あなたを生かす聖書の言葉

2023年2月5日(投稿)

今週の聖句    ネヘミヤ書10

「神の僕モーセによって授けられた神の律法に従って歩み、わたしたちの主、主の戒めと法と掟をすべて守り、実行することを誓い、確約するものである。」

(ネヘミヤ書10:30) 

神の民イスラエルは、新たに誓約しました。その誓約書に捺印した人々の氏名、またその誓約の内容が、この10章に記されています。それを読んで、神の民イスラエルは主なる神に対して真摯な姿勢をもって関わっていたと思うかもしれません。しかし、実際は違うのです。

神の民イスラエルは、主なる神に対して不誠実極まりなかったのです。彼らは罪を重ねて災いを招くことになりました。その災いの中で助けを求めて神に祈りました。彼らを慈しみ給う神は、災いから救い出してくださいました。ところが、民はその神の恵みの御業を忘れて再び罪を重ね、その報いを受けます。助けを求めて神に祈ります。神は顧み給うてくださいます。平安を取り戻すと、神への感謝を忘れ、また罪を重ねます。その繰り返しです。

わたしたちも同じです。主に対して、幾たび同じ過ちを犯してきたでしょうか。しかし、何度主に背くことがあろうと、主はその寛容を変えることはしません。その途轍もない気前良さを変わることもありませんでした。それどころか、独り子なる神を遣わして十字架による罪の贖いを与え賜いました。だからこそ、罪の悔い改めも、上記聖句にあるような誓約も、受入れて頂けるのです。上記の誓約は、わたしたちの信仰や誠実さの現れではありません。主なる神の変わることのない恵みの現れです。主なる神が恵み深くあり給うからこそ、わたしたちの罪の悔い改めや誓約も受け容れていただけるのです。その恵みに甘えることなく、主をこそ主とし続けたいのです。誓約をなし得たとすれば、それもまた恵みによったということを忘れることなく、御前になすべきことをしたに過ぎませんと、ますます遜って歩んでいくのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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