くので、深植えにならないように、注意。 なお、上図の穴の間隔は子供の植え付けの便宜を考えて17cm・3条・千鳥。これを、例えば15cm・4条・千鳥に密植するとタマネギは小玉になる。 |
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2、玉葱の植付け 苗を穴に差込み、深く植え過ぎないように宙に保って、もう一方の手の指1本を差し込んで土を根元に掻き寄せる。 決して土を手で押さえつけない。軽く根の周りへ寄せるだけで十分。根が真っ直ぐI字型に埋まるのが理想ですが、J字型に入れば大丈夫。 しかし、U字型になったり、黒マルチ上に端が飛び出しているのは良くない。 作業中、足で黒マルチの端を踏みつけると黒マルチの穴が手前へ引っ張られて、植えた苗を引き倒すことになる。足を置く位置には常に注意。 |
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061119a 定植 |
タマネギの定植('06年11月19日*月が丘、児童) |
(c)2006, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, JPN (田園科学室) |
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図1:畝を立て、黒いマルチをかける。マルチは日中の暖かい時間帯にかけること。朝夕にかけると冷えて縮んでいたフィルムが後で伸びて・ゆるんでブカブカになる。 図2:マルチに穴をあける。適当な太さの棒の先端を尖らせ、尖った細い鉄棒を打ち込んだもので穴をあける。間隔は縦方向に15cm。千鳥で3列、但し、これは子供向きで、通常は4列。 |
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図3:1本ずつ、丁寧に植える。苗を持って歩くときは、根元を持ち、逆さまにぶら下げて運ぶ。そうしないと苗が、全部折れてしまう。 | |
060320a 成長 |
タマネギの成長('06年03月20日) |
(c)2006, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, JPN (田園科学室) |
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早春、玉葱の成長ぐあい。 '06年3月20日のようす。厳冬、大雪にもかかわらず順調に成長しています。写真の品種はモミジ。 |
080610a 収穫 |
タマネギの収穫('08年06月10日*あさひ、園児) |
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, JPN (田園科学室) |
![]() 図1:タマネギの収穫。 |
![]() 図2:暑かったけど…。 |
1、収穫体験 1人5球を収穫、袋に入れて、担いで帰りました。給食で食べるほか、各自持ち帰って家で食べたりするとのこと。 園からここまで約1.5km、往復すると3km。しかし暑さにも負けず、子供たちは皆元気。 2、収穫量 10アール当たりの植付本数は一般には約27,000本。但し、これは、貯蔵性や商品性を考えて、小ぶりに育てる場合の本数。収穫量は6トン程度なので1球が222g。 新タマネギでの利用がほとんどである田園科学室の場合は、定植の間隔をやや広くとり、全体数を減らして、1球300gぐらいに仕上げるのを目標にしている。 |
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