あなたを生かす聖書の言葉

2022年11月13日(投稿)

今週の聖句    ネヘミヤ書1

「天にいます神御自ら、わたしたちにこの工事を成功させてくださる。」

(ネヘミヤ書2:20) 

ネヘミヤはエルサレムの惨状を知って祈りましたが、その後、大いに悩みました。エルサレムに戻って城壁の再建をするにしても、王が暫くの不在を許してくれるのかどうかということをを始め、ユダまで無事に行けるのか、工事費のこと、工事を取り仕切れるのかということなどなど、現実的にはさまざまな問題があることが分かったからです。そのように悩んでいるネヘミヤの状態を心配して、ペルシャ王アルタクセルクセスはネヘミヤの思いの丈を聞き出し、全面的な協力を約束してくれました。

しかし、より根本的な問題がありました。それは、神の都エルサレムの城壁の再建という神の御用に、自分ごとき者が携わることができるのかということです。「神の富と知恵と知識のなんと深いことか。だれが、神の定めを究め尽くし、神の道を理解し尽くせよう」(ローマ11:33)とあるように、どれほどの人であっても神に並び立つことはできず、神の御用を果たすことなど不可能なのです。それを果たし得るとしたら、それは神の恵みの御手による支えがあるときであり、神御自らが働き給うときです。実際、ネヘミヤも最終的には神の御手の恵み深きによって果たし得たのです。冒頭の聖句のとおりです。

それはだれでも同じことです。キリスト教の拡大のために欠かせなかったのはパウロですが、彼は教会の迫害者であり、使徒と呼ばれる値打ちのない者でした。しかし、どの使徒よりもずっと多くの働きをなし得ました。それは彼自身の力や働きによるのではなく、彼と共にあった神の恵みによったのです(Tコリント15:910参照)。わたしたちが神の御用を果たし得るとすれば、それは共にいまし給う神の恵みによるのです。そのことを忘れることなく、常に御前での謙遜をもって、主の御業に仕えて参りたいのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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