田園科学室
ソバの栽培(詳細1)
(c)2008-2009, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, JPN (田園科学室)

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080808a 準備
畑の準備('08年08月08日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, JPN (田園科学室)

1、畑の準備
 ソバの栽培にあたって、畑を以下の手順で準備しました。
(1)土壌改良資材の要否、またその量を考える。
(2)肥料の要否、またその量を考える。
(3)上記のうち必要なものの施用。
(4)耕運。
(5)畝立て。
(6)種まきの準備。

2、土壌改良資材・肥料の要否
 ある圃場に初めて蕎麦を栽培する場合、前作の残り肥が幾分かはあるのが普通です。したがって、一部の土壌改良資材を施用するだけで栽培を開始するのが無難だと思われます。
 しかし、2008年の田園科学室圃場の場合は、畑を無農薬化する目的で、2年間、雑草の繁茂を防ぐための耕運を繰り返すだけにとどめていたので、残り肥は無いに等しいと想像されたため、標準的な土壌改良資材と肥料を施用しました。*追記:翌2009年には別項「準焼畑式」に切り替えました。

有機石灰の散布

図1:土壌改良資材の施用(1)石灰。牡蠣殻石灰60kg/10aを施用しました。
3、土壌改良資材とその量
 (1)有機石灰
 ソバは、弱酸性pH6.0〜中性7.0の土壌(兵庫県・農・総・普及部, 1984)を好むので、経験から判断して有機石灰(牡蠣殻石灰)60kg/10aの施用を決めました。
 なお、畑によって、また前作によって、施用量は全て異なります。

堆肥の投入

図2:土壌改良資材の投入(2)堆肥。完熟牛糞堆肥(バーク堆肥)を800kg施用しました。
 (2)堆肥
 完熟牛糞堆肥(バーク堆肥) を800kg/10a投入。これはサツマイモ栽培の約1/2量で、多くの野菜栽培の場合より遥かに少ない量です。

肥料の散布
図3:肥料の散布(自家配合)。
各種有機資材と化学肥料を
組み合わせて成分比を調製。成分比は多くの文献にある
N2.0:P2.5:K1.5(各々kg/10a)を採用しました。今回の畑は事
実上無農薬圃場として運用するために休作し丸2年間ひた
すら抑草のための耕運を繰り返してきた畑であり、残り肥
は計算に入れなくても良いと考えたからです。

耕運、畝立て
図4:耕運、畝立て。
畝幅は1m弱。望ましい畝幅より約20cm
広くなっています。土が乾燥し過ぎて、思う幅の畝が立たないの
です。今回は子供が間引きや除草などの作業を行うで、この幅
のほうが便利なこともあろうかと…細い畝にこだわるのをやめま
した。ただ実験の意味もあって南北両端の枕畝は共に75cm幅
にしてあります。出来上がった畝の中央は畝両肩の土を掻き上
げ、いったん尖らせた後レーキで石・枯草を除きクワ1枚分の幅
を平坦にし、そこえ種まき用のスジ(条)を付けました。

畝(部分)の拡大
図5:出来上がった畝(部分の拡大)。
頂上中央にあるのが
種まきのためのスジ(条)です。三角ホーで浅く掘ります。
種まき直前にこのスジ(条)に適量の水を注ぐと
底面が平になります。

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090819a 焼畑
準焼畑式に変更('09年08月19日)
(c)2009, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, JPN (田園科学室)


図1:焼畑を模して、刈って乾燥させた雑草を焼きました。
1、肥沃地でのソバ栽培
 ソバは、痩せ地(貧栄養の土地)でもよく育つ作物として知られています。わずかな栄養をうまく吸収して茎葉を作り実を結ぶことができるのです。
 しかしその栄養吸収の性能の良さが、肥沃地での栽培では仇になることが多々あります。典型的には、徒長して倒伏、収量が著しく減少します。
 前年(2008年)は、田園科学室の圃場でのソバ栽培は初めてとあって、標準的な施肥基準を採用しましたが、前作の残り肥がほぼ無いと想像されたにも関わらず、徒長と倒伏が起こりました。
 そこで以後の栽培では肥沃の害を避けるべく、準焼畑式に切り替えました。

2、準焼畑式
 準焼畑式とここで名付けた方法は以下の通りです。
(1)種まき1-1.5か月前に耕運、地面は平にして放置。
(2)種まき約10日前まで、メヒシバ等の雑草を繁茂させる。
(3)繁茂した雑草を刈り倒し、乾燥するのを数日待つ。
(4)乾燥した雑草をほぐして列状に積み上げ、夕凪に火を放つ。
(5)雑草が足りない場合は、周囲の畔の草も利用する。
 もちろん、延焼、隣地作物の被害、近隣の家屋・洗濯物への煙害に注意します。

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080809a 種まき
種まき('08年08月09日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, JPN (田園科学室)

蕎麦の種まき
図1:この日の参加者は児童26人。
大人を含めると32人でした。
30℃を超す猛暑の中朝9時に集合11時半まで、途中で挫けそうに
なりましたが、何とか頑張り通しました。

1、盆より後が当地の適期
 いろいろな事情から2008以後は「児童館ソバの栽培」を田園科学室圃場で行うことになりました。しかし、何時に何人来るのか?さっぱり連絡がないまま種まきの日をむかえてしまいました。
 朝、大慌てであちらこちらと連絡を試みましたが、ようやく電話が通じても「わからない」の返事だけ。09:00時集合、参加児童は26人とわかったのは、なんと1時間前の08:00のこと。
 何月何日に種をまくか?畑の準備の都合は?重要なことは何も話合いのないままでした。昨年までの別の土地でのスケジュールを漫然と踏襲して決めたようです。
 通常ソバの種まきの日はその土地の降霜日から逆算します。
 田園科学室(神戸市西区)付近の平均的な初降霜日は11月14日付近ですが早い年は11月の初め。一方蕎麦の収穫までの所要日数は70〜90日。
 これらから計算すると8月23日ごろが適期となります。今回の8月9日の設定は平均降霜日の97日前ですから約2週間も早過ぎることになります。

蕎麦の種まき、先ずは水から

図2:先ずは水から。今年'08年の夏はとても暑い夏です。夕立さえ降らない日が続いているので土は灰のようにパサパサになっています。この日は(1)種まきをする畝上にスジ(条)をつけ、(2)薬缶(やかん)やバケツで水を注ぎ、(3)種をまき、(4)覆土して、(5)寒冷紗で覆う、という手順で作業を進めました。
2、種まきの手順
 種まきの手順は下記のように決めましたが、今年は異常なまでに土が乾燥しているため、また付近に多い「人慣れした鳥」による鳥害が予想されるため、常道とは異なった部分があります。
<手順>
(1)畝の頂上に種まき用に「スジ(条)」を付ける(=浅い溝を掘る)。
(2)「スジ」に薬缶等で水を注ぐ(数秒水溜りができる程度)。
(3)10a当たり7kgの種子を均等にまく(*選別種子なら4−6kg)。
(4)粗い篩(ふるい)で土をふるい、これで2−3cm厚に覆土する。
(5)寒冷紗を全面にベタ掛けする。
 なお、この日使用した種子は宮崎県椎葉産で無選別、予措は行っていません。

蕎麦の種まき

図3:水を注いだ後に種をまきます。
3、暑い中の種まきでした
 畝立てして条まきをするのは子供が、どこにどれだけ播いているかが一番把握し易いからです。
 ばらまきでは、その把握は明らかに不可能で、濃淡ができる程度ならともかく、重複や空白が多発するのは明らかです。
 今回、子供は小さな紙コップに種を分けてもらい、それを持って畝に行き、片手に持ったコップから別の手の手のひらに適量の種をとって、それをまきました。
 しかし、紙コップから直接まく子や、まいた後に重ねてまく子がいるなどして、全体にかなりの「まき過ぎ」になりました。
 気象や天気予報の世界では気温35℃を超えると猛暑なのだそうですからこの日の気温32℃はその下にランクされる暑さ。
 乾燥した畑では照り返し等で体感温度は猛暑の基準を軽く超えていたはずです。
 その中で、子供たちは09:30から11:30まで、途中に給水休憩はありましたが、ほぼ休みなしに働きました。

図4:ものすごい暑さでした。それでも挫けず、種まきを続けました。だんだん慣れてきて、まちがったまき方やまき過ぎは少なくなってきました。畝をまたいではダメだよ、という注意も守れるようになりました。守らないのは大人だけ…いけないですね。

蕎麦の種まき

図5:この日は見学の人も。市内のM児童館の先生が見学に来られました。右側に写っている人です。種まきの後の覆土作業では土を掘り起こしてフルイにかける作業を手伝っていただきました。感謝!
4、寒冷紗で覆って終了
 覆土した後寒冷紗で覆います。
 蕎麦は過湿を嫌うのですが、これだけ照って乾いては最低限の湿度が保てません。
 何よりも鳥害の防止、次いで保湿、この2つを兼ねて全ての畝を黒い寒冷紗で覆いました。
 働いているうちに、子供たちに変化が見えてきました。前半だけを見ると、次第に疲れが溜まってきてダラダラした行動が増えてきました。
しかし給水休憩を境にした後半は意欲満々スイスイと作業が進みました。
 土をふるう子、運ぶ子、被せる子…自然に役割分担ができてきました。作業を終わってから、この日のまとめを黒板に書くなどして「復習」しました。

鳥害防止に寒冷紗
図6:
寒冷紗で覆って種まきを終了しました。

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080811a 種まき直後
種まき直後の管理と鳥・獣害('08年08月11日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

灌水、用具 灌水、方法
図1:種まき直後の管理。水やり(灌水)は通常は必要なく、やるとして
も過湿を招かない程度の少量にとどめます。ただ、今年'08年8月の場合
は異常なまでの乾燥で、土には全く湿り気が無いため朝1,000リットル
/10a、夕500リットル/10aを種まきをした畝上のスジ(条)だけに注水しま
した。水がほかの部分にかかるとそこにあった雑草の種子が発芽する
ので後で除草は大変なのです。

鳥害
図2:鳥害(雀)。
スズメ、ハトは穀類の種を、カラスはあらゆる
種や種イモを食べたり掘り返したりします。この図はスズメに
よる食害と砂浴びによる荒らしの痕を示しています。丸い穴が
砂浴び、手前の掘り返しと周辺のソバ殻は食害の痕です。種
まき当日の午後数時間内(昼寝時間中)に寒冷紗がかかって
ない部分で発生しました。

犬足跡 犬足跡
図3:獣害(犬)。夏、付近のほとんどの農地は水田になります。したがって、
畑作物のある所は放された犬の格好の遊び場になります。ひどい人になると、
芋畑近くまで自動車で大型犬を運んできて、畑に入ることを承知で犬を放しま
す。怖くて注意なんてできません。警察に言っても無駄でしょうし。困ったこと
です。今回畑を踏み回ったのは、夜間散歩代わりに鎖を解かれた犬…だと思
います。

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080814a 発芽
発芽('08年08月14日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

発芽、手本を示した箇所
図1:ソバ(蕎麦)の発芽。
種まきの密度はこの程度に…と、
お手本を示した箇所の発芽具合。来年からは、この密度を
念頭において種をまいて下さい(播種第5日、'08年8月14日)

発芽、圃場の景観
図2:発芽。
生え揃いました。ここまで毎朝夕1,000リットル、
500リットルを畝頂部のスジ(条)にのみ灌水。播種量は
遠目にも過剰とわかります。詳細は下図。

播き忘れ うまく播けたところ 播き過ぎ
A.播き忘れ B.適量(手本通り) C.過剰
図3:種まきの密度はどれが良い?中央が適量、右は適量の3倍以上。

  

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080816a 1週経過
1週経過、初めての雨('08年08月16日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

播種後初めての雨
図1:種まき後1週間、初めての雨。
土が灰のような白から
やや黒っぽくなりましたが、未だ本来の土の色ではありませ
ん。もっとも、過湿を嫌うソバ(蕎麦)のことですから、この
程度の雨で良かったのかもしれませんね。問題なのは、
この雨で雑草の種子が一斉に芽吹くことです。雨が3日も
続けばソバ(蕎麦)に雑草が猛然と背比べを挑んできま
す。間引き・中耕・除草・土寄せのタイミングを誤らないよ
うにしなければなりません。

排水溝を掘りました 本葉は未だです
図2:排水溝を掘りました。午後
から雨の予報だったので、午前中
に排水溝を掘りました。畑から排
水路まで約20m。暑さの中ではか
なりの難工事でした。
図4:ソバはまだ双葉。だいぶ
成長しましたが、まだ双葉を支え
る茎が伸びただけ。本葉の展開
はまだです。雨で土の跳ね返り
が葉に点々と付きました。

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080817a 間引き
1次間引きと中耕・除草・土寄せ('08年08月17日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

ソバ、間引き菜
図1:ソバ、間引き菜。
第1次の間引きを開始しました。
間引きの適期(2週目あたり)に一気に行うのが普通のよう
ですが、田園科学室では通常より早く第1次を、通常より
遅く第2次を行うことにしました。今回の栽培畑は元来水
田、雑草対策が収穫の成否に関わる最重要課題なので
す。先日の雨で雑草の芽吹きが見られたので、早速間引
き・中耕・除草・土寄せにとりかかりました。間引き菜を捨
てるのはもったいないので、1日に利用できる分が穫れる
範囲(畝数)だけ間引き・中耕・除草・土寄せの作業を進
めてゆきます。なお、間引き菜はよく洗い、根を切ってか
ら料理に使います。写真右は根付き、左は根切り済。

畝のようす、中耕後と中耕前
図2:畝のようす。
左端の畝が間引き・中耕・除草・土寄せ済
の畝、ほかは未だできていない畝です。この作業は17−19日
まで3日間続きます。なお、19日で播種後10日…になります。

標準は1平方メートルに100〜150本
図3:間引きの目標。
標準は1平方メートル当たり100−150本。
「種まきのお手本」を示した箇所に少し間引きを加えて一足早く
110本にしてみました。なお、図中の尺は50cm、ソバは
55本前後見えると思います。なお。間引き作業に慣れ
ない人が作業する場合は目標をもう少し多く180
ぐらいにしてもよいと思います。

    

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080819a 本葉展開
本葉の展開進行中('08年08月19日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室) 

本葉の展開、進行中
図1:本葉の展開進行中。
第1次間引きが終わった所から、
急速に本葉が展開し始め、19日(播種後10日)現在、ほぼ
全域で1枚の本葉を持ちました。ここから後、成長は加速す
るので第2次間引きを早々に始めねばなりません。雨が降
らないのでまだ1日1回1,000リットル/10aの灌水をしなけれ
ば萎れてしまいます。せっかく土寄せをしたのに、その抑草
効果がなくなってしまいます。水をやればやるほど雑草も芽
吹き、育つのです。

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080823a 雨
雨、間引きと除草中止('08年08月23日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

本葉は2−3枚に
図1:本葉は2−3枚になりました。
成長点までの高さは
前回のちょうど2倍ぐらいになりました。ソバはタデ科の植
物で病・害虫が少ないのですが、ナメクジや蛾の幼虫が
食害を始めています。この詳細については後日に書きま
すね。ところで、今日のように、畑が濡れている時は絶対
に作業をしないことです。大勢が数回づつ歩いたら…延べ
百回以上踏み付けることになり、谷と畝の下部がカチカチ
のコンクリート状になります。空気が通わず、水切れが悪
くなり、悪影響がでます。またこんな日に間引くと、葉につ
いた傷に泥が刷り込まれ、植物の健康を害します。さらに、
間引き後に必須の土寄せなどの鍬作業がができません。
注意:第1次間引きが済んで適正数に近い本数になってい
ます。間引きは指示するまで絶対にしないで下さいね。
特に昨年までのような荒っぽい間引きは厳禁です。

   

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080825a 除草・間引き
除草と間引き('08年08月25日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

児童、蕎麦の除草と間引き
図1:蕎麦の除草と間引き。夏休みの終わりが近くて、宿題に
追われている子がいたのかな?人数がちょっと少なかったけど、
元気に作業をしました。(1)最初にしたのは、谷に落ちた種から芽
吹いたソバを抜いて集める作業。(2)次にしたのがソバの根もと
の雑草を抜く作業でスベリヒユ、オヒシバ、メヒシバ、カヤツリグ
サ、などを丁寧に抜きました。(3)間引きの練習もしました。
(4)最後に、持ち帰った間引き菜の根を切って、たべられる
ようにきれいに洗いました。もう、食べたかな?

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080828a 着蕾期
着蕾期に入りました('08年08月28日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室) 

ソバ、出蕾期入り
図1:着蕾期入り。
順調に着蕾期に入りました。26日夜から
雨が降ったり止んだりなので草丈が一気に伸び、着蕾も
畑中に広がりました。今日28日で播種後19日になります。
開花の始まりは目前です。

一斉に芽吹いた雑草
図2:一斉に芽吹いた雑草。
雨を含んだ土から、播種
時に溢した蕎麦種子や乾燥と中耕で抑制されていた雑
草種子の発芽が畝といわず谷といわず一斉に起こりま
した。雨が止んだら速やかに中耕・除草を行う必要があ
ります。長雨と雑草…ここが栽培上の勝負どころ
かもしれません。

    

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080830a 謎のウンコ
謎のウンコ、犯人は?('08年08月30日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

葉を食害した何者かの糞
図1:葉の食害痕と糞。
朝、この種の食害が各所にある
ことに気付きました。ガ?コガネムシ?バッタ?ナメクジ?
まだ何かは特定できていません。雨のせいで糞の形状が
崩れているので推測が難しいのです。後日夜間の観察で
確かめたいと思っていますが、被害拡大も防がねばなり
ません。農薬を使わない栽培では、虫を見たら即捕殺、
速やかな対応が一番なのです。何とかせねば!

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080901a 謎のウンコ犯人判明
謎のウンコ、犯人判明('08年09月01日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

害虫1
図1:ウンコの犯人。
ガの幼虫です。夜間に葉の上に
出てきて食い荒らします。幼虫の名前を調べるのは難
しい作業なので、飼育して成虫も見た上で確定したいと
思っています。犯人が特定できたので、のあそびクラブ
の皆さんに「蕎麦が緊急事態」と題して、害虫捕殺への
協力を頼みました。7人が駆けつけてくれて、8月31日夕
方の約1時間半、丹念に探して虫を捕らえました。すると
…ウンコの犯人以外にも、害虫が見つかったのです。

害虫2 害虫3
害虫4 害虫5
図2:次々に害虫発見。これらの種名も、今は保留しておきます。皆さんの協力
で害虫危機は脱しましたが、毎夜この捕殺は続きます。蚊に刺されながらの、根
気の要る作業ですが、今夜は児童館の職員の方の応援をお願いしてあります。

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080904a 開花期
開花期に入りました('08年09月04日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室) 

ソバ、開花期入り
図1:ソバ(蕎麦)開花期に入りました。
9月4日播種後26日、
開花が散見されるようになりました。長雨で涼しくなった後暑
さ(30℃前後)が戻り、高畝栽培なので乾燥が進んで、昼間
の茎葉はやや萎れ気味です。畝間の斜面・谷には雑草が
繁茂し始めましたので、中耕・除草・土寄せを急いで行う予
定です。普通なら、これで刈り取りまでは手間がかか
らないようになるのですが…。

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080905a 中耕・除草・土寄せ
中耕・除草・土寄せ('08年09月05日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)
中耕前 中耕後
図1:中耕前(左)と後(右)。しばらく前の長雨直後から生え始めた雑草
はみるみる谷・畝を緑の絨毯に変えてきました。もう1刻の猶予もできない
ので、9月4日の朝から、除草・土寄せを兼ねた中耕をおこないました。よほ
どのことでない限り、ソバの繁茂で収穫までは畝間での作業は困難になる
ので作業は丸1日を費やして丁寧な上にも丁寧に行いました。なお、この
作業は土削り(半月)、とクワ(雌鍬)を用いて常道通りに行いました。

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080908a 畝間灌水
乾燥ひどく畝間灌水('08年09月08日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

畝間灌水
図1:畝間灌水。
雨が降らず、降っても土を潤すほどでは
ないため、鋤き床の土まで完全に乾いてしまいました。開
花・受粉・結実の段階に入って連日萎びるのは好ましくあ
りません。そこで、「底水」をとるために畝間灌水を半日か
けて行いました。これで一気に草丈が伸び、数日を待たず
人が畝間(谷)を通行できなくなるほどの繁茂を見るはずで
す。訪花昆虫の調査も始まります。

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080913a 倒伏
無念!満開の日に雨で倒伏('08年09月13日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

雨で倒伏
図1:雨で倒伏。
肥沃地での栽培なので当初から予想され
たことではありますが倒伏が起こりました。原因の第1は肥
料過多。2年間作付のない圃場とはいえ、やはり肥沃、標
準の施肥量では過剰でした。原因の第2は畝間灌水です。
今夏は酷い乾燥が続いたため辛抱たまらず灌水しました
がこれが裏目に出ました。灌水して間もなく雨、一気に成
した柔らかい茎は耐えられませんでした。原因の第3は畝
立ての形式がまずかったこと。全てを高畝にしたので、畝
間が広くなり過ぎて「もたれ合い(支えあい)」ができなかっ
たのです。排水路は4畝ごとに深く、畝間の谷は浅くして畝
間隔を狭くべきでした。

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080913b 引き起こし
倒伏蕎麦の引き起こし('08年09月13日b)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

倒伏蕎麦、引き起こし後
図1:倒伏蕎麦、引き起こし後。
一般に倒伏した作物は
茎が折れていなければ丁寧に引き起こして支えをすれば
ほぼ元通りになります。しかし、茎折れがあったり、2日以
上経った場合は、柔軟な作物でない限り放置したほうが結
果は良いようです。かえって被害を拡大する場合もありま
す。もちろん倒伏が起こった以上は減収にはなりますが。
今回は約3/5の面積については当日中に引き起こしに成
功しましたが、残りについては放置を選択しました。2日目
には、既に茎が直角に屈曲していたからです。

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081018a 収穫
収穫(刈取・脱穀)('08年10月18日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

ソバ刈取と脱穀
図1:刈取と脱穀。例年なら9月中に終わる稲刈りの多忙が天気の
かげんで10月にずれ込んだため、ソバの刈り取り最適期を逃してし
まったようです。播種後70日と日数からするとやや早いぐらいなの
ですが、既に落果がかなりみられ、悔しい思いをしました。

脱穀機は足踏み式
図2:脱穀も同時に。
刈った蕎麦を束にして、互いにもたせ
かけたり小積みにしたりして乾燥後に脱穀しようと考えてい
ましたが、これ以上の落果は致命的なので、脱穀を同時に
行うことにしました。脱穀機は足踏み式、少なくとも50年以
上前、たぶんそれよりずうっと昔のものです。落果のないよ
うに丁寧に刈取り丁寧に運んで来て、交代で脱穀しました。

脱穀 脱穀
図3:みんな真剣でした。刈り取りの鎌はとても危険、脱穀機も足踏み式とはいって
も勢いよく回っている胴に、ちょっと油断すると腕も体も巻き込まれます。しかし皆で注
意し合い協力して収穫作業を終えました。朝10時から夕方5時まで、御苦労さまでした。

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081020a 乾燥
収穫後の乾燥('08年10月20日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

収穫後の乾燥
図1:脱穀後の乾燥。
筵(むしろ)上に広げ、蒸れないよ
うに必ず溝を切ります。翌日から、乾くにしたがって、茎
葉など雑じり物を除いてゆきます。左の箕(み)に入って
いるのが取除いたものです。このあと風を利用したり、比
重の違いを利用して実だけが残るように調製します。

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