ドラマ感想文
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第十一話


白夜行

木曜21時よりTBSテレビ系列にて放送


待ってました!大好きな山田孝之くんの連ドラ!! 「恋がしたい恋がしたい恋がしたい」以来のファンで、顔を見るたびにウットリしてしまう・・・ 照れくさそうに笑う顔がまた素敵なんだなー さて、「白夜行」。 話がおもしろくて二時間があっという間だった。 ぐいぐい話に引き込まれる感じ。 子役の二人の演技がめちゃくちゃうまかった。 特に雪穂役の福田麻由子ちゃんは最近立て続けにいろんなドラマに出てるけど、すごく雰囲気ある子だと思う。 黙ってたら影のある大人びた暗い女の子に見えるし、笑うと無邪気で屈託ない幼い女の子にも見える。 先々が楽しみな子だな。 武田鉄也はやり手の刑事って感じ。 原作が関西弁なのかもしれないけど、関西弁でなければいけない理由があるのかな? 下手ではないけど、関西の人間から見ればやっぱちょっと発音がおかしいような。 加害者の子供か被害者の子供のどちらかが犯人だって見破ったところはすごい。 二人を捕まえないでほしいけど、とてつもなく大きい荷物を背負ってしまった二人を救えるのはこの人しかいないのかな、っていう気もする。 高校生になった亮司(山田孝之)と笹垣(武田鉄也)が再会するところで第一話は終了。 この先どう展開していくのか、冒頭でサンタ姿の亮司を刺したのは誰なのか。 雪穂(綾瀬はるか)と亮司はどう関わっていくのか。 おもしろいドラマになりそうだ! このドラマは一話一話の内容が濃いなあ。 一時間があっという間に終わってしまった。 第二話は、亮司(山田孝之)と笹垣(武田鉄也)が再会するところから。 やはり笹垣もずっと事件のことを覚えてたんだなあ。 7年もたってるのに顔がわかるっていうのがスゴイ。 この日を境に、忘れられたように思われていた事件がまた表面化していく。 第一発見者の菊池(田中圭)からの脅迫。 7年間記憶の中だけのものだった事件が、再び人や物となって亮司に迫ってきてるみたいだ。 雪穂(綾瀬はるか)はやさしい家に引き取られたようだけど、学校ではひどいイジメに。 事をあらたげず笑顔でじっと耐えてるのは、あと8年で何もかも終わるっていう気持ちからなのかな。 ただひたすら時が経つのを待つだけの7年間。 なんて空虚な日々だっただろう。 そしてついに二人は再会する。 川岸で交わしたはじめての会話を亮司が合言葉のように口にするシーンは、切なくて涙が出た。 会いたいって強く思うと、会ってしまうんだなあ。 そして亮司は、菊池からネガを取り返すためにまた犯罪をおかす。 悪いのは亮司の父親なのに、亮司は父親を殺した現実に苦しめられて、罪を隠すために罪を重ねていってしまう。 亮司の救いはどこにあるんだろう?時効になれば救われるのだろうか? 第三話は、菊池が笹垣に接触するところから。 早く続きが観たいよー! このドラマはホント毎回重い話だ。 第三話は、菊池(田中圭)が笹垣(武田鉄也)に、亮司(山田孝之)をちゃんと調べるよう告げた続きから。 藤村都子(倉沢桃子)の事件の捜査で、笹垣は亮司と雪穂(綾瀬はるか)が繋がってると確信する。 今回の笹垣はすごく恐かった。 声もドスがきいてたし「逃がさへんで〜」の言葉、あと雪穂の腕をいきなり掴んで睨みつけたり、こんな刑事に会えば何もしてなくても誰でも怯えて逃げそう。 松浦(渡部篤郎)は亮司が父親を殺したって知ってたんだ。 渡部篤郎はこれ以上ピッタリな役はないんじゃないかっていうくらい役にはまってる。 ヤバさ全開って感じだ。 今回も亮司は松浦に無理矢理させられてる仕事で罪を犯してしまう。 雪穂の発案なんだけど、あんなことして本当に大丈夫なんだろうか? あんなにはっきりDNAが出ちゃいそうな物を残したりして。 教会で雪穂が暴れるシーンは、今までなかった雪穂の姿だった。 7年間ずっと幸せを祈り続けても叶う事はなく、自分を殺して人に心を開かないで、死んだように生きてきたんだろうな。 「過去を隠して生きる幸せなんてあり得ない」ってわかってても、感情を誰かにぶつけることもなくぶつける相手もなく、結局隠して生きる以外なかったんだろうな。 亮司はその雪穂の悲しさを全部受け入れて、すごい決意をする。 死亡診断書を偽造するなんて、松浦はどんなウラの世界の人と繋がってるんだろう・・・こわ・・・ 「あなたを思い切り甘やかしたい」なんて、一度でいいから言われてみたい。 亮司はこれからの人生を、雪穂のためだけに使うのだろう。 亮司は何をどんな形で雪穂に与えるのだろうか。 雪穂はそれで幸せになれるのか。 「風とともに去りぬ」も一度読んでみなくては。 第四話もとっても濃〜い内容だった。 今回は、死んだことにした亮司(山田孝之)が雪穂(綾瀬はるか)に渡す金を工面するために裏の仕事に手を出すところから。 亮司の顔つきがどんどん暗くなっていくのが見てて辛かった。 子供の頃の顔を知ってるだけに、何でこんな風に変わってしまったんだろうって悲しくなる。 前回「俺レッド・バトラーになろうと思う」という亮司の言葉に胸が熱くなった私だったけど、雪穂のところに通帳と印鑑が届いたとき、何か違うと思った。 雪穂が望んだ幸せはこんなことじゃなかっただろうし、亮司が雪穂のためにできることはほかにあったはず。 なのにどうして亮司は犯罪に手を染め、信じてくれた人を裏切って泥の中を這い回るような日々を送らなければいけなかったのだろう。 本物の太陽の前に俺たちの絆がもろくて醜いことをさらけ出した、というのは第四話の二人をたった一言で完璧に表現した言葉だと思う。 大学でとても平和な毎日を送っていた雪穂が、太陽の下を堂々と歩けるような相手に惹かれるのは仕方がないこと。 今まで見てきた暗闇を一瞬忘れてしまうほど篠塚(柏原崇)はまぶしい存在だったのだろう。 そのことに激しい怒りをおぼえる亮司の気持ちもよくわかる。 雪穂を守りたいと思った時と同じ強さで雪穂を傷つけたい、っていうのは自分が雪穂のために汚れたのと同じ分だけ雪穂を汚したいってことなのかな。 そして二人のラブシーン。 子供の頃のように相手を純粋に一途に信じることができなくなった二人にとって、お互いの絆を取り戻す方法はこれしかなかったのだろう。 二人はこれで本当に絆を取り戻せたのだろうか。 亮司はこの先も罪を重ねて雪穂にお金を送り続けるのだろうか。 このドラマ、めちゃくちゃおもしろい!! 第五話は珍しく展開がゆっくりだった。 特にスローペースだったのが、雪穂(綾瀬はるか)が亮司(山田孝之)に江利子(大塚ちひろ)を襲うよう依頼してから亮司がそれを実行するまで。 いつもなら雪穂が一度キレたらすぐ実行って感じだったけど、今回はさすがにそうはいかなかったみたいだ。 また罪を犯すことにも抵抗があったし、これが本当に雪穂のためになるのかわからなかったからかな。 雪穂の気持ちはよくわかる。 江利子は自分にないものをすべて持ってて、しかも自分が幸せなことに気がついていない。 雪穂自身が生きてきた壮絶な人生に比べてそれはあまりにも不公平だっていうのはよくわかる。 でも・・・実際に江利子を不幸な目に遭わせて、雪穂はどう思っただろう? 自分の心を汚して、亮司の手を汚さなければ、人を不幸にしても自分の苦しみが軽くなる訳じゃないってことに気がつかないのかな。 雪穂のために亮司が罪を犯すたびに、二人の絆が逆にもろくなっていってる気がする。 信じるということはとても人間的な行為で、雪穂を信じる気持ちが日の当たらない世界で生きる亮司を支えている以上、非人間的なことをしてそれが雪穂のためであったとしても亮司は苦しいのだろう。 雪穂を信じてる限り亮司は人間らしさや良心、情を完全に失うことはできないのだと思う。 でも、亮司に断られた雪穂が松浦(渡部篤郎)のところへ行った事で、亮司は雪穂を信じる気持ちが薄れてしまったようだ。 で雪穂は亮司を苦しみから解放するために、亮司から去ってしまう・・・ 月の裏側にはやさしさのかけらもなかったと思ってる亮司はこの先どう生きていくのだろう。 雪穂は何もかも失って一人ぼっちでどう生きていくのだろう。 次回はいよいよ物語に「白夜」という言葉が出てくる。 お互いの存在が「太陽」なら「白夜」とはどんな世界なのか? 来週の展開も楽しみだ。 第六話では、このドラマのタイトルである白夜という言葉が登場。 まさか松浦(渡部篤郎)の口から出てくるとはなあ。 亮司(山田孝之)や雪穂(綾瀬はるか)が生きてる世界がまさに白夜なんだな。 お互いの存在という太陽が眩しくて夜であることを忘れられる世界であると同時に、太陽はあっても所詮そこは夜でしかない、という世界。 前回二人の絆は壊れそうになったけど、やっぱり相手を思う気持ちは消えてなくなるものではなかった。 亮司は必死でネガを取り戻そうとし、雪穂は亮司の存在なくして自分の幸せがあり得ないことに気づいた。 図書館の谷口さん(余貴美子)はいいこと言うなあ〜 亮司と園村(小出恵介)は、弱みを握る側と握られている側というよりいつの間にか親友のような間柄になっていた。 亮司が松浦を殺すことを一時は踏みとどまったのも園村の言葉が大きかったんだろうな。 なのに結局亮司は松浦を刺してしまう。 母親とのことを誤解した亮司は、おそらく一番最初についたのあろう心の傷が再び疼きだしてスイッチが入ってしまったのだろうか。 刺された時の松浦の言葉は、寂しさと亮司への複雑な思いを痛いほど感じた。 で、その後のことがよくわらかないんだけど。 松浦にコートとサングラス、そして体の上にパスポートを置いたのはなぜ? 雪穂が言った「亮をもう一度太陽の下に戻してあげる」というのはどういう意味? 松浦はどこ行っちゃったの? 亮司の言う「すべてのカードを裏返す」とはどういうこと? この先明らかになるのか、それとも私の理解力が足りないのか・・・(笑)。 次もすごく楽しみだ!! 第七話では、前回疑問に思ったことが全部はっきりした。 松浦(渡部篤郎)が海外逃亡を企んだことにして、コートやパスポート、サングラスなんかを全部遺体と一緒に雪穂(綾瀬はるか)の家の庭に埋めたんだな。 サボテンが増えてるのは何か意味があるのかなあ? 亮司(山田孝之)の言う「すべてのカードを裏返す」というのは、亮司が犯した数々の悪事と雪穂との真実を封印する、ということかな。 雪穂の幸せを影から見守るというのは以前からずっとそうだったのに、今の亮司はすごくおだやかな優しい顔をしていた。 ネットカフェでのあんな笑顔を見れるとは思わなかった。 松浦を殺したことで「2006年11月」の希望がなくなって吹っ切れたのだろうか。 亮司は雪穂を高宮(塩谷瞬)と何とかして結婚させようと必死だった。 佐藤仁美演じる高宮の片思いの相手を殺したり大怪我さしたりするんじゃないかってハラハラしたな〜。 前回雪穂が言った「亮をもう一度太陽の下に戻してあげる」というのもやっと意味がわかった。 亮司が幽霊として生きていた期間、2年かけて雪穂は亮司が社会復帰できる道を作ってたんだな。 二人は始まりが最悪だから、罪を正当化しまくる最悪で醜い生き方しかできないのだろうか。 お互いの幸せが免罪符、というより、相手の幸せのために何かしてる自分が免罪符になっちゃってる気がする。 どうなれば二人は幸せになれるんだろう。 次回は「アキヨシ」として亮司は新しい生活を始め、雪穂は友人とブティックを開くようだ。 笹垣(武田鉄也)は警察を退職して探偵へ。 亮司と雪穂に罪を償わせることに、人生の全てを賭けるつもりなんだろう。 「幽霊みたいなもんだからさ」と電話で話してた西田尚美も気になる。 どういう展開が待ってるんだろう・・・ 第八話は、ちょっとわかりにくかった。 雪穂(綾瀬はるか)がどうなりたいのか、何を目指してるのか。 雪穂は自分の筋書き通り、誠(塩谷瞬)にケンカをふっかけて暴言を吐かせ、一方的に責められる妻を演じて、多額の慰謝料を手に入れる。 妊娠しなかったのはピルか何か飲んでたのかもなあ。中絶も本当はウソかな。 亮司でさえもう金はいらなくて雪穂にまともに生きることを望んでいるのに、雪穂はまだ何かその先のことを目指してるように思えた。 自分の城・居場所を手に入れて店の名前を「R&Y」に変え、それ以上に雪穂は何がしたいのだろう。 亮司は雪穂がくれた世界のお陰でいつまでも生きたい、いつ死んでもかまわないと思うほど幸せなのに。 笹垣(武田鉄也)は亮司(山田孝之)と雪穂を追うために警察までやめたのに、二人が一体何をしたいのかわからなくなってお手上げ状態だった。 確かに何ひとつ証拠もない状態で、ただ自分の直感だけで何年もの間事件を追うという執念を持ち続けるのは大変なことだし、ましてや警察手帳もない今となってはできることも限られてくるのだろう。 でも・・・再び笹垣をやる気にさせた人物が。 篠塚(柏原崇)はなぜ江利子(大塚ちひろ)の事件に雪穂が関わってると思ったのだろう。 篠塚が亮司の顔を知ってるというのは、すごく危険だ! それに千都留(佐藤仁美)も刑事の振りをした亮司の顔を見てるし、その話を誠も知ったし。 小さなほころびが思いがけず大きな傷になりそうだ。 第一話の冒頭部分でサンタ姿の亮司を刺したのは、篠塚なのだろうか。 それから栗原典子(西田尚美)という女。 亮司は自分と似たような感じ(お弁当屋さんでコロッケを選ぶのも同じ(笑))の彼女がすごく気になってるみたいだ。 亮司は何でこんな出会い方を演出するの?って思うけど。 あと雪穂の実家の庭のサボテン。また数が増えてる。 雪穂が植えてたんだと思ってたけど雪穂は東京だし、礼子(八千草薫)とも久しく会ってないような雰囲気だった。 ということは・・・もしかしたら礼子は松浦(渡部篤郎)が埋められてるのを知ってて、供養のために礼子自身がサボテンを植えてたのだろうか。 物語はいよいよ終盤、次回はやっと出てきた、図書館の谷口さん(余貴美子)が動きそうだ。 第九話は、亮司(山田孝之)が雪穂(綾瀬はるか)の幸せを必死で守ろうとしていた。 笹垣(武田鉄也)を気にする雪穂に、笹垣は俺が何とかするから、と言い、母・礼子(八千草薫)に手をかけようとした雪穂の代わりに自分が手を下そうとする。 青酸カリと硫酸の両方を用意したのはなぜなんだろう。 亮司は笹垣を殺して自分も死ぬつもりだったのだろうか。 篠塚(柏原崇)の依頼を受けた笹垣は、雪穂が桐原(平田満)に売春されてたという事実を掴む。 高校の時のクラスメートや江利子(大塚ちひろ)を襲って写真を撮ったのは、それが雪穂にとって魂を奪われるくらいどん底の気持ちを味わった体験だったからなんだ。 笹垣が言ってた、また確証が得られないもう一つの欠けてる要素とは何だろう。 亮司と雪穂が相利共生する、二人の間の心の結びつきだろうか。 それを知る唯一の人物が図書館の谷口(余貴美子)。 掲示板に書き込まれた「本当の罰は心と記憶に下される」というのは11歳の亮司に谷口が話した言葉。 重い罪、軽い罪、バレた罪、バレなかった罪。 心と記憶に一生消えない傷を残すようなことは絶対にしちゃいけないんだな。 典子(西田尚美)の言う通り、亮司は父親を殺して雪穂の未来を奪ったことをものすごく後悔してるのだろう。 亮司も雪穂も自分を愛せないから、自分の子供なんて愛せるわけがないと思っている。 どうか親たちに伝えてください、というのは、自分たちのような人間を作らないために、罪をおかした子供は親にちゃんと話してほしい、親はこんな罪を子供に背負わせないでほしい、という両方の意味があるように思えた。 そしてついに礼子に雪穂の罪を知られてしまう。 「あんたのいるところは生き地獄や」という礼子の言葉は母親としての思いやりに溢れていた。 でも・・・また今回も亮司を守るために二人目の母親を雪穂は殺そうとする。 礼子はもしかしたら一番の被害者なんじゃないかな。 こんなに雪穂のことを思ってるのに、亮司を雪穂の絆には勝てなかった。 次回の予告では礼子の遺影があったな。亮司が殺したのだろうか。 笹垣と谷口が接触することで事態はどう変わるのだろう。 罪は罪として、それでも罪をおかすに至った親の責任や幼い二人が抱えていた寂しさや辛さ、それから罪の意識に苦しめられながら生きてきた日々を少しでも理解してほしいと思う。 もうこれ以上人が殺されるのはイヤだな。 第十話はいよいよ切羽詰った状況に。 亮司(山田孝之)は笹垣(武田鉄也)を殺してしまうのだろうか? 第一話の冒頭で笹垣が出てたような気もするんだけど・・・ 谷口(余貴美子)に笹垣が言った事は、亮司と雪穂(綾瀬はるか)に同情し二人を正当化しまいそうになる視聴者に対しての言葉のようにも思えた。 人を殺す知恵があるのに自首する知恵がないはずはなく、人を騙す計算ができるのに人の人生を想像できないはずがない。最初からわかってやっている。同情することは何ひとつない。 これだけ毅然で確固な思いがあるからこそ、これまで二人を執拗に追いかけることができたのだろう。 「桐原の言葉をみんなに伝えてやって下さい」という言葉には笹垣の愛情さえ感じた。 笹垣の言うように、亮司たちが罪の意識も後悔も何も感じない「バケモノ」にならなかったのは、谷口の「本当の罰は心と記憶に刻まれる」という言葉があったからこそだと思う。 典子(西田尚美)は雪穂以外に亮司を愛してくれたたった一人の人なのかもしれないな。 典子の愛に触れ、亮司は張り詰めていたものが切れてしまったのだろう。 誰にも心を許さず雪穂の幸せという免罪符を持って罪を犯す生き方がイヤになったのだろう。 なのに相手を不幸にする愛し方しか知らないから誰のことも求められないなんて、切な過ぎる。 最後に雪穂の未来にジャマになる笹垣と自分を殺して幕を下ろすなんて・・・ 笹垣のノートを見て涙を流す亮司の気持ちは複雑だったと思う。 改めて自分たちの犯した罪の多さと重さを思い知った絶望の涙、それから醜い自分たちの行為を目をそらさず真剣に必死に見てきた人間がいたことへの嬉しさ。 でも方法を変えただけでやっぱり殺意そのものはなくならないんだなあ・・・ 最後のシーンではいつもの「なあ雪穂・・・」ではなく「ねえ亮・・・」だったな。 亮司の言葉はいつもまっすぐな雪穂への思いに溢れててすごく好きだった。 「あなたの母親は俺たちは救われないと言ったけど、俺は俺なりにあなたを明るいところへ連れ出そうと思っていたんだ。 だけど連れ出そうとすればするほどあなたを閉じ込めてしまったね。 今となればそんな気がするよ。」今となればの「今」は、あのサンタ姿の最期のときなんだろうか。 15年もかけてただ雪穂だけを幸せにしようといろんなことをしてきたけど、結局雪穂は明るいところへは辿りつけなかったのかな。 亮司であれ篠塚であれ誰が雪穂に手を差し伸べても、結局はみんな雪穂と一緒に穴に落ちるしかなかったのだろうか。 次はいよいよ最終回。 ハッピーエンドはあり得ないけど、どこか救われる結末であってほしいな。 ドキドキの最終回。 笹垣の言葉は涙が止まらなかった。 「間違いだらけやったけど、お前が精一杯やったんは俺が知ってる。一人の人間幸せにするためにお前は精一杯やった。お前の子に俺がちゃんと言うたる。お前に流れる血はホンマはそういう血や。俺がちゃんと子供に言うたる。すまんかった。あの日お前を捕まえてやれんで、ホンマすまんかった。」 笹垣は全部わかってたんだ。何もかも全部わかってたんだなあ。 雪穂だって、「本気で桐原に人生返したいのならあいつに真実を言わせてやるべきじゃないのか?全部お前の幸せのためにやったんだって、みんなの前で言わせてやれよ」という篠塚の言葉に心が動いて、もう終わりにするつもりだったのに。 布施市の2号店は、亮司が様々なことに手を汚して雪穂にプレゼントしたものであると同時に、いつか田舎に戻りたいと言ってた亮司へ帰るべき場所のプレゼントでもあった。 亮司には、雪穂が二度と失いたくない居場所を守ることしか頭になかったんだあ・・・ 亮司はなんで自殺したのだろうか? 青酸ガスを吸って余命が長くないことを感じ、最後に雪穂のそばで死にたかったのだろうか。 それとも笹垣は殺せないと思った亮司は、真実を葬るつもりで死んだのだろうか。 話中何度も二人はお互いの太陽だという言葉を口にしていた。 大きな愛で守り導いてくれる本物の太陽はなかったけど、まるで手動で発電する懐中電灯のような薄暗い光を必死で照らしてくれる存在。 亮司が命をかけて照らした道筋を、雪穂は自首することで断つことはどうしてもできなかったのだろう。 亮司が死んだ後の雪穂は見ていられないくらい哀れだった。 「これでよかったんだよね。私は亮の太陽だから。亮は私の太陽だから。これでやめたら何のため・・・ 何のためによ・・・」 全て亮司の犯行ってことで雪穂への疑惑はなくなり、何もかも終わったところで雪穂はやっと気がついたのだろう。 雪穂が今手にしてるものは店以外何もなく、その店さえも亮司なしでは何の意味もないということに。 篠塚は本当に雪穂の気持ちがよくわかるんだなあ。 「人生を捧げた人間より捧げられた人間のほうがつらいのかもしれない。何をしても幸せにならなきゃいけない人生なんて、生きること自体罰なんだ。唐沢の場合その幸せさえ永久に失われているんだから」 亮司の命と引き換えにもらった世界で終身刑のように行き続けなければいけないなんて、雪穂のこれからはどうなるのだろう。 親殺しの時効の日、亮司の子供と太陽の下で手をつないでうなだれる雪穂は切な過ぎた。 谷口の言うように、二人が望んだものは本当はこれだけだったのになあ・・・ いや〜とにかくすごいドラマだった。 見終わった後これほど悲しい気持ちになるドラマも珍しい。 でも結局誰も亮司(山田孝之)と雪穂(綾瀬はるか)を救うことはできなかったけど、笹垣(武田鉄也)も篠塚(柏原崇)も谷口(余貴美子)もみんなそれぞれの視点で彼らを理解しようとしてくれてたことが唯一の救いのように思えた。 このドラマは、誰にも知られずに犯した罪が心と記憶に深く刻まれ、やがてその罪が魂と肉体を破壊していく様子をものすごく醜くリアルに描かれていたと思う。 このドラマを子供に見せるのは抵抗があるけど、テーマ自体はこれから大人になっていく子供たちにもよく理解してほしいなと思う。 山田孝之、綾瀬はるか、武田鉄也の演技は見事だった。 そのうち映画化とかされるかもな〜