中学校の教科「職業」について
はじめに
新制中学校の教科は、占領下の昭和22年「学校教育法施行規則」によって必修教科
と選択教科とに分けられ、前者は国語・社会・数学・理科・音楽・図画工作・体育およ
び職業を基準とし、後者は外国語・習字・職業および自由研究を基準とすることと定め
られ、さらに教科課程・教科内容およびその取り扱いについては、「学習指導要領」の
基準によることと定められた。文部省(現文部科学省)はその基準となるべき学習指導
要領一般編を昭和22年3月に発表し、引き続き各教科編を発表した。
中学校における職業教育
新たに義務教育となった中学校の教育目標には「社会に必要な職業についての基礎的
な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養う
こと。」が明記されている。そこで中学校に新たに「職業科」が設けられ、農業・商業
・水産・工業・家庭がおのおの一科目としてその中に置かれ、生徒はそのうち一科目ま
たは数科目を学習することになっていた。授業時数は、週当たり、必修教科としての職
業科は4時間、選択教科としての職業科は1〜4時間であった。その後昭和24年12
月局長通達で、職業科は「職業・家庭科」に改められ、その内容は、農・工・商等の枠
をはずし、実生活に役だつ仕事を中心として構成されることとなったのである。授業時
数は、必修・選択とも、週当たり3〜4時間であった。
職業教育の改善
さて、中学校における職業教育に関しては、中学校の「職業・家庭科」は、昭和33
年「技術・家庭科」と改称されその内容は、「男子向き」と「女子向き」の二系列に分
かれ、前者は技術的内容、後者は家庭的内容を中心とするものとされ、授業時数は、
週当たり3時間になり現在に至っている。
まとめ
以上より、中学校において「職業」という科目が存在していたのは、昭和22年から
昭和33年頃までであると理解しても大きな間違いではないと思います。高等学校等へ
の進学率が高くなったこともあり、21世紀を迎えた今、職業科目を教えている中学校
は皆無に近いのではないでしょうか?
しかしながら、教育職員免許法第4条5項には、「職業」は今も存在します。そして、
教育職員免許法施行法によって得られる免許状も当然、今も有効な中学校教諭普通
免許状なのです。
教育職員免許法第6条別表第4を根拠に、他の教科(例えば、国語や数学)の免許状
を取得する為の基礎免許状として活用することが出来ますから、けっして「持っていて
も無意味な免許状」ではないのです。