あなたを生かす聖書の言葉

2023年4月2日(投稿)

今週の聖句    エステル記9

「ユダヤ人が…安らぎを得た日として、悩みが喜びに、嘆きが祭りに変わった月として、この月の両日を宴会と祝祭の日として、贈り物を交換し、貧しい人に施しをすることにした。」

(エステル記9:22) 

エステル記が告げようとしていることは、上記の聖句にまとめることができるでしょう。ペルシャ王クセルクセスの高官ハマンの悪だくみにより、ユダヤ人絶滅のための文書が出されましたが、モルデカイの知恵とエステル王妃の勇気によって、逆に迫害の張本人であるハマンが殺されることになったのです。しかし、ハマンが出した文書は公文書として残っており、それがある限りユダヤ人への迫害は続きます。王は、一度発布した文書の撤回は王の沽券に関わると思い、認めません。ハマンの後任に抜擢されたモルデカイは知恵を働かせ、ユダヤ人を殺そうとする者は、逆に殺しても良いという新しい公文書を発布します。それは同害報復法で、一般にも認められた法です。その法の故にユダヤ人は殺されることはありませんでしたが、ハマンの子供たちは反発したため、彼らは新たに発布された法によって滅んだのです。それが、アダルの月の13日と14日の両日で、ユダヤ人たちはその両日をプリムの日と名付けて、後代に至るまで祝ったのです。

神は隠れた仕方で働き給うのです。ユダヤ人だけではなく、今日のわたしたちも目に見える現実だけを見ていると、神などいないと思うかもしれません。しかし、神は変わることのない恵の御心をもってわたしたちに関わってくださっているのです。上記聖句のように、安らぎを、喜びを、宴会や祝祭を守り、贈り物を交換し、貧しい人に施しをすることができるほどの平安を与えられているのです。そのために主なる神が働き給うのです。今やそのような事態は御子において、わたしたちにも及んでいるのです。ですから、その事実を覚えて、たとえ苦難の中にあっても喜ぶのです(フィリピ2:1218参照)

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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