あなたを生かす聖書の言葉

2023年5月21日(投稿)

今週の聖句    ヨブ記9

「あの方とわたしの間を調停してくれる者/仲裁する者がいるなら/…恐れることなくわたしは宣言するだろう/わたしは正当に扱われていない、と。」

(ヨブ記9:33,35) 

「神が裁きを曲げられるだろうか。全能者が正義を曲げられるだろうか」(8:3)。ヨブの友人の二人目・ビルダドの言葉です。神には不当な裁き貼りませんし、冤罪のような間違いもないのです。災いの原因となる不義とか罪があるのは、わたしたちの方です。だから、その罪を認める無垢な心を持てばよい(8:20)とビルダドは言うのです。まっとうな意見です。ヨブもそのことは分かっています。神と対等に立つことができない者であり、神が千の問を出しても一つも答えられないほど無知で無理解でしかないことを認めているのです。創造者なる神ですから、被造物である自分は、御前では何を言われても釈明できないことを知っているのです(9:213)

必要なことは、神の絶対的主権者であることを覚えて、その主なる神の御前にひれ伏すことです。御前に全面降伏して、砕けた悔いし心をもって平伏すのです(詩編51:19)。そして自分のすべてを主に委ねるのです。しかし、ヨブはなお拘り、言います。「このように、人間ともいえないような者だが/…調停してくれる者/仲裁する者がいるなら」、その方の力を借りて「わたしは正当に扱われていない」(9:3235)と言えるのだが…。しかし、調停者がいないから無理だ、だから「死んでしまった方が良かった」(10:18)と語るのです。

わたしたちはヨブ以下の存在です。罪しかない者です。しかし、主なる神は憐れみによって、わたしたちの調停者としてキリストを与え、更には復活の主の霊である聖霊によって、わたしたちのために、いつも執成ししてくださっているのです。だから、恵みによって御前に立つを得ているのです。そのことを感謝し、遜ってすべてを主に委ねて歩んで参りたいのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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