あなたを生かす聖書の言葉

2024年3月17日(投稿)

今週の聖句    詩編15

「主よ、どのような人が、あなたの幕屋に宿り/聖なる山に住むことができるのでしょうか。」

(詩編15:1〜2) 

「幕屋」や「聖なる山」とは、エルサレム神殿やそこでの礼拝のことです。その礼拝に連なるのに相応しい者はどのような人なのか、とこの詩人は問うているのです。答えは25b節です。2節には三つの事柄が記されています。3節以下の各行には一つずつの言葉が記されています。ですから、ここでは、全部で十の言葉が記されていることになります。そのことから、この部分を「宮の十戒」と言う人がいます。その「宮の十戒」の内、2節に記されている三つのことが、その後の七つのことの基本になっていると言って良いでしょう。2節の三つが根本で、他の七つはそのバリエーションであるのです。

それらの三つの言葉の内、一つ目は「完全な道を歩く」です。これはパーフェクトであるというよりは、「二心ではない」という意味です。二つ目の「正しいことを行う」は、単に不正をしていないということではなくて、「神との関係が正しい」、その分、「思いが神にこそ向かっている」ということです。三番目の「心に真実の言葉がある」というのは、「御旨を主とすることにおいてブレていない」という意味の字です。それで分かると思いますが、これらの三つのことは別々のことを言っているのではなくて、一つの在り方を示しているのです。それは、主なる神に対して一途であり、主をこそ主とすることにおいて真(マコト)であるということです。

わたしたちを取り巻く状況や環境は変化します。行動や思想にも流行りすたりがあります。しかし、それらに振り回されるのではなくて、「変化とか回転の影というものはない」(ヤコブ1:17,口語訳)贖い主である主イエスに心を向け続ける者こそ礼拝者に相応しいのであり、その者こそが「とこしえに揺らぐことのない」(5b)信仰生活を送りことになるのです。
京都大宮教会 牧師 渡邊宣一

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