名月堂について

・名月堂

 名月堂は昭和25年、わたくしの祖父である折田孝平が創業した京菓子屋で主に京菓子の卸売りを行っています。
そのため店に並ぶメニューはシーズン毎や、日によって変わりいろいろなメニューがレパートリーにあります。
現在の職人は、祖父・祖母とわたくしの父の三人で毎日おいしい京菓子を一つ一つ手作りしています。
 


・仕事場



 その出来上がりが右の写真。
出来たての餡子(あんこ)も食べると格別ですが、京菓子を作るにはこれを自然に冷まさないといけません。そうして味を落ち着かせたあとで、餅や生地で包んだり、お萩にしたり、羊羹になったりします。
 我が家の京菓子の肝となるモノだけに、あずきから砂糖から、素材にこだわって作られています。

 
 上の写真で、右手の路地を入っていった先に仕事場があり、京菓子作りはそこで行われています。
 良く言えば機能的、悪く言えば雑然としているため全体の写真はNGと言われてしまいましたので仕事場については、ポイントを絞って紹介したいと思います。
 まずはあずきを作る鍋。特大な鍋で一気に炊き上げます。 ポイントは火力とタイミング。
 出来上がり直前にあずきがはじけ、中からあずきの甘い香りが飛び出してきます。


 京菓子作りと切っても切れない関係にあるのが、蒸すという作業。饅頭やワラビ餅などの仕上げや下準備に使われます。
 右の写真がその作業で使われる機材で、作業中はすさまじい温度になります。
 この過程で、菓子の口当たりが円やかになり上品な味わいが得られます。
 饅頭などを保存する時は、低温で一気に冷凍させるのですが、それを解凍するときの最も好ましい方法がこの蒸らすという方法です。皆さんもお試し下さい。普通にレンジで解凍したときと一味違うと思いますよ。
 餅は人力でつくこともありますが、たいていは歯車を利用した機械でつきます。
 しかし、それをこねるのは人の仕事で、タイミングを見誤ると大怪我しかねない集中力の必要な作業です。
 ですが、そこは長年培った勘と経験から、いとも容易そうに黙々と餅つき作業をこなします。(写真右は父です。)
 機械の力も偉大なもので、出来上がった餅は非常に弾力があり、食べ応え十分。
 この写真はヨモギ餅を作っているところです。ヨモギのいい香りが仕事場いっぱいに広がります。




・名月堂の場所