あなたを生かす聖書の言葉

2022年10月23日(投稿)

今週の聖句    エズラ記8

「わたしたちの神を尋ね求める者には、恵み溢れるその御手が差し伸べられ、神を見捨てる者には必ず激しい怒りが下ります」

(エズラ記8:22) 

エズラに率いられて、イスラエルの民はバビロンからエルサレムに戻ることになります。その旅路に同行した者たちのリストと、そのとき運んだ祭具などのことが、この8章には記されています。その祭具は金銀でできているものであり、その量も相当なものであります(2427節参照)。現金化すればかなりの高額になります。そうであれば、その旅路の途中で強盗に襲われないとも限らないことを心配したバビロンの王アルタクセルクセスは、騎兵や歩兵を護衛に付けようと提案します。しかし、エズラは、それを固辞します。そのときのエズラの思いを語っているのが、上記の聖句です。

エズラは「わたしたちの神を尋ね求める者には、恵み溢れるその御手が差し伸べられ」る、と断言します。そのように恵みの神の御手が差し伸べられているから、安全に旅路を進むことができるというのです。それほど、主なる神への信仰、信頼に、彼は生きたのです。

聖書は、わたしたちキリスト者のことを、この世では「旅人、仮住いの者」(Tペトロ2:11)とか「地上ではよそ者、仮住いの者」(ヘブライ11:13)と語っています。それらの言葉が示しているように、わたしたちキリスト者は地上のエルサレムという都ではない、聖なる都エルサレム(黙示録21:10)という天の故郷を目指して、この世においては旅人として過ごすことになるのです。そして主なる神は、確かに天の故郷を備えてくださり(ヘブライ11:16参照)、その旅路を守ってくださるのです。ですから、その旅路に必要なことは、人間的な力や知恵、或いは軍事力などの武具ではありません。天の都を備えてくださっている主への信頼です。「信仰こそ旅路を、みちびく杖」というのは讃美歌270の歌詞ですが、その言葉のとおりであるのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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