あなたを生かす聖書の言葉

2022年12月11日(投稿)

今週の聖句    ネヘミヤ書5

「彼らはそれに答えた。「返します。何も要求しません。お言葉どおりにします。」」

(ネヘミヤ書5:12) 

エルサレムの城壁の修復工事を妨害する者がいたため、ユダの民は「半分が作業に従事し、他の半分が槍と盾、弓と鎧を身につけて」(4:10)防御に当たりました。また「夜は警備に当たり、昼に仕事(城壁建築の仕事)を」(4:16)しました。そこでは、労働する時間がないのですから、蓄えのない人は直ぐに食べるのに困窮しました。それで「民の妻たちから、同胞のユダの人々に対して大きな訴えの叫びがあがった」(1)のです。食べ物がない、畑も家も抵当に入れないとならないほど収入がない、かてて加えて王が税をかけてくる、これでは、やってられないという叫びです。それを知って、ネヘミヤは、貴族や役人を始め同胞に重荷を負わせている者たちを責めます。その責めの要点は「神を畏れて生きる」(9)ことであり、御言葉に聞き、そこに生きることでした。それに対して、彼らは上述のように「返します。何も要求しません。お言葉どおりにします」と答えたのです。

リュティは「旧約聖書における聖霊降臨ということを言うのなら、今ここに生じているものがそれです」(『預言者ネヘミヤ』P.97.新教出版社)と語りました。聖霊によって新たにされるということが、ここで起こっているのです。教会は、復活の主の霊である聖霊の宮ですから、わたしたちの教会でもこれと同じことが起こっているはずですし、起こっている必要があります。自分を主とするのではなく、復活の主とその霊を主にするのです。その復活の主の御言葉に聞き、御子が示してくださった愛に生きるのです。さまざま立場の違い、見解の相違があったとしても、その自分の思いを主にすることをやめて、復活の主の言葉に聞く所でこそ主の教会が立つのです。自分が連なっている教会で御言葉に帰ることをやめたら、主から自分を切り離すことになるのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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