あなたを生かす聖書の言葉

2022年7月10日(投稿)

今週の聖句    歴代誌下30

「あなたたちの神、主は恵みと憐みに満ちておられ、そのもとにあなたたちが立ち帰るなら、御顔を背けられることはない。」

(歴代誌下30:9) 

南ユダの王ヒゼキヤの宗教改革は有名です。ここでは、彼が過越祭を再開したことが報告されています。歴代誌は、バビロン捕囚から解放された民に向かって記されたものです。かつてイスラエルの民は、自分たちがエジプトの地で奴隷であったところから解放されたことを覚え、またそのことを祝って過越祭を守ったのですが、ここでは、バビロンの地に捕虜になっていた所から解放されたことを覚え、またそのことを喜び祝って、過越祭を守り、御名を称えようとしたのです。

その際ヒゼキヤは、北イスラエルにも呼び掛けて一緒に過越祭を守ろうとしました。306にはこうあります。「イスラエルの人々よ。アブラハム、イサク、イスラエルの神、主に立ち帰れ。そうすれば主は…あなたたちに立ち帰ってくださる。」更に上記9節です。これらの言葉の根本にあるのは、「主は恵みを憐れみに満ちておられ」るということです。主の恵みと憐れみは変わっていません。そのことは、あなたがた主のもとに立ち帰るなら、すぐに分かるのです。だからこそ、主のもとに立ち帰ろうと勧めているのです。

ヒゼキヤの呼びかけに応じて過越祭に参加した北イスラエルの民は、一部の者でした。しかも、その者たちは清めの儀式をすることなく、清められた物を食べるという罪を犯してしまいました。ヒゼキヤはそれを執り成しました。彼は恵みを憐れみの神であることを信じ、その主への信仰をもって主の許に集まるとき、わたしたちの讃美も祈りも「主の聖なる住まい、天にまで達」(27)すると信じたのです。わたしたちの讃美が天の讃美をつながるのは、主の恵みと憐れみを知り、信じる所においてなのです。そのことを覚えて、わたしたちも主のもとに立ち帰るのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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