test07

 

デパスの日記より抜粋―

第一課題クリア後、丸一日かけて各自報告書を制作、白清さんを除いては、全員の内容に

違いがあったは困るので、互いに見合わせながら作っていたので時間がかかりました。

ちなみに、リュート教官がしつこく頼んでくれたおかげで、

僕たちは夏樹さんの家に泊まっています(脅しも含まれていたような気がしましたが)。

明日には次の課題が言われるそうです、休む暇もありません。

 

 

「おはようございます。」

「うぃ〜す。」

そう言ってリビングにレスタとデパスが現れる。

「遅いぞ。」

「おはよ〜。」

「おはよう。」

リュート、セディール、ナーシスが、あいさつを返した。

テーブルの上には三人の朝食と手の着けられていない二人分の朝食。

「白清は?」

「夏樹引っ張り出して、修行中だ。」

「朝から元気だよなあ。」

リュートの答えに、コーヒーをすすりながらレスタが呟く。

「お前も見習え。」

「俺は剣術ですよ〜。」

「だったら貴様がやってやれ。」

二人の呑気な雰囲気に、冷めた声が入った。

夏樹と白清が、いつの間にか立っている。

「お疲れさん。」

「やっと起きてきたようだが、間に合うのか。」

「何とかなるでしょ。何だ、心配してくれてるのか?」

「とっとと課題クリアして、お帰り願いたいだけだ。」

そう言い捨てて、夏樹は奥へ入っていく。

「何処行?」

「風呂。」

白清の質問に一言で答えて消えていった。

「夏樹さんは、今日、何処へ行くか知っているんですか?」

何も聞かされていないレスタ達が、リュートの視線を向ける。

「次の課題は、雑用作業だ。まだ楽だから安心しろ。」

「一回目が、ああじゃあ、信用無いわよ。」

セディールの台詞を無視して、リュートは先を続ける。

「一旦、道を戻り、前回の村に戻る、そこから今度は北に行くと森がある、

 片方は、そこで薬草園の手伝いだ。」

「片方?」

「そ、もう片方は、ここに残って、この村の手伝い。

 どう分かれるかは、お前らの判断に任せる。」

「ここの村では何をするんですか?」

「色々、まあ、どっちに行っても疲労は同じだがね。」

そう言い終わると、コーヒーを啜った。

「どうします?」

「じゃんけんで決めるか?」

デパスの声に、レスタが拳を握りながら言う。

「それで、剣士、魔術師で偏ったら困りますよ。」

「あみだ。」

「変わらない。」

レスタの提案に、ナーシスがすぐに返す。

「それじゃあ、私とナーシスで、レスタとデパスで組めば、白清は私たちの方ね。」

「何で、そうなるんだよ?」

セディールの台詞に、勝手に決めるなと言いたげにレスタが聞いた。

「剣士と魔術師ちょうどわかれて良いじゃない、男にしかできない仕事があったら

 困るから、もしもの為に白清はこっちよ。」

「確かに、理にかなっているかもしれないな。」

珍しく、ナーシスも同意を示し、チーム編成は一応決定する。

「それじゃあ、どちらが、どっちに行くかですが・・・。」

「私たちが残る〜。」

「ざけんな!何勝手に決めてんだよ、公平にじゃんけんだ、じゃんけん!」

「あんた、じゃんけん好きねえ、良いじゃない、か弱い乙女に、また旅させる気?

 男なら体力あるから、移動ぐらい大丈夫でしょ。」

「戦闘のたんびに攻撃魔法ぶっ放している奴の、どこがか弱いって〜?

 ふざけんな。」

「何よ、ケチ!」

「誰がケチだ!」

「はいはい、ケンカしないでください、ここはレスタさんの言うとおり、

公平に、じゃんけんで決めましょう。」

デパスが間に入り、そう言うと、セディールもしぶしぶながら従った。

「頑張ってね、白清。」

「我!?」

いきなり振られた白清が慌てる。

どっちでも、なんでも良いから早く決めてほしいナーシスはその様子を見、ため息をつく。

「おら、さっさとしろ。」

「解。」

「一回勝負ですからね。」

デパスがそう言うと、二人は深呼吸して一拍置く。

「せーの、最初はグー!じゃんけんほい!」

レスタチョキ、白清、グー

「やった〜、私たちの勝ち!」

「くっそ〜!!」

オーバーアクションで悔しがるレスタと喜ぶセディール。

「教官、決まりました。」

それを無視し、ナーシスが知らせる。

「おう、俺は薬草園に行く奴について行く、ここの事は夏樹に頼んでるから、

 さぼるんじゃねえぞ。」

「何で俺が教官の真似ごとをせねばならない。」

いつの間にかあがっていた夏樹が言うが、リュートの耳は筒状になり聞き流していた。

「なんか届けもんとかあるか?」

話題を強制的に変えて、リュートが聞く。

「そこの封筒もっていけ、どうせお前にも必要なやつだ。」

「お、サンキュー。」

夏樹が視線で示した封筒を抱え、リュートは立ち上がる。

「んじゃ、お前らさっさと荷物もって村の入り口に集まれよ。

 後のこと、よろしく♪」

そう言って、リュートは外に出て行った。

レスタとデパスは一度部屋に戻ると、同じように出て行った。

それを見届けてから、夏樹が口を開く。

「汚れても良い、身軽な服装に着替えてこい、重装備はいらんが、護身程度で装備が

 あるならしていろ。」

「え〜、さっそく仕事すんの〜。」

「あたりまえだ、俺の家でのうのうと過ごせると思うな。」

「何行為用。」

「協会の中庭の草むしり。」

「・・・・・・。」

ナーシスが外に視線を向けると、さんさんと照りつける太陽の光が窓から入り込んでいた。

季節は夏。

雑用をするには、モンスターに気をつけることより、体調管理に気をつけなければならない。

除草作業を言い渡されてブーブーと文句をたれるセディールと、微妙に言葉に困る白清を見て、ナーシスはもう一度ため息をついた。

「(帽子がほしいな)」

と心に呟きながら。

 

ナーシスの日記より抜粋―

その後、夏樹氏に連れられ、村の協会へ行くと、そこは廃墟に近かった。

近々、孤児院になるらしいので、その準備の為、除草作業を行うらしい。

セディールが、ぶつぶつと文句を言い続けていたが、この暑い中、よくあれだけ口が動くものだ、

そのぶん手を動かしてほしいと思う。

それに比べ、白清は真面目だ、あの真面目が、おそらくこのメンバーで損な役回りにされられる理由だろ、

明日も、協会の修復作業らしい、魔物と戦うより、良いと思う。