あなたを生かす聖書の言葉

2023年10月22日(投稿)

今週の聖句    ヨブ記42

「それゆえ、わたしは塵と灰の上に伏し/自分を退け、悔い改めます。」

(ヨブ記42:5,6) 

上記は、神の語り掛けに対するヨブの最後の言葉です。このヨブの言葉から悔い改めとは自分を退けることである、ということが分かります。悔い改めとは、自分の言動を後悔し反省することではありません。或いは、単に今後は罪を犯しませんと誓ったり、これからは御言葉に従いますと約束するだけのことでもないのです。自分を退けるのです。自分の正しさにものを言わせたり、そこに留まったりする、そのような自分を後退させ、否定するのです。そのようにして自分を主にし、自分を前に出すことをやめるのです。そして、主をこそ前面に出し、主をこそ主として高く掲げるのです。主の恵みの真実のもとに遜り、その主に従うのです。

10節以下ではヨブの繁栄回復が語られていますが、その前の79節には、以前ヨブと論争した三人の友人たちへの叱責の言葉が記されています。「正しく語らなった」(7,8)というのが、叱責の理由です。彼ら三人との対論を振り返ってみたら分かりますが、彼ら三人は決して間違ったことは語ってはいませんでした。むしろ、まっとうなことを語っていました。何故、彼らは責められるのでしょうか。

推測するしかありませんが、先ほどのヨブの最後の言葉を使って言えば、彼らは「自分を退ける」ことをしなかったからではないでしょうか。自分たちが語っていることは正しいと考えて、その自分の思いと自分自身に留まっていたからでしょう。罪人に対しても恵みをもって関わってくださる神の恵みの真実に信頼し、その主を主とすることをしなかったからではないでしょうか。必要なことは、どのような事態が振り掛かって来ても、自分を退け主を前面に掲げることです。主なる神の真実に信頼し、委ねて主を礼拝していくのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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