ストーリーイラスト
『みやとのso good!の巻』

子連れオオカミみや様


物語
前回の事故(疑問ダ)により、緊急事態に陥ったSB連は救助船よりも先にとある惑星と出会った。
二人が何をする必要もなくコンピュータによる緊急自動着陸は無事成功。
そして同時にコンピュータはいくつかの検査結果をはじき出した。
『大気ナシ・重力地球の1/5・数種の有毒ガス検出・生物未確認』
あも&へるは目を合わせ、不敵にもニヤリと笑った。
「お待ちかねだっつ〜の!かかって来やがれチキショウめ!!」 「こんな事もありなんと…」
用意してたんだよ、宇宙服を!
いや、宇宙を航行する以上、宇宙服は必須なのだが二人の言う意味は少し違った。
「銀蠅だゼ〜」 「しかも横浜だゼ〜」 「最新モデルだゼ〜」 「おまけに限定なのよのな!!!」
要約しよう。
二人の宇宙服は今全宇宙で人気ノヴァ級のブランド『銀蠅』一家デザインのモノであり、
その最新モデルであり、限定品だというのだ。
「しかも横浜だゼ〜」というのは、地球・中国は北京に本店、宇宙全土に支店を持つ
『銀蠅』グループの中でも特に人気売れ行き共にダントツを誇る日本支店
『横浜銀蠅』トップデザイナー「鉄」と「鉛」のデザインによるモノだと強調しているのである。
どの辺にどう人気デザイナーらしい技が出ているのかなどは最早どうでも良い問題らしい。
既に『銀蠅』の名前だけが一人歩きしており、
この素人臭いデザインを大枚はたいて購入する人々の心理ときたらもはや病である…
完全に心を病んでいる二人…あもとへるは嬉々としてして謳う
「これを着て爽やかに軽やかに闊歩するわしらを見て人々は言うのだろうのぅ〜」
「素敵〜!銀蠅限定モデルよ!!!ってなぁぁぁぁぁ〜!!」
しかし二人は完全に忘れていた。浮かれ、小躍りすらかましながら船外に歩を踏み出し、そして気付くのだ。
…そう、宇宙船のコンピュータによる『生物未確認』の情報を。
「おいおいおい 観客の皆々様は何処よ?」 「なんや?わしらは裸の王様かい?王様の耳はロバの耳かい?」
「何か違うと思うゾ、ソレは」 「うっさい黙りやがれドブス」
しかし二人はもう一つ重大な事を忘れていた。宇宙船は完膚無きまでにボロカスに壊れたのではなかったか?
ではコンピュータは?見事着陸を成功させたといえど、全機能が無事とは限らないではないか…。
360度見渡す限りの地平線。
その向こう、彼方に広がる暗黒の宇宙……
に、元来集中力が致命的に欠如している事が幸いして、 喧嘩の最中にもかかわらず二人は同時に薄紫の淡い光を発見した。
明らかに人工のものであるその光に向かって、本能的に二人は駆けだした。
そこで二人は運命的な出会いを果たす。
他でもないみやとその息子しゅうである。
しゅうだけが一人元気に『パン!』と雄叫び、
それ以外の人々は口と目をあんぐり開けたまま沈黙した。
お互い、それは当然ショッキングだったであろう。
何しろコンピュータはこの星に対して
『大気ナシ・重力地球の1/5・数種の有毒ガス検出・生物未確認』
という判断を下したのだから、そんな星に生身でいる人間などあり得ようはずがないのだ。
あもへるは完全に未知との遭遇を味わっていた。
目を逸らし背中を向けて逃げようものなら確実にヤ(殺)られると思った。
大気なし重力薄、おまけに毒ガスが発生している中で平気に煙草をふかすヤツなぞ化け物に決まっていると…
しかし、それらはみな二人の取り越し苦労なのだった。
そう、この場にみやとしゅうが存在している事で確とした事実…コンピュータは完全にイカれていたのである。
という事はつまり、この星には生物は勿論の事、大気も重力も十分にあったのだ。
実はこの星は長距離航路を行く船の為に宇宙公団が経営しているいわゆる道の駅というやつで、
長距離宇宙姫トラッカーであるみやはたまたま休憩給油に立ち寄っただけの真面目な兼業主婦だったのである。
驚いたのはこちらも同じで、人工とはいえ大気も重力も十分に
(地球政府の規定に満たない場合は危険なので経営許可が下りない。古今東西それは同じく)
あるに決まってる公団経営道の駅に宇宙服で降り立つ馬鹿どもを前にみやは言葉を失っていた…
その沈黙の中、ただ一人しゅうだけが元気に叫び続けていた
『お月さんまん丸っ!』
この後、やけに二人と気の合ったみやはS+B号(仮名)の航行士として
S+Bへの仲間入りをはたす(仕事は辞めた。あっさりと)事となったのである…


解説
第二場面がやっとの事で完成しましたよ
一見して分かる通り、絵よりも文章の方に力入れてしまいました(笑
この話を思い付いたそもそもは、昔に観た映画かなんかのあるシーンが切っ掛けでした。
その映画でもやっぱりS+B達の様に宇宙船が故障して緊急着陸すんですけど、
コンピュータが大気も重力も十分だって言ってるゾとか言って、乗組員全員生身で船を降りたんですな。
しかしわたくしへるはそこでちょっと待てヨと思ったのです。
だって船故障してんだぜ。ちゃんとコンピュータのメンテしないで信用したらヤベぇじゃん!
いや、映画ではちゃんと空気あったんですけど、結果オーライで命はかけんだろう、普通。
大気がなけりゃ命がないんだから、現実ならもっと慎重になるはずですよ。
例えば今使ってるパソちゃんにしても、強制終了きかん程固まって仕方なく主電源オフしただけでも勝手にエラーチェック始めるでしょ?
コンピュータってばそんくらい微妙なバランスのもんなんじゃないんか?と思うわけです。
信用出来るかっての。宇宙みたいな危険なとこで。
余談だけども、エラーのある可能性があるコンピュータによるエラーチェックってどーなん?実際…

みや様というのは、私とあもの間で永遠のアイドルとして謳われている元美少女です。
「元」というのも、同い年なのでまさか少女ちゅーのもヤバかろうと…
みやというと『車』というイメージなので勝手にトラッカーにしてしまったんですが、実際は専業主婦です。
元ヤンでもある元美少女の彼女は、18になってすぐに免許を取得して以来のヘビードライバーなのです。
んで今回は3Dで描いてみたりしました。お子様と道の駅を。
お子様が大ヒンシュクに出来上がってしまって気分は最高!(笑
しかし現実のみや様のお子、しゅうはとてつもなく可愛いので誤解なきよう(フォロー
ところで宇宙服の『横浜銀蠅』はもちろん皆様お馴染みのアレですが、
そこのデザイナー「鉄」と「鉛」は最近へるがハマり気味なバンドの名前『鉄と鉛』からまんま頂きました。
その名前の由来は恐らく映画『鉄と鉛』だと思うんですが、定かじゃありません。
その上、許可も頂いてません。でも多分バンドの人らも許可貰ってないから大丈夫!!(自信満々
どうでも良いですがこの宇宙服、ドッキリカメラの某お方のユニホームみたいね…

その後のおまけ→

2002 7 22