あなたを生かす聖書の言葉

2022年11月20日(投稿)

今週の聖句    ネヘミヤ書

「その傍らでは…補強に当たり」…「続いて…補強に当たった」

(ネヘミヤ書3:4,17) 

ネヘミヤ書3章には、エルサレムの城壁修復の記事が記されています。その工事にはエルサレムの住民だけではなく、各地の都市、町から多くの者が応援に駆けつけています。イスラエルの民が一丸となって、それに関わったということでしょう。更に実際に工事したのは専門の建築関係、土木関係の人たちだけではありません。祭司やレビ人を始め、行政官やその息子、娘、更には鋳物師、香料調合師など工事に無縁な仕事をしている人々、老若男女問わず集まったことも分かります。

更に特徴的なことは、ある人が工事に携わっている「その傍らでは 何某 ( なにがし ) が補強に当たった」という言い方が繰り返されていることです(特に前半。2,4,5,7の各節ほか)。後半になると、「続いて何某が補強に当たった」という言い方が繰り返されます(16節以下に何度も)。一人の者が終わると次の人が工事したのであり、或いは一人の人が工事をしている、その傍らには別の人もいて、皆が助け合って作業をしたということです。ここには対立も競争もない、上下関係もない。御前に皆が同じ立場になって、並んで作業しているのです。恵みの主なる神の御前で一列横隊になっているのです。

それは教会形成の在り方でもありましょう。教会形成も一人がするものでも一部の人がするものでもない。皆が御前に横一列になって、一列横隊になって、主の教会の形成のために、賜わっている賜物を用いて仕えるのです。キリストを頭とするという点で一つになって仕えるのです。バルトが『ピリピ書注解』の中で使っている言葉で言えば、「その人の神的な諸条件、可能性、希望を見ることが発生するというような、並み居関係」になって仕えるのです。「恩寵に共に与る仲間」であるということを覚えれば、わたしたちも一つキリストの体である教会の形成に、喜びをもって共に仕えていくのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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