あなたを生かす聖書の言葉

2022年8月14日(投稿)

今週の聖句    歴代誌下35

「神の口から出たネコの言葉を聞かなかった」

(歴代誌下35:22) 

ヨシヤ王の宗教改革の特徴は、御言葉に帰り、御言葉に聞くことにありました。そのことの大切さは、35章では過越しの祭りが盛んに祝われたという記述を通して示されています。また36節には、神の箱の搬入への言及もあります。歴代誌下5章によれば、神の箱は、ソロモンが神殿を建てたとき運び入れられました。その後、紛失とか略奪とかはありませんでした。にも拘らず、ここで改めて、神の箱が搬入されたとあるのは、5章に記されていることを再現して見せたということでしょう。神の箱は神の臨在の象徴です。それを運び入れることを再現することで、ここに神が現臨しているということを改めて想起したのです。御言葉の主が臨んでくださっているから、その御言葉に聞く他ないということを促し、そこに繰り返し立つことをヨシヤは求めたのです。しかし、最後の最後になって、あろうことかヨシヤ自身が、上記のように「神の口から出た…言葉を聞」ことをしなかったのです。

それは、エジプト王ネコが、バビロニアと戦っているアッシリアを応援するために北上してきたときです。ヨシヤ王はアッシリアの弱体化を願っていましたので、ネコの援軍を厭うてネコを迎え撃つことにしたのです。カルケミシの戦いと言います。しかし、実際には、神は、実はネコを用いようとしていたのです。なのに、ヨシヤ「神の口から出たネコの言葉を聞か」ずに、自分の欲心を主にしたのです。それが彼の命取りになります。彼のみならず、南ユダという国の命運を決めることにもなったのです。

ヨシヤ王が死んだメギドの戦い(22)は、ヨハネの黙示録16章ではハルマゲドンの戦いと言われ、サタンとの最後の戦いとして位置づけられています。それに勝利するのは、自分の欲心に生きる者ではなく、徹底して御言葉に聞く者です。御言葉に聞き続ける事こそが、教会に求め続けられているのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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