test13

 

「全員、起きろ!」

「起きないと、骸骨と添い寝だぜ〜。」

珍しく大声をあげる夏樹と、相変わらず呑気なディルスの声に、レスタ達は目を覚ます。

「何だよ、まだ6時じゃねえか。」

朝日が登り始めているのを横目に、もう一度、ベッドに入り直そうとするレスタに、夏樹の蹴りが入る。

「起きろと言ったはずだ。」

「はい。」

朝も早くからたたき起こされた面々の締まりのない顔を眺めると、夏樹は口を開いた。

「寝ぼけた頭を叩き起こして、よく聞け、お前達の教官曰く、今度のクエストで、

夏期特別講習は終了だ。」

「え、まじ!」

「やったー!!」

思わず声を上げるメンバーを無視するように、夏樹は続けて言う。

「最後のクエストは、その教官を見つけ出すことだ。」

「「「「「へ?」」」」」

その台詞に、今度は間抜けな声を出して、五人は目の前の二人を見た。

「リュート教官はお前達が寝ている隙に逃亡、もとい旅だった、詳しいことはこれに

 書いている。」

ディルスはそう言って、一切れの紙を差し出す。

 

     生徒諸君、俺は今から旅立つ、場所はヒ・ミ・ツ。頑張って見つけ出してみろ、

そうすれば、お前らに得点と夏休みをやろう、ただし見つけれるまで休みは無し。

サボれば、減点だからな、見つけるついでに遊ぼうなんて思うなよ。でわ、健闘を祈る。

R

 

「あの、これだけ?」

「これだけだ。ほら、さっさと準備しろ!こうしている間にも距離は生まれるぞ!!」

急かすような口調のディルスに、五人は慌てて身支度をした。

 

クエスト攻略

1・まずは情報収集から。

「問題は、教官がどの方角に行ったか、だよな。」

「村の人に聞いてみましょう、誰か目撃者がいるかもしれません。」

「あの教官のことだから、道の途中で方向、変えているかもしれなわよ。」

「無いよりまっしだ、行こうぜ。」

「分かった。」

とりあえず、五人は村中の人々に聞いて回った。

「誰も知らないなんて、どうやって抜け出したのかしら。」

「どうしろってんだよ、これじゃあ!」

手がかりなしで、レスタがぼやく。

「あの、まだ聞いていない人がいました。」

思い出したようにデパスが言った

「え、だって村の人全員。」

「いえ、まだいます。」

デパスが向かった先は・・・。

「あの、教官が何処に行ったか知りませんでしょうか?」

「あいつなら、昨日、毒回復の薬、大量に持っていったから、枯れ沼の森にでも行った

んじゃねえ。」

呑気に茶を啜る夏樹とディルスにデパスが聞くと、ディルスがそう返す。

「つーか、知ってんなら、最初に言えよ!」

「聞かれなかったから言わなかっただけだ、注意力の問題だろ。」

サラリと言ってのける夏樹に、心の中で中指を突き立てるレスタ。

 

クエスト攻略

2・装備、道具補充

「とりあえず、僕たちも毒回復のアイテムが必要ですね。」

「薬草とかも補充しておいた方が良いわね。」

道具袋の中を確認しながら、相談する。

「ほれ、これが要るんだろ。」

そう言ってディルスが差し出したのは、クリオトラス学生割引書だった。

学園で行われるクエストでは、生徒達が買うアイテムについては、この割引書を持っていれば、生徒への値段は下がり、

差額は学園側が払うようになっている。

「僕達が此処に来なかったら渡さなかったつもりですか。」

「気づかないお前らのミスだ。」

そんなことを言われながら、五人は薬屋に向かった。

「毒消しは無いんですか!?」

「ああ、すまんねえ、今、町に取り寄せている所なんだよ、今日の夕方には来るだろうが、

 こんな田舎だから仕方ないんだ。」

申し訳なさそうに薬局の主人が告げる。

「困りましたねえ。」

「魔法だけじゃ、限界来るわよ、毒消しがないと困るわ。」

「タイミング良すぎだぜ、教官が買い占めたんじゃねえだろうな。」

ぼやくレスタに、店の主人が言った。

「ああ、教官さんにも言ったよ、そしたら知り合いに貰うから、良いと言ったけどね。」

「知り合い?」

沈黙後、全員が思いついたように顔を上げる。

「「「「「あ」」」」」

再び、レスタ達は夏樹の家に向かった。

「あの〜、毒消し薬持っていませんか?」

「あるぜ、金は取るけど。」

デパスの言葉に、ディルスはノホホンと応える。

「またかよ!あんた、この事知ってたんだろ!」

「聞かれなかったから答えなかっただけ〜。」

「っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」

「レスタ、落ち着く。」

血管が浮かび上がる拳をふるわせるレスタに白清が言った。

「ほれ、希望の数と割引書出せよ。」

言われたとおり、割引書を出し、手続きをしていく。

「まけろよ。」

「嫌です。」

「だって、値段が普通の薬局屋より高いぞ。」

「当然だろ、そこらの薬より効能が良いんだから。」

「もしかして、ディルスさんの手作り・・・・。」

「あたり、それ以外何があるんだよ。」

「保証書つけろ、安全面大丈夫なんだろうな、めっちゃ不安なんだけど。」

「良い度胸だ、お望み通りドキドキ感、味合わせられるようなやつにしてやろうか。」

バイザーの奥の目が光ったような気がした。

「いや、遠慮させていただきます。」

「賢明だな。」

レスタの言葉にそう言って、ディルスは毒消しと割引書を渡した。

 

クエスト攻略

3・地図で確認しながら、進んでいく。

「あ〜、これでようやく出発できる。」

村の出口に向かいながらセディールが言った。

「でも、先が長そうですね。」

デパスが地図で目的地を確認しながら言う。

「相手は教官だから、じっとしていることはあり得ないし、どれくらい続くのかしら。」

先を見据えたまま。ナーシスが呟いた。

「夏休み、いつになったら来る?」

それなりにつぶしてしまった夏休みの残りを考え、白清は言った。

「夏休みが無くなるなんて冗談じゃねえぜ、とっとと捕まえてやるさ。」

そう言ってレスタは戦闘を歩く。

 

夏休みは、近くて遠い。