生まれてくるヒナの色を考えてカップリングするなら、個性によっては時間がかかるかもしれませんが、鳥どうしで相手を選ばせる場合は、それほど難しくないように思います。
仲のいいペアは、お互いに毛繕いをし合い、オスがメスに吐き戻したエサを与えます。発情を促すためエサに多めのカナリーシードを混ぜます。メスはエサ箱の下に潜り込んだりして、落ち着ける場所を探すようになりますので、頃合を見て巣箱を入れてやります。
以前仲のいいグループでコロニー繁殖を試してみたのですが、その中の1ペアが、発情すると急にテリトリーを主張しだして、グループの仲間に対し攻撃的になりました。原因はいろいろありましたが、この時期ばかりはサザナミインコも神経質になっていて、やや攻撃的な気がします。吐き戻し行動を頻繁に見るようになったら、そのペアを隔離した方が後々も落ち着いて巣引きができると思います。
さて巣箱の設置後は、初めにオスが入って中を点検した後に、メスを呼び入れます。細かい巣箱の調整はメスがしますが、オスとメスの両方で行う場合もあるようです。
巣箱を設置すると、頻繁に交尾を繰り返すようになります。鳥の交尾といえば、だいたい上がオス、下がメスになっての縦並びが多いと思いますが、サザナミインコの交尾は、オスとメスが横に並んで行います。見た感じ、お互い抱き合うような格好になります。
一般的なスタイル 縦に並びます サザナミのスタイル 横に並びます
オスはメスの毛繕いをしながら、相手のモモや足をゆるく噛んで、メスに足を浮かせるよう催促します。少し浮いたところへ下から頭を滑り込ませ、交尾体勢をとります。メスにその気がないのに続けて噛んでしまい、怒られてしまうオスもいます。仲のいいペアのカゴから小競り合いの声が聞こえたら、たいていこれが原因だったりします。逆に、メスの中にはオスへの毛繕いを続けながら、自分で足を浮かせる仕草をするものもいます。
交尾はメスへの毛繕いからはじまりオスのリードがポイントかと思います。しっかりしたオスと組ますと、メスの発情が遅れていても、スムーズに素引きへ進んでいるように感じます。
サザナミの卵