あなたを生かす聖書の言葉

2023年11月5日(投稿)

今週の聖句    詩編1

「いかに幸いなことか/……主の教えを愛し/その教えを昼も夜も口ずさむ人。」

(詩編112) 

「口ずさむ」と訳されている字は、いろいろに訳すことができる字です。「ぶつぶつ呟く「(アウグスティヌスは「さえずる」と訳した)、「思い巡らす」、「立ちとどまる」などです。その訳語だけで、御言葉についての思いが徐々に深まって行っていることが分かります。初めはただ呟いているのです。その内、その言葉について思い巡らすようになります。そして遂に、その言葉の真理を知り、その真理にしっかりと立ちとどまるようになるのです。

それは12行目以下の「神に逆らう者の計らいに従って歩まず、罪ある者の道にとどまらず、傲慢な者と共に座らず」という文章からも分かります。例えば、人の悪口とか悪い噂について語り合うときなどです。傍線部分に注目していただきたいのですが、初めは、二人で歩きながら話している。その内、夢中になり立ち止まって話を思い巡らし合う。それでも収まらず、最後には近くにあるベンチにでも座り込んで語り合う、ということになるのではないでしょうか。必要なことは、人の悪口等について、そのような行動をとるのではなくて、御言葉についてそのようにしてゆくことです。その者こそが幸いであるのです。

その者は「流れのほとりに植えられた木。/ときが巡りくれば実を結び/葉もしおれることがない」(3)と言われています。この文章は「川は、都の大通りの中央を流れ、その両岸には命の木があって、年十二回実を結び、毎月実をみのらせる」(ヨハネの黙示録22:2)という文章を思い起こさせます。この黙示録の言葉は、新天新地である永遠の御国の特徴を語っています。御言葉を口ずさむ者は、その永遠の神の御国に連なるほどの繁栄を得るのです。だからこそ「いかに幸いなことか」と言われているのです。御言葉を口ずさみましょう。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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