胎児標本問題:厚労省要請行動(参考:胎児標本問題の推移



胎児標本処分先送り(2006年2月17日 朝日新聞)

 国立ハンセン病療養所など6施設に100体を超える胎児らの標本が保管されていた問題で、
子供を堕胎させられたと訴えている遺族ら6人が17日、厚生労働省に対し、
焼却や埋葬・供養などの決定を急がず、詳細な調査をするように求める要望書を出した。
同省は、各施設に05年度中に焼却や埋葬などを行う考えを通知していたが、
これを撤回して、年度内の決定はしない方針を遺族らに伝えた。


TBSニュース23(2006年3月17日)                    
社会3248265
Real255 Media255 Real Media

ハンセン病胎児標本、遺族らが国に要望

 全国のハンセン病療養所にホルマリン漬けの胎児の標本が保存されている問題です。胎児の遺族らは17日、当事者の意向に沿った供養を行うよう、国に直接要望しました。

 「国が私たちの子供を奪い取って殺してやったことだから、あくまで(胎児を)大事にして最後まで見てほしいんです」(ハンセン病回復者 堤 百合子さん)

 かつてハンセン病療養所で強制的に堕胎されるなどしたハンセン病の回復者ら6人は、1万6000人余りの署名を添えた要望書を厚生労働省に提出しました。

 胎児標本問題で当事者が国に直接要望を伝えるのは初めてのことで、詳しい実態調査を行うことや、国が謝罪し当事者の意向に沿った形で供養を実施することなどを求めています。

 全国のハンセン病療養所などには、ホルマリン漬けにされた114人の胎児の標本が残されています。

 17日の面談で厚生労働省は、「今年度中の供養は行わない」と答えたうえで、今後の調査などについては「大臣と協議のうえ、対応を検討する」としています。(17日23:56)



江田五月氏  活動日誌 (2006年3月17日)                 (江田氏HPより)

3月17日(金) 総会、本会議、憲法、刑事施設、全建総連、予算委、ハンセン病、ET、リナカー

(前略)

14時過ぎから、予算委員会傍聴。外交・防衛の集中審議で、テレビ入りで小泉首相に対し、浅尾慶一郎さんと榛葉賀津也さんが質問しました。中座して、15時前から1時間半、ハンセン病元患者と支援者の皆さんの厚労省担当者に対する要請行動に立ち会いました。検証会議により、100体を超える胎児などの標本が残っていることが明らかにされており、その全てに一つずつ、幼い命との悲しい別れの物語があります。今となっては解明できないことも多く、一人ひとりの感情もまちまちで、重い課題です。今日は、強制中絶や嬰児殺に遭遇し、その胎児などの標本が残っている4人の人たちから、悲惨な体験談を聞きました。


参考「報道ステーション」(2006年3月8日)

『百十四の命の行方〜ハンセン病・胎児標本問題〜』 3月8日放送

厚生労働省から全国のハンセン病療養所へ届いた突然の文書。タイトルは、胎児等標本の取り扱いについて。文面には「各施設において丁重に焼却、埋葬、合祀、供養及び慰霊を行うものとする。供養等の時期については今年度中に行うものとする」と書かれていた。

ハンセン病の元患者・玉城シゲさんは療養所内で結婚していたが妊娠が発覚すると堕胎を迫られた。堕胎から1年後、他の患者たちと療養所内の古い木造の建物に入った時のことだった。「大きなビンに大きな子や小さな子も並んでいて。みんなが、あんたの子供あんたの名前がある、と。一目見たら逃げ出した。二度も見ることない。見たくない」。玉城さんの子供はホルマリン漬けの標本にされていた。

ある施設が場所を明らかにしないことを条件に撮影の協力に応じた。取材班が案内されたのは施設の一角。胎児は少しホコリをかぶった透明のビンとプラスチック製のバケツの中でホルマリン漬けにされていた。現在、このような胎児標本が国内のハンセン病療養所などに114体残されている。一緒に保管されている木札には母親の名前などが書かれているが、半数近くは紛失してしまったという。
研究者によると、胎児標本は約80年前に作られはじめた。ハンセン病問題を追求する富山国際大学の藤野豊助教授によると「胎盤を通し胎児に感染するのでは、という説がある。当時医師はそう考えていた。そこで胎児を解剖して臓器の中に菌があるかどうかを調べる。そのために解剖した」という。
戦後の特効薬の開発、生活環境や栄養状態の改善により、患者は激減した。さらに入所者の高齢化で堕胎そのものが減少し、胎児標本は作られなくなった。現在、医学界では胎盤を通じて胎児に感染することはないとされている。
厚生労働省からの年度内の焼却、埋葬という提示に元患者たちは見直しを求めた。文書では精神的な負担を配慮した案として、各施設から一律に親に知らせることはしないとなっていた。
「堕胎されたお母さんたちには、ご存命の方もいる。いろんな想いを持っている。そういった方々のそれぞれの想いに応えるような、一体一体取り扱いして欲しい」と藤野助教授。

標本にされた玉城さんの赤ちゃんの行方は現在分かっていない。
もし自分の赤ちゃんが残っているならば、今すぐ迎えに行って、供養してあげたいという。


ハンセン病:胎児標本問題で川崎厚労相が初めて謝罪(毎日新聞 2006年6月14日)
 全国の国立ハンセン病療養所などに強制的に堕胎されたとみられる胎児や新生児のホルマリン漬け標本115体が残っていた問題で、川崎二郎厚生労働相は14日、療養所入所者代表に初めて謝罪した。標本の中には出産直後に命を奪ったケースもあるとされ、元患者や専門家が国に真相解明を求めていた。
 国は遺族の意向を聞いた上で一体ごとに供養する方針で、厚労相が療養所に出向き、入所者らに直接謝罪した上で胎児を弔うことを検討している。
 川崎厚労相はこの日、厚労省で全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)の幹部と面会し、「今なお療養所に置かれている胎児標本が遺族の皆様に多大な精神的苦痛を与えていることは遺憾。心からおわびしたい」と謝罪した。その上で全療協が求めていた胎児の供養について「一体ごとに丁重に供養するよう指示した」と説明した。
 全療協の宮里光雄会長は「遺族などの思いを真摯(しんし)に受け止め、誠実に答えてもらった」と評価した上で、「自分の子供がホルマリン漬けになっていることを知った母親の深い傷を癒やす一つのきっかけになれば」と話した。
 胎児標本は多磨(たま)全生園(東京都)や邑久(おく)光明園(岡山県)、星塚敬愛園(鹿児島県)など5療養所と国立感染症研究所ハンセン病研究センター(東京都)に保管されていることが分かっている。【北川仁士】 毎日新聞 2006年6月14日 21時31分