ドラマ感想文（ホタルノヒカリ）

ホタルノヒカリ

水曜２１時より日本テレビ系列にて放送

スタッフ

脚　本
主題歌
プロデュース

演出・・・水橋文美江
・・・aiko「横顔」
・・・櫨山裕子
・・・三上絵里子
・・・内山雅博
・・・吉野洋
・・・南雲聖一
・・・茂山佳則

キャスト

雨宮　蛍
三枝優華
手嶋マコト
神宮司　要
山田早智子
二ツ木昭司
曽野美奈子
沢木　瞬
田所潤平
室田鈴子
香住初子
豪徳寺　賢
山口隆俊
高野誠一
・・・綾瀬はるか
・・・国仲涼子
・・・加藤和樹
・・・武田真治
・・・板谷由夏
・・・安田　顕
・・・浅見れいな
・・・渡部豪太
・・・渋江譲二
・・・松本まりか
・・・松下さら
・・・丸山智己
・・・松永博史
・・・藤木直人

ほか

第一夜

脚本・水橋文美江　　プロデュース・櫨山裕子･三上絵里子･内山雅博　　演出・吉野洋

藤木直人がよかった。
テンポの速いコミカルなやり取りをする役柄はこれまでになかったし、独特の言葉遣いや理屈っぽい人物設定もおもしろいと思う。
綾瀬はるかは演技に関しては問題ナシ。
ただ「干物女」にしては干物姿がキレイすぎるような気もする。
ヒロインの干物女が優華のような「ステキ女子」ではないところは意外だった。
男を恋愛対象として見ずに目の前のいい男よりもお弁当を気にする辺りは外見とギャップがあっておもしろいと思ったけど、この人が干物女？？みたいな雰囲気をもっと蛍に持たせてほしい。

第二夜

脚本・水橋文美江　　ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽ・櫨山裕子･三上絵里子･内山雅博　　演出・南雲聖一

今回はおもしろかった。
心の声で笑わせ、ヒロインの秘密を知る男がたった一人だけ存在し、好きな彼に対してのありえない態度がなぜか彼本人には好印象だったりする。
これって「パパムスメ」に似てるような・・・。
どちらもおもしろいからいいんだけど、もし今クールに「パパムスメ」みたいなキョウレツなのがなかったらもしかしたらこのドラマがナンバーワンになってたかもしれないと思うともったいないな。
長年恋愛から遠ざかってて恋愛の仕方がわからないという切り口は、楽しくてかわいくてよかった。
武田真治だけはなんだか意味不明。
わざとらしい方言もなんとかしてほしい。
藤木直人は今回もよかった。

第三夜

脚本・水橋文美江　　ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽ・櫨山裕子･三上絵里子･内山雅博　　演出・吉野洋

今回は蛍と誠一の言い合いとか、蛍の干物ぶりがあまり描かれてなくて物足りなかった。
優華がらみの恋愛の要素が多いと普通の恋愛ドラマになってしまうので、そこは軽いタッチで描いてほしいと思う。
「ステキ女子」は人の目につくところだけでなくプライベートでもちゃんとしてる女というのが定義のようなので、一人の男性を同僚と取り合うという状況に置かれた優華の言動も丁寧に描いてほしい。
マコトが、表の顔の蛍だけでなく一人屋上で缶ビールを飲むという限りなく本性に近い部分を見て好きになったというところは大きな意味がありそうだ。

第四夜

脚本・水橋文美江　　ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽ・櫨山裕子･三上絵里子･内山雅博　　演出・南雲聖一

今回は蛍と誠一のやり取りがたくさんあったし、蛍の心の声でもたっぷり笑わせてもらって、いかにも「ホタルノヒカリ」を観たな～～って実感できる一話だった。
誠一はいつも突っ込んでるだけじゃなくて、ときどきこまかくボケたりするところがとてもおもしろい。
今回の「デート！デート！」が「ビール！ビール！」に変わってしまうエピソードは、蛍が第一話で缶ビールを紙包みのまま冷蔵庫に入れるところから始まって、今回の現場へのビールの差し入れ、それから誠一からの整然と並べられたビールのプレゼントと、話がうまくつながっていたと思う。
それから心配していた優華との女の闘いも、まるでこちらの気持ちを見透かしてるかのような「もっとドロドロしなきゃ～」っていう蛍のセリフにやられた～という感じだった。

第五夜

脚本・水橋文美江　　ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽ・櫨山裕子･三上絵里子･内山雅博　　演出・茂山佳則

今回もテンポがよく楽しく観られた。
会議室のテンドンは笑ったなあ～
「２時間でも３時間でも閉じ込められるといい。昨夜の私のように」も励ましてるのか皮肉ってるのかよくわからない感じがとてもよかった。
この作品は他のつまらないドラマと違って、ヒロインを心から応援したくなるところが魅力だ。
マコトからの電話の内容が知りたくて次回が待ち遠しい。
武田真治はいまだに意味不明。
応援してる相手が優華だというせいもあるのか、全くいい人に見えない。
あのヘンな方言もなんとかならないものか・・・

第六夜

脚本・水橋文美江･山岡真介　　ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽ・櫨山裕子･三上絵里子･内山雅博
演出・南雲聖一

今回もおもしろかった。
ドタバタのシーンでのサンバ風のＢＧＭやシンバルの効果音がコミカルさをさらに盛り上げていてよかった。
スリッパの「タカコ」にも笑ったけどどうせならタカコのコの字はもっと不自然に強引にノの字を細工したように見せてほしかったかな。
蛍とマコトがやっと普通にラブラブな恋人になれたのは本当によかった。
一方で蛍と誠一の関係も微妙に変わってきてるような雰囲気もあり。
要は今回もうっとおしかった。
やってることはステキ女子の価値を下げるようなことばかりなのに全く気づいてなくて、まるで自分をかっこいいと思ってるような感じなのがすごく鼻につく。
できるだけ出番が少ないことを望む！

第七夜

脚本・水橋文美江　　ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽ・櫨山裕子･三上絵里子･内山雅博　　演出・吉野洋

今回は結末への伏線があちこちに感じられる一話だった。
個人的には蛍と誠一はずーっと今のままの関係でいてもらいたいなあ。
カメラ目線の「全国のみなさん」っていうのはあまり好きじゃない。
体重計のオチもちょっと弱かったような。
要の言動は今回も意味不明だった。
山田姐さんはもうちょっとまともな進言をしてくれるのかと思ってたけど、あきらめずにしつこく誘えだなんて・・・
迷惑がられてるんだから遠くから見守るのが優しさだと思う。
最終的に優華と要がくっつくというのだけは絶対にイヤだ。
空気の読めない空回り男は月９だけで十分だあ～

第八夜

脚本・水橋文美江　　ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽ・櫨山裕子･三上絵里子･内山雅博　　演出・久保田充

今回も蛍と誠一のやり取りがとてもおもしろかった。
特に誠一がジャージを着てマコトの真似をするシーンは笑えた。
誠一のキャラから考えてもおかしいし、藤木直人がやってるというのもまたおかしい。
「今年の夏は楽しかった」という誠一のセリフは何だかじーんときた。
シンプルで何の変哲もない言葉だけど、いろんな思いの詰まった言葉だと思う。
蛍のジャージ姿は、ドラマが始まったころはキレイ過ぎるんじゃないかって思ってたけど、ちょっとずつホントにきたなくなってきてる気がする(笑)。
メイクもどんどん薄くなってきてるような。
マコトが逃げ出すシーンは、走り方が素な感じすぎてイマイチだった。
それにしても安田　顕という俳優はすごい。
役どころとしては、誠一をいつもそばで見守り、本当の気持ちに気づかせるというところだと思うんだけど、あの怪しげで三枚目で、でもここぞという場面ではビシッとキメられるキャラクターを作り上げてるのはすごいと思う。
「ハケンの品格」でもいい味だしてたけど、また別のドラマで全然違うキャラクターを演じていたとしたらホント天才なんじゃないかなんて思う。

第九夜

脚本・水橋文美江　　ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽ・櫨山裕子･三上絵里子･内山雅博　　演出・久保田充

今回もおもしろかった。
いちばん笑ったのは「ちょっとがんばるほたるさんを知らないか」だけど、倉庫に閉じ込められた蛍が差し入れに持っていったビールを飲んで寝てたシーンもかなりツボだった。
高野は自分のことを好きなんじゃないかと考えた蛍が、それでも高野と気まずくなるわけでもなくマコトのときのようなぎこちない態度をとるでもなく、そんなわけないかとあっさり流していたところは、余計なストレスを感じなくてよかった。
高野の気持ちは何話かに渡ってじわじわと盛り上げておいて、蛍のほうは同居を解消した瞬間に感情があふれてしまうという二人の対比もよかったと思う。
それにしても待ち合わせまでジャージとは・・・せめてポケットぐらい入れておいたほうが。
マコトがそんな蛍を許しているのは、高野への意地が大きいような気がする。
で、次回はもう最終回！！
もう終わってしまうのはさびしいなあ。

第十夜

脚本・水橋文美江　　ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽ・櫨山裕子･三上絵里子･内山雅博　　演出・吉野洋

このドラマ、あと最終回までにもう一話あったほうがよかったような。
要が「雨宮の同居人てまさか部長？」って言ったところはいくら何でも唐突すぎた。
何か一つエピソードを作って要がその事実を知り、優華を思って憤慨するところを山田姐さんや二ツ木たちが納得のいく説明をするという部分がほしかった。
また蛍がマコトを別れた後は一ヵ月時間が飛んでたけど、そこもマコトや高野のことを思い出して寂しさと闘いながら、それでも健気に前向きにがんばっているというシーンが見たかった。
それにしても結局結ばれたのか結ばれてないのかよくわからない主人公の二人だとか、付き合うまではいかなくてもいい雰囲気のカップルが他に二組もできてたりして、この中途半端な最終回は続編の匂いがプンプンする。
安田　顕は今回もよかった。
特に、蛍と高野が二人でいたエレベーターに偶然乗り合わせてしまったときのなんともいえない表情がとてもおもしろかった。

～勝手に総合評価～

脚本

　音楽

　キャスティング

満点です。
脚本は、主人公の二人の掛け合いがなんともいえずおもしろかった。
音楽は、コミカルなシーンでのサンバ調のＢＧＭがよかった。
でもこのドラマでいちばんよかったのはキャスティングかも。
綾瀬はるかは初回から安定感バツグンで、ブレたり不安を感じるところは全くなかった。
コミカルな部分ではしっかり笑わせ、それから泣くべきところではちゃんと泣けるというのはすばらしい。
聞いた話によると最初この役は竹内結子がやるはずだったとか。
どんなに役になりきろうともヘビーなプライベートが見え隠れする彼女よりも、この役は綾瀬はるかのほうが何倍もよかったと思う。
藤木直人もとてもよかった。
シリアスなドラマで二枚目でいくには表情がとぼしくて、だんだん魅力が薄れてきたな～と感じていたところへこの役。
こんな演技ができるならこの先も大丈夫だ！
豊川悦司・阿部寛に続くコメディができる二枚目俳優としてこれからも活躍してほしい。
そのほかにも板谷由夏や安田顕、国仲涼子など魅力を再確認できた出演者もいた。
ただ武田真治と加藤和樹は、重要な役のわりに観てる側をひきつける力に欠けていた。