あなたを生かす聖書の言葉

2025年3月9日(投稿)

今週の聖句    詩編52

「わたしは生い茂るオリーブの木。/神の家にとどまります。/世々限りなく、神の慈しみに依り頼みます。」

(詩編52:10) 

聖書では、オリーブは一年中葉が落ちることがない所から、繁栄の象徴とされています。この詩人は、自分はその「生い茂るオリーブの木」であると言います。また「神の家にとどまる」ということは、神との関係が損なわれることなく、とこしえに続くということであり、やはり繁栄、祝福を語っています。そのようにこの詩人は、神の豊かな慈しみ、祝福の内にあることを賛美しているのです。他方、7節には、10節とは真逆の状態にいる人への言及があります。「神はお前を打ち倒し、永久に滅ぼされる。/お前を天幕から引き抜き/命ある者の地から根こそぎにされる」(7)。「天幕から引き抜き」は「神の家にとどまります」の逆であり、「地から根こそぎにされる」は「生い茂るオリーブの木」の逆の状態です。

その両者の違いは何か、それは「神を畏れる」(8)か「悪事を誇るか」(3)にあります。8節に「力ある者よ、なぜ悪事を誇るのか」とある、その「誇る」という字は、本来は神に対して使われる字だと言われています。神を誇る、神を喜ぶというふうに使うのが、本来なのです。しかし、この人は、悪事を誇っているのです。悪事を行っている自分を神の如くに思っているのです。新約聖書の言葉で言えば、「彼らは腹を神とし、恥ずべきものを誇りとし」(フィリピ3:19)ているというのと、同じです。その者の行き着くところは滅びです。とこしえの繫栄、祝福に至るのは、自分を誇るのではなく、神を畏れ敬い、神を誇り、神をこそ神として礼拝する所においてです。

神は、「わたしたちの本国は天にあります」という祝福と繁栄を与えてくださるために、御子をお遣わしになり十字架において罪を贖ってくださいました。そのことを覚えて主を畏れ敬うのです。それが祝福と繁栄の源です。

京都大宮教会 牧師 渡邊宣一

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