交わしていない約束
ザザザァ ザザザァ
静かな港のほとりで、釣り糸を垂らす。
風に流され、僅かな波の音だけが耳に聞こえていた。
つい最近まで続いていた帝国と解放軍の争いが嘘のように長閑な風景が広がる中で、
その解放軍でかつて戦っていたヤム・クーはノンビリと釣りをしていた。
湖の向こう端には、かつて解放軍の本拠地であったジャスティ城が見える。
青い空の下に建つ白い城を眺め時々思う、「彼」は今どうしているのだろうか、と。
「ヤムはこの戦いが終わったらどうするつもりだい?」
どういった流れかは覚えていない、ただ戦いの中一時だけの長閑な時間に
のんびり湖を眺めていると、同じように湖を眺めていた解放軍のリーダーが聞いてきた。
「どう、て。オウカさんこそ、どうするつもりですかい?」
愚問だ、この戦いが終わり勝利すればオウカ・マクドールの地位は容易に察しが付く。
「僕か?僕は……。」
逆に尋ねられたオウカは少し迷い、辺りを見回すと誰もいないことを確認すると、
悪戯っ子のような顔をみせた。
「本当は内緒にしておくつもりだったけど、ヤムには教えてあげよう。」
珍しい子供らしい表情をして声を潜めて言うオウカに、自然とヤムも耳を寄せる。
「俺ね、旅に出ようと思ってんだ。」
聞き慣れない口調とその発言に、少し驚いた。
「旅、ですか?」
うんと頷きオウカは続ける。
「本当は誰にも言うつもりなかったんだけどね、色々考えたいこともあるし。」
再び子供らしい表情は消え、どこか大人びた笑みを浮かべた。
「一人で行くつもりなんですかい?」
「そのつもりだよ。」
彼らしい答えに納得しながらも、ヤムは苦笑しながら意見する。
「グレミオさんは絶対付いてきそうですよ。」
その言葉に、オウカはう〜んと唸るような顔になった。
「僕もそう思う、でも駄目、付いてこさせない。」
「何でです?」
再びオウカは答えることに迷いを見せる。
「だってもう後はないんだよ。」
どこか沈んだ顔で言ったオウカに、ヤムは自分が不味いこと言ったことに気づき、
自責の念を感じた。
彼の付き人が蘇ったのはつい最近、最終決戦も目の前まで来ている。
オウカの合図があがれば、最後の戦いが始まるのだ。
「グレミオは僕のためなら何だってやるから、僕はそれに甘えちゃうし、
グレミオを甘えさせちゃうんだよ。」
あの時、無理にでも置いていけば彼は死ななかっただろう。
リーダーとしての判断よりオウカとしての甘えを許してしまったことに対する自責の念は
今も消えない。
戦いの中で友を失い、憧憬する者を失い、尊敬する者を失った。
108星であるグレミオは蘇ったが、108星だったからでしかない、それだけの差なのだ。
「だからグレミオは子離れ、僕は親離れするためにも、連れて行かない。」
彼は既に親離れしているような気もするが。
「多分無理っぽいですがね。」
あの従者は、主人に何を言われても強引に付いてくるだろう。
主人に対する意志の強さは、主人以上かもしれない。
「やっぱりそうなのかなあ。」
薄々感じていることなのだろう、オウカは困ったような顔をした。
解放軍を率いる勇ましいリーダーと違い、どこか情けない表情のオウカに、
ヤムは思わず笑みを浮かべる。
「ま、旅をすること自体は良いと思いますよ。」
「だろ。」
賛同を得られ、得意げな顔をするオウカ。
「それで、ヤムの方は?」
自分は答えたのだからとばかりに、振り出しに戻った。
「俺は、のんびり釣りでもしますよ。」
あくせく動きまくるのも悪くはないが、のんびりと釣りをする方が
自分の性にはあっている。
「良いねえ。」
楽しそうだとオウカは言った。
「でしょ。」
オウカと同じように、ヤムは同じように得意げな顔をした。
「旅が終わってからどうです?」
旅の話を聞きながら、釣りというのも悪くない。
オウカは再び迷いを見せた。
「あんまり守れる気がしないなあ。」
戻ってくるまで踏ん切りが付けるかどうかの問題がある。
「大丈夫ですよ、気まぐれには慣れてます。」
だてにあの兄貴と一緒にいない。
「流石兄弟。」
それじゃあのんびりと待っていてもらおうかな、と言ったオウカに、
のんびりと釣りをしながら待ちますよ、とヤムが返す。
「あ〜タイ・ホーが羨ましい。」
僕もヤムがほしい、と言うオウカに
「それは無理ですよ、兄貴は俺がしっかりしておかないと、
危なっかしくてしょうがねえんです。」
そう言ったヤムの台詞にオウカは笑った。
「でも、すこし悪戯するぐらいは許して欲しいね。」
「ほどほどにしてください。」
フォローするのは自分なのだから。
そして戦いは終わりを迎えた。
ザザザァ ザザザァ
波の音を耳にしながら、ノンビリとした時を過ごす。
戦いの後、彼は旅だった。
予想通り彼の従者も後を追っていった。
見つからなくても彼は追いかけ続けるだろう、そして一緒に旅をする
はめになっているのだろう。
そう予想して、小さく笑った。
オウカと釣りをするときまでには、自慢できるような大物を釣りたいと思うヤムだった。
ザパー(砂吐き)
すいませ〜ん、ちりとりと箒ないですか〜?
ナニコレ?
口調分からないし、キャラ違うし、時間の流れ的に矛盾してるし。
ダメダメ〜。
ギャグがないから辛いってどうよ。
んでもって、ヤム×坊ちゃん考えた方がギャグ強いてどうよ!
書くかどうかはともかく、己の発想が不安だわ。