あなたを生かす聖書の言葉

2023年11月26日(投稿)

今週の聖句    詩編4

「平和のうちに身を横たえ、わたしは眠ります。」

(詩編4:9) 

上記の言葉は、詩編3:6「わたしは…目覚めます」に対応しており、二つの詩編は対であり、同じようにダビデがアブサロムを逃れたときの詩だという人がいます。そうではないとしても、この詩人が苦難の中にあることは確かです(2)。その苦難は、肉体的苦痛というよりも「名誉を辱めにさら」(3)されるという精神的苦痛です。いわば、誹謗中傷の類を受けていたのかもしれません。彼は盛んに祈ります(2)。どこにも、助けを見い出すことができなかったのでしょう。そういう中にあるとき、人は安らかな眠りとは無縁になります。まんじりともしないで夜を明かすという経験も、少なくなかったかもしれません。しかし、彼は、遂には言うのです。「平和のうちに身を横たえ、わたしは眠ります」と。その秘密はどこにあるのでしょうか。

4節には「主の慈しみ生きる人を主は見分けて/呼び求める声を聞いてくださると知れ」とあります。ある人は、これを「主は聖徒たちを特別に扱われると知れ」と訳しました。わたしたちは聖徒とされているのです。その分、神の側に居ます者として選び別たれているのです。神の陣営にいるのです。「呼び求める声」(4)が聞こえる範囲内に、主なる神が恵みをもって臨んでくださって居まし給うのです。それほどの特別扱いを受けているのです。言ってみればVIP待遇です。特別なSP付みたいなものです。

それは、わたしたちキリスト者の場合、特に主イエス・キリストにおいて確かにされて、身に及んでいます。神は御子を賜うほどわたしたちを愛してくださっているのです。ならば、そのことを「知る」(4)のです。「横たわるときも自らの心と語り」(5)かけ、その主にある恵みの事態が、自分に及んでいることを知るのです。主の御許に「住まわせて」(9)頂いていることを知るとき、その事実の故に、安んじて「わたしは眠ります」と言えるのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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