入社以来、ずっと追いかけ続けて来た「君」の背中が
ある時、ふっと視界から消えてしまった。
手の届かない世界へ旅立とうとしている「君」を
素直に祝福する言葉が見つからないまま、
別れの時を迎える「僕」だったが……。




 今、近くまで来ている、少し出て来られないかと、君からメールがあった。
 僕は返事を返し、むりやり仕事にきりをつけて急ぎ足に会社を出る。静かな休日のオフィス街を抜け、大きな公園に出ると、春の陽射しのまぶしさに目が眩んだ。
 子供たちが駆け回る並木通りに、満開の桜がこぼれる。研修の頃、何度となくいっしょに弁当を食べた懐かしいベンチの傍で、君が手を振っていた。

「悪いな、仕事中に。家に電話したら、休日出勤だって涼子さんが言ってたから」
「わざわざ出て来てくれたのか?」
「まあ、買物やらもあったしな。それに、出発までに時間が取れる日っていったら、もう、今日しかなかったんだ」
 そうか、じゃあ、本当にこれでしばらくのお別れなんだな……そんな言葉を、わずかに胸を刺す寂しさと共にのみ込みながら、僕は久しぶりに会う友の顔を見つめる。
 サラリーマンをやめて、数ヶ月になる。のびた髪とざっくりとしたセーターが、精悍な印象を与え、むしろあの頃よりも君を大人に見せている。
 遠い国へ行ってしまう前から、君はすでに手の届かないところにいるように見える。続いて胸を刺した痛み、小さな羨望の痛みを、僕はひそかにやり過ごした。
「出発は、明後日…って、言ってたっけ?」
「うん。朝の便で発つ。前にも言ったけど、会社休んでまで見送りに来るなよ。お前だって今は、微妙な立場なんだからな」
 そうしたい気持を抑え、僕は素直にうなずく。僕だけに限らない。今、縮小の一途を辿る僕たちの会社では誰もが「微妙な立場」に違いなかった。
 いっそ君のように、さっさと転げ落ちてしまえた方がよほど、楽なのかも知れない。いや、だけど僕には君のように、自分の力だけを信じてひたすら前へ進んで行く強さなど、ない。
「来年の桜の頃にはまた、帰ってくるさ。だから、そんな顔をするな」
 咲き誇る花びらを見上げて君は言った。その物言いはまるで、幼子をあやすようで、なんだか、可笑しくなった。

 同期入社でここへ入った5年前から、僕はいつも君に頼ってばかりだった。おそろしく要領の悪い僕は、君の助けなしでは研修のスケジュールすらこなせなかったに違いない。
 ラグビー部出身、根っからの体育会系らしく面倒見の良い男だった君は、同い年だというのに、あまりにも頼りない僕のことを、要するに放ってはおけなかったのだろう。それぞれ違う部署に配属された後も、何度となく飲みに誘ってくれ、なかなか仕事が覚えられない僕に、根気強く様々なことを教えてくれた。
 涼子のことだってそうだ。まだ何も言わないうちから、いち早く僕の気持に気付いて、さりげなく仲を取り持ってくれたのが君だった。
 社内では「高嶺の花」だなんて言われてたひとつ年上の彼女と、同期の中ですらいつもお子様扱いされていた僕が結婚できたのは、どう考えても君のおかげた。
「そんなことはないぞ。あっちだって脈がありそうな雰囲気だったから、くっつけてやるのも面白いかなって思ったんだ。望みがなけりゃ、そんなことするもんか」
 そう、君は言ったけれど…。
 もしあの頃、彼女に「脈があった」とすれば、その相手は地味な僕などではなく、容姿も実績も際立っていた君の方だったに違いない。そして、君もまた彼女を好きだったんじゃないか…間抜けな僕は、そんなことに気付いたのだって、結婚してしまった後だった。
 僕たちが新婚旅行に発ってからしばらくの間、君が少しばかり「荒れていた」と、同期のひとりが教えてくれた。そう派手な荒れ方ではないが、明らかにいつもの君とは違ったと。
「あいつはきっと、恋よりも、おまえとの友情を取ったんだろうな」
 なんてことをしたり顔で言うそいつを、一瞬、殴り飛ばしてやりたくなったけれど、すべては後の祭りだった。あれから君は僕にそんな素振りすら見せたことはない。僕の方も何も聞けないまま、時がたってしまった。
 僕は結婚して2年になる。周りの連中もここ1年ばかりで、にわかに身を固め始めたけれど、君は未だに独身だ。だけど今、何も持たない君のその自由さが、力強く清々しい笑顔が、たまらなく羨ましく思えるのはどうしてだろう。
 僕が時間をかけて築き上げてきたものすべてが、君を前にするとにわかに小さく色褪せてしまう。そんな、やるせない思いは、君が会社を辞めてから、いっそう強くなったような気がする。

 君が買ってきてくれた缶コーヒーを受け取り、ベンチに腰かけて春霞の空を見上げる。この同じ場所で、仕事の厳しさを愚痴り合ったことも、新入社員の勤めだなんて言われて、徹夜で花見の場所取りをしたことも、今では遠い思い出だった。
 あれから5年。僕はどうにかここまで歩いてきた。不器用さや要領の悪さは相変わらずだったが、とにかく丁寧に、確実に仕事をこなすことを心がけ、決して数多くはないけれど、信用してくれる人も社内外に得た。
 理解のある上司に、こんな僕を頼りにしてくれる後輩もでき、ここ数年でようやく、僕は自分の居場所を見つけることができたような気がしている。それは目立つ場所ではないが、ささやかながらも胸を張って立っていられる、自分の身の丈に合った立ち位置だった。
 君はいつも、そんな僕の遠く先にいた。業績も人望もピカいちで、いつの間にやら先輩たちも追い越し、風を切ってトップを走り始めた君は本当にまぶしく、いつだって僕のヒーローだった。
 追いつくことは無理にしても、せめて君の背中が見える場所にいたいと思った。君を失望させるような仕事ぶりだけは見せたくない。そんな思いだけが、根性なしの僕を、今まで頑張らせてきた。
 だから、僕はどうしようもなく混乱し、途方に暮れたのだ。その背中が不意に視界から消えた時…。






 新しく赴任してきた上司に、君がずい分と疎まれていることを知ったのは、1年ほど前のことだ。
 「出る杭は打たれる」なんて嫌な言葉だけれど、この社会においてはいまだ、往々にしてあることだ。
 仕事も出来ないくせに処世術にばかり長け、自分の身を守ることだけに汲々としていたその上司にとって、君のような男は、じゅうぶん、目の上のタンコブになり得る存在だった。
 君はもともと正義感が強く、良いことは良い、悪いことは悪いとはっきり言う。相手が誰であろうと、その正しい判断でやり込めてしまうことすらある。
 そんな君の潔い姿勢が好きな僕だったけれど、今度ばかりは彼とやり合う君の姿を目にして、何度肝を冷やしたかしれない。
 自分の力を過信しているわけじゃない。結果がどうなろうと、そんなふうにしか生きられないのが君という人間だった。完全無欠に思えた君の、それは唯一のウィークポイントと言えたかも知れない。
 まさかそれが命取りになるとは、僕も、そして周りの誰も、思いもしなかったけれど。

 僕たちの会社にも不景気の波が押し寄せ、人員の削減が始まったとき、解雇対象としてその上司が真っ先に挙げたのは、君の名前だった。信じられないことに、その意見は現場を知らない上層部によってあっさり通ってしまい、君は自主退職を勧告された。
「断れば出向だのなんだの、結局辞めるしかない方向に持ってかれるんだろうしな。もうごちゃごちゃ言わず辞めることにしたよ」
 真っ直ぐ前を向いたまま、淡々と言った君の瞳に、怒りとも絶望とのつかない色が浮かんでいたのを、忘れることができない。自分のことのように悔しかった。
 彼のような人間が辞めさせられるなんて、こんな理不尽な話があるもんか。その日から僕は、君を助けようと動き始めた。直属の上司や、同期の仲間達、これまで培ってきたささやかな人脈に、必死に働きかけた。
 これまで何度となく僕の力になってくれた君に、できるだけのことをしてあげたかった。何よりも、ずっと君と同じ職場にいたかった。君がいなくなれば、僕は何を目指せば良いかわからなくなってしまうと思ったから。
 だけど、こんな時代に誰が君を助けることができただろう。最後には「これ以上動くとおまえの立場まで危うくなる」と上司に諭され、結局、僕は口をつぐむしかなくなった。
 こんな時にすら、僕は君の力になれない。自分の無力さが、悔しくてならなかった。
 だから、なおのこと、ショックだったのかも知れない。アメリカの大学院に留学するという君の決意を聞いた時。

 それが、昔からの夢だったのだと君は言った。「いい機会だから、行って来る。本場のビジネスをしっかり学んで、帰って来たら会社を作ろうと思うんだ」
 そう語る君の瞳が、何もかも吹っ切れたように生き生きと輝いているのを、僕は複雑な気持で見つめた。
 僕が君の身を案じて、狭い会社の中で走り回っていた時、君の目はすでに、もっと広い世界へと向いていたのだ。君の選択は「逃げ」ではない。君なら絶対に夢を叶えるだろう。それが痛いほどわかっているだけに、切なくて…。
 自分の卑小さを、力の無さを、あらためて思い知らされた気持だった。
「俺のために、いろいろ動いてくれたって聞いてる。ありがとな」
 無口になった僕に、君は優しく言った。その言葉が、わずかな救いになりはしたものの……。

 それからずっと、僕たちは会うことがなかった。渡米の準備に追われる君の毎日は目まぐるしく忙しいものだったようだし、僕自身もことさらに仕事にのめり込むようになっていた。
 いや、昔ならどんなに忙しくても、君と会う時間なら、絶対に空けていたに違いないのだ。会いたい気持と、顔を合わせたくない気持が半々になって、僕をなんとなく君から遠ざけていた。
 僕は、心底羨んでいた。君の自由さを。僕には妻がいて、半年前に子供も生まれていた。守らなければならない家族がいて、これまで積み重ねてきたささやかな実績もある。
 何かを手にしているということは、何かに縛られていることに他ならないのだと、君の鮮やかな身の処し方を見て、痛感せずにはいられなかった。
 でも、だからと言って、すべてを自ら捨て去ることなど僕にはできない。自分の力だけを信じて、すべてをゼロからやりなおせるほど、僕は強くはなれない。そう、君のように…。
 僕も結局、あの嫌な君の上司と同じようなものだ。会えば君をやっかみ、ひがんでしまうだろう。そんな醜い自分に気付いてしまうことが怖かった。
 本当は、そんな恐れなど、花吹雪の中で手を振る君の姿を見たとたん、陽だまりの中に溶けてしまっていたのかも知れないけれど。






 今、君は、降りしきる桜吹雪の中、言葉少なに僕の隣で缶コーヒーを飲んでいる。
 忙しい中、こうやって僕のために時間を割いてくれているのだ。何か言わなくては…。君の前途を祝福する言葉を、言ってあげなくてはと思うのだけれど、言葉が出てこない。
 何を言っても、嘘っぽく聞こえてしまいそうで。
 不意に、君が口を開いた。
「本当は……行きたくないんだ」
 え…? と僕は驚いて君を見る。
「アメリカになんか、行きたくない」
 聞き間違いか、何かの冗談かと思う。だけど君は真顔だった。
「ずっと、ここにいたかった。遠からず結婚して、お前と互いに子供自慢なんかしてさ。年を取ったら、こんどは孫自慢でもして、定年までずっと、この会社でお前と一緒に働きたかった」
 そして君は、真っ直ぐに僕を見て、言った。
「俺は…お前が、羨ましい――。ひとつところで、きちんと地に足をつけて生きて行けるお前が、本当は、羨ましくて仕方ないんだ」
 信じられない言葉が、胸を打つ。呆然と君を見つめたままの僕に、照れたように笑いかけようとしたその瞳に、不意に、涙が浮かんだ。
 さすがに君は慌てたようだった。「悪い…」と小さくつぶやいて、立ち上がる。
 こんな君を見るのは、初めてだ。

「な…何、言ってんだよ!」
 わけも分らず僕は立ち上がり、叫んでいた。
「お前はこんなところに定年までいる男じゃないだろ? こんな狭いところで、上司にやっかまれながら、本当の力も出せずに終わってしまうような男じゃない!! お前は俺の、ヒーローなんだ。頼むから、今さら弱音を吐かないでくれ、笑って旅立ってくれよ。お前には、それだけの力があるんだから」
 後で思い出せば、赤面してしまうようなその言葉。だけど僕は必死だった。これが僕の、本当の気持、本当の言葉だった。
 その言葉は本当に、君の胸に届いたのだろうか。君はうつむいたまま、小さな声で言った。
「そうだな――ありがとう…」
 言った先から声が震え、涙が落ちる。僕は途方に暮れ、「泣くなよ…」とつぶやく。
 君が顔を上げ、きちんと笑えるようになるまで、それから数分も待たなくてはならなかった。

「すまなかったな。おかしなとこ、見せちまって…」
 すっかり落ち着いた君は、笑って言った。一点の曇りもない笑顔。それでこそ君だ。僕は安心して、言葉を返した。
「なんか…すごい置き土産をもらっちまったような…」
 「そう来たか…」と君は照れたように再び笑う。
「俺は、お前が思ってるような男じゃない。意外に弱虫だってことが、ばれちまったな。でも…なんていうか…おかげで、吹っ切れたような気がする」
 そして君は真剣な顔で僕を真っ直ぐ見て、再び「ありがとう」と言い、僕を訳もなくどきりとさせる。
 吹っ切れたのは、僕も同じかも知れなかった。明日からまた始まる同じ日々が、愛しく、意味のあるものに思えてくる。
 遠い空の下、君もまた、心細さと戦いながら日々を生きてゆくのだと信じることができるから。

 君はふと、僕の隣に置いてある仕事用のカバンに目をやり、言った。
「もう、仕事は終わったんだろ? 車で来てるから、家まで送ってやるよ」
 僕は首を横に振る。
「いや、かまわない。電車で帰るよ」
 できれば、この満開の桜の花びらの下で、君に別れを告げたかった。
 この花には、別れの寂しさを新しい旅立ちへの祝祭に変えてしまう力があると、ふと思う。そんな風にして僕らは、時が自分たちを運んでゆく心細さを、はなやいだ気持に変えて、何度となくこの季節を乗り切ってきたのだ。
 君も同じような思いらしく、多くをたずねることなく、ただ、うなずいた。そして、傍らのリュックを肩にかけ、じゃあ、と立ち上がる。僕はにわかに慌てた。
 いい忘れたこと、聞かなければならなかったことは、ないだろうか。そんな思いが僕に、深く考えることなく口を開かせる。

「涼子に…きちんと別れは言ったのか? 電話で話したとき…」
「涼子さんに……?」
 こちらを向いた彼の表情が、きょとんとした色を浮かべたまま、固まる。心底わけがわからないといった様子に、僕はますます慌てた。
「いや…だって…君は、涼子のことを……。僕はずっと気にしてたんだぞ。君に悪いことしちまったんじゃないかと思って」
「俺が涼子さんを…って、いったいどこからそんな話が出てきたんだ」
 問い返す君の瞳にやましい色はなく、どうやら本心を隠しているわけではなさそうだった。僕は、自分達が結婚してから君がしばらく荒れていたという同僚の話を、君に聞かせざるをえなくなった。
「そういうことか…」君は、納得したようにうなずく。
「俺があの時荒れてたとすれば、他に理由があったんだ。涼子さんを好きだったからじゃない。俺が好きだったとすれば、それはたぶん…」
 そう言って君は、さりげなく言葉を切り、僕を見た。表情の読めないその瞳に、わけもなく胸が揺らぐ。やがて君は、唇の端に微かな苦笑を浮かべ、僕の頭をぽんと叩いた。
「まあ、いいや…」
 わけがわからず立ち尽くす僕に、「元気でな」と笑顔を見せ、君はリュックを肩にひっかけて歩き出す。

 ずっと追いかけ続けて来た友の背中が、花吹雪の中、下り坂の向こうに、消えた。






 家に帰ると、半年になる娘が、ハイハイで僕を出迎えた。その後を涼子が慌てて追ってくる。
「…さんに会えた? 昼頃電話がかかってきたけど」
 娘を抱き上げ、靴を脱ぐ僕に、彼女はたずねた。僕はうなずく。
「会社の近くの公園で会って、少し話した。車で送るって言われたけど、断った。彼もいろいろ忙しいだろうから……。っと…」
 ふと思いついて、僕は顔を上げる。
「来てもらった方が、良かったのかな。君もあいつに会いたかったんじゃないか?」
「私が? どうして?」
 きょとんとした表情を浮かべて、彼女が尋ね返す。それは公園で涼子のことをきいたときの君と、そっくりな表情で、僕は間抜けな質問をしてしまったことを少し後悔した。
 だけど…えーい、こうなったら、恥じかきついでに全部はっきりさせてやる。 僕は言葉を重ねた。
「涼子は、あいつのことが好きなんだと思ってた。あいつも、君のことが好きで、君が僕と結婚したのは…その…恋よりも友情を取ったとか、そういうことなんじゃないかって…」
 言葉と共に、自然に視線が下に落ちた。あの時の同僚と同じような陳腐な言い草に、我ながら情けなくなる。案の定、涼子は遠慮も何もなく笑い出した。
「あなた今までずっと、そんな風に思ってたの? そんなバカなこと、あるわけないじゃないの。そりゃあ、あの人が好きだって言う女の子はたくさんいたけど、私はずっとあなたの方が好きだったわよ。内緒にしてたけど、何とか取り持って欲しいって、あの人に頼んだのは、私の方だったんだから。彼だって私のことなんか何とも思ってなかった、保証するわ。彼が好きだったとすれば…それは、きっと…」
 公園での君と同じ物言い、同じ場所で言葉を切られ、僕は驚いて顔を上げた。だけど彼女はそれ以上何も言わず、謎のような笑顔を残したきり、娘を抱いてさっさとキッチンへ引っ込んでしまった。

 ここまで言われて何も気づかないほど、僕は間抜けじゃない。何もかも合点がいく気がした。君の涙、あの言葉、そして僕を見つめたあの表情…そういうことだったんだ。
 だけど、とんでもないことに気付いてしまったはずなのに、心は静かだった。
 今さらそんな事実に何の意味もない。僕は今日、君に長い別れを告げた。君はこれから遠い国で、僕と違うものを見て日々を暮らし、再び会う時には、まったく違う人間になっているだろう。君はもう二度と、僕の人生の中へは帰って来ない。
 それでいいんだ…と思う。

 スーツを脱ぎながら、ふと窓の外に目をやる。裏手にある小さな公園の片隅、ひょろ長い桜の木が、ささやかな花をつけていることに、僕は初めて気付いた。

END






このお話は、森山直太朗『さくら』の歌詞をモチーフにしたフィクションです。実在の人物・団体・事件などには一切関係ありません。


     さくら(独唱) by Naotaro Moriyama 
        作詞・作曲:森山直太朗:作詞:御徒町凧/編曲:中村太知
  
傑作撰 2001~2005(初回)

乾いた唄は魚の餌にちょうどいい
2003年3月発売の、森山直太朗2枚目のシングル。ノスタルジックなピアノの響き、清冽でひたむきな歌詞、力強く凛とした歌声が、旅立ちの季節を迎える人々の心をつかみ、大ヒットしました。
親友との別れは寂しいもの。新たな一歩を踏み出す足も、竦んでしまいそうになります。そんな時、咲き誇る桜の花は、別れを乗り越える力を与えてくれるのではないでしょうか。
この歌は2005年のベストアルバム『傑作選』にも収録。デビューミニアルバム『乾いた歌は魚の餌にちょうどいい』では『独唱』のルーツとなったバンド・バージョンを聴くことができます。




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