田園科学室
ジャガイモの栽培(詳細1)
(c)2005-2009, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, JPN (田園科学室)

農家の仕事作物栽培例ジャガイモの栽培(目次)>詳細1・詳細2


060214a 植付準備
ジャガイモの植付準備と植付(児童、'06年02月14日)
(c)2006, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)
肥料撒布
図1:肥料の散布。有機石灰、
堆肥、鶏糞、苦土有機入り
化成肥料など。
耕運、畝立て
図2:畝立て。トラクターで
耕し畝を立てる。
畝幅は90cm〜1m。
畝の整形
図3:畝の整形。畝肩の土を
掻き上げ中央部に盛り
上げた後、均す。

 予め、初冬に耕しておいた田に、植付前日になって肥料を撒布(図1)。トラクターで耕運、畝立て(図2)のあと畝をレーキで整形しました。トラクターで立てた畝は断面が台形で肩が角ばっています。この部分の土をレーキで掻き上げて、中央部に盛り、中央部にできる尖った部分をレーキで撫でるように掻いて小石などを谷に落とすと、畝の断面は「頂上が平らな蒲鉾形(図3)」になります。この中央部へ縦一列30cm間隔に種芋を植えるのです。


たくさんの親子が集まりました 図4:植付当日。こんなにたくさんの親子が集まりました。
幸い、寒波が移動してくれて、暖かな日だったので、
よかったです。

 植付当日は、幸いなことに、久しぶりに見る好天気。移動性の高気圧の真ん真ん中。こんにたくさんの人(親子)が集まりました(図4)。50mの長い畝の端から端まで、列ができましたね。ふかふか、柔らかい土に歓声を上げながら、植付を楽しんでいましたね。

植付開始 植付が進みます マルチング作業
図5:植付の開始です。
始めはおっかなびっくり、
でしたね。
図6:どんど植付が進みます。1畝植える予定が、3畝も植え
てしまいました。
図7:マルチング作業。
ポリエシレンフィルムで
覆います。

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050211a 種芋植付
ジャガイモ種芋の植付('05年02月11日)
(c)2005, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)
ジャガイモ、種芋の植付
図1:
種芋の植付。
 畝を整え、植えつけて、黒のポリエチレンフィルムで覆う。3月末〜4月上旬に、芽がフィルムを押し上げるので、その部分を指でを破って小穴を開ける。この芽出し作業が遅れると、フィルムの下で芽が焼けて枯れる。しかし、早過ぎるとフィルムから出した芽は晩霜に弱いので凍えて枯れてしまう。その土地の気候を良く知り、穴を開ける日を慎重に選ぶ。
種芋の切り分け 植付間隔は30cm 皮面を上に、種芋の2〜3倍の深さへ植える
図2:切り分け後の種芋。 図3:30p間隔に印を付ける。 図4:種芋の3倍の深さ。

種芋の準備(図2)。種芋は、大きさや芽数によって4〜6個に切り分ける。芽・茎の栄養源となる芋が大き過ぎ同時に芽数も多過ぎると、立ち上がる茎の数が多くなり、小さな芋ばかりに実る。切り口には木・藁灰をまぶすが、切り口を乾燥させる方法もあるという。

植付間隔は正確に(図3)。畝の幅や高さが違えば1株の根が利用できる土の量が変わるので、植付間隔も違ってくる。しかし、地上の茎葉が陽光を受ける適度の空間が必要なので、広く高い畝だからといって2列に植えたり、間隔を狭めたりするのは良くない。畝幅1m・畝高30cmで間隔は30cm、これをを標準にすると良い。

 植付の深さは種芋の高さの3倍、皮や芽を上向きに(図4)。当地、神戸西郊の場合、早い目(2月10〜20日)に植える場合は、やや深く植える。早植えすれば、芽が上がってくるのが早く、フィルムからの芽出しも早まる。その結果、晩霜でせっかくの芽が枯れることが多いので、再生を地中の茎の生き残りに託している

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110226a 種芋植付
ジャガイモの植付(児童、'11年02月26日)
(c)2011, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)

図1:
ジャガイモの植付(2011年)

 今年のジャガイモの植付は、ちょっと寂しい人数でした。

 児童館の子供たちが来たのですが、最近は習い事に通う子が多く、全員が揃って行動するのが難しいそうです。

 少人数で「日常的に」圃場へ出入りする、そんな形態に変化させる必要があると感じています。保育園や小学校も含めて、そのキャンパスの一部のような場所に変化させる…これがここ2年の田園科学室の最重要目標になっています。

 皆様のご協力をお願いいたします。

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080318a 種芋植付
ジャガイモの植付(保育園児、'08年03月18日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)
植付風景
図1:今年は全部で9畝(うね)。例年2月10〜25日ごろと
決めて植付を行っていますが、今年は天気や風邪…のせい
でうんと遅くなってしまいました。雨を含んだ土を強引に耕し
て植えると、品質の悪い芋ばかりになって、全てが徒労に終
わる…過去の経験に学んでじいいっと好機を待ったのです。

 予定では2月上旬、遅くとも2月下旬には植え終わる予定でした。ところが、2月は雨の日が多く、数少ない好機には風邪で園児の前に出られず…植付がどんどん遅れてしまいました。

 体験から、雨後に強引に耕した場合、ジャガイモの品質が悪く、商品にならないものがほとんどを占めることを知っているので、辛抱に辛抱を重ねて好機を待ちました。

 ようやく訪れた好機の1つは3月初旬。ここで大部分の植付を終わり、園児に植えてもらえる日を待ちました。そして…例年より約1か月遅れて全畝を植え終わったのです。

植付風景 植付風景
図2:植付け風景。
1つの畝に30p間隔で植付けました。
なお、1畝の長さは約50m。
図3:植え損ないのないように。植える
場所に予め割箸を立てておき、植えた場
所の箸は倒しました。

 この日、保育園では22日の卒園式を控え、式の練習やお別れ会の練習があって、園児は大忙し。早くおやつを食べ終わった組から順に畑へやって来て、植え終わったグループから園にもどる形で無事植付を終了。

 でも、これで終わりではなく、「ジャガイモからデンプンをとる実験」「ジャガイモ料理(くず湯・グラタン)」が翌日まわしになっています。「卒園ぎりぎりまでの大忙し」は案外印象的かもね…と良いように解釈してこの日の行事を終わりました。


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060611a 収穫
ジャガイモ(メークイン)の収穫(児童、'06年06月11日)
(c)2006, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)
まずは茎を取り除きます
図1:
茎葉を刈り取る。
次に茎を引き抜きます
図2:
マルチングを剥がし茎を引抜く。

 先ずは茎葉を取り除きます(図1)。収穫は、茎が腰折れ状態(J字状)になり、葉の黄変(少なくとも最下葉が黄変)が見られる状態になったら開始できます。

 茎を鎌などで切り取り、マルチングをはがします。一度に全域を切り取ったり剥がしたりすると芋が強い日光を受けてしまい、後日緑変することになります。2時間日に当ててしまったら、後で緑変して苦味(毒性)が増すと思って間違いありません。

 なお、収穫後のジャガイモも、日光・人工光を問わず光が禁忌。冷暗所の風通しを良く保って保存しましょう。

 また、緑化した芋は、緑が見えなくなるまで皮を厚く剥けば苦味(毒性)はなくなります。収穫時あまりにも緑化が進んだ芋、また緑化したり芽吹いた小型芋は畑に置き去りにしましょう。


次に茎を引き抜きます(図2)。マルチングを剥がし、茎数本全部を両手で握り、真上へ引き抜くと、芋がいくつか付いてきます。

 しかし、品種がメークインの場合は、男爵や北あかりの場合のようにほぼ全部が茎に付いて持ち上がることはありません。ウネの各所に細い腕を伸ばして芋をつけるからです。真下はもちろんウネの両肩もよく探って、芋を残さないように注意しましょう。


1株の芋の量
図3:
メークイン、1株分。

1株の芋の量(図3)。農家が採算に合う栽培をするには、「1株当り800g以上」を目標にします。

 長く置いて収穫を遅らせれば収穫量は急増して2kgを超えますがメークインの場合は芋に鈍端角状の突起が出てきてお店で見る生姜のような状態になります。

 食べるには何の支障もありませんが良い商品になりません。写真ぐらいの中玉が揃って出るぐらいが最も良いと思います。

自分で育てたので喜びは格別です
図4:
どうですか、この笑顔!
図5:

 自分で植え、育てたので喜びは格別です(図4)。寒い寒い2月に植え付けをして、マルチをして、ここまで待ちました。

 無農薬なので虫が、付近や土にいっぱいいて、怖がったり嫌がったりする子もいましたが、やっぱり最後は笑顔になってしまいます

 どうですか、この笑顔(図5)。このあと、場所を移動、メークインと男爵の「花の色や模様違い」「芋の付きかたの違い」「料理法のちがい」なども学習しましたね。

 それから「どんな芋に苦味(毒性)があるのか」、「どう料理して苦味(毒性)除くのか」、「上手な保存の方法」、なども学習しましたね。質問してくれた子もいましたね。

 来年は巨大玉葱を作るのだぞ!って約束して別れました。楽しかったです、とっても。

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070604a 収穫
ジャガイモの収穫、子供たち25人が…(児童、'07年06月04日)
(c)2007, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)
児童25人が
図1:
25人の援軍。

 '07年6月4日(月曜)は、予定表を見るのがこわいぐらい、忙しい一日でした。午前6時に起きて、すぐに田植の準備、苗を苗代から上げて、植付する田圃の水の深さを調節して、田植機を整備して田圃へ運んで、苗を運んで、子供たち(園児)を迎えてお話をして、一緒に田植をして、あとかたづけをして、昼ごはんのあとジャガイモ掘りをして、倉庫に入れて、ジャガイモ畑をトラクターで耕して、周囲の草を刈って、畔の枯れ草を焼いて、水を張って…。

 おじさんとおばさん2人でどうがんばっても、夜の12時までかかるだろうな…と思っていました。幼い子供たち(園児)との田植を終わるまでは元気一杯だったのですが、お昼ご飯を食べた後、それからの作業のことを思うと、「今日のうちに全部を済ませるのは無理かもしれない」と弱気になってしまいました。でも作業をしないと、ジャガイモのあとに稲を植えられませんから、「ああ、どうしょう!どうしよう!」と、とても困っていました。

 ところが…ジャガイモ畑には、何と!児童館の子供たち(児童)がワンサカ!25人!それと児童館の先生たちも!みんなでおじさんとおばさんのジャガイモ掘りを助けに来てくれたのです!皆の力で、「信じられない!」超スピードでジャガイモを掘っていきます。すごい!すごい!2時間で作業は全部終わってしまいました。皆が掘ってくれている間に、おじさんは次の作業、草刈・枯れ草焼きをすることができました。草を刈りながら、おじさんは「涙が出て」きてしまいました。そこへ枯れ草焼きの煙が浸みて、もう涙がとまらなくなりました。

 全部の作業が終わったのは夜の9時でした。予定より3時間以上も早く終わったのです!ジャワーを浴びて、そのあと飲んだビールの美味しかったこと、美味しかったこと!良い事のあった日のビールは美味しいのですが、この日のビールはいつもの25倍以上美味しかったです。皆さん、ありがとう!ありがとう!助けてくれてありがとう!


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080602a 収穫
ジャガイモ(メークイン)の収穫(保育園児'08年03月18日)
(c)2008, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan (田園科学室)
ジャガイモの収穫 園児、ジャガイモの収穫
図1:収穫、メークイン、1株。 図2:小さな力も集まればすごい。あっという間に終了。

 ジャガイモ(メークイン)の収穫(図1)。長く伸びた匐枝(ふくし)の先に塊茎(かいけい=芋)が付くのがこの品種の特徴です。掘り残しがないかどうか、子供たちに確かめさせる・・・この宝探しが子供にはたまらなく楽しいようです。

 一斉に芋掘り(図2)。この日の参加は約40人。このジャガイモ畑はこの日のうちに全面が耕運され、田植の準備が整いました。翌日には代掻き、週末には田植となります。

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