あなたを生かす聖書の言葉

2022年4月24日(投稿)

今週の聖句    歴代誌下11

「イスラエルの神、主を求めようと心を定めた者たちが、エルサレムに出てきて、先祖の神、主にいけにえをささげた」

(歴代誌下11:16)

 

ソロモン以降、王国は分裂します。イスラエル十部族からなる北イスラエル(首都サマリア)と、ユダとベニヤミンの二部族からなる南ユダ(首都エルサレム)に分裂したのです。分裂の直接の原因は、ソロモンの子レハベアムが王位に就くことを、ヤロブアムが反対したことにあります。ヤロブアムは、ソロモンが課していた重税を軽くしてくれるならレハベアムが王になることを認めるが、そうでなければ反対だと言います。それを受け、レハベアムは自国の民と相談します。長老たちは税を軽減するよう進言しますが、若者たちは重税を課するべきだと言います(歴代誌下10:1011)。レハベアムは若者の意見に同意し、その旨、ヤロブアムに告げたところ、彼は同意せず、イスラエルは、南ユダと北イスラエルとに分裂することになるのです。

そのように、分裂の原因は金銭や主権の争いによるものでした。双方が、自分の思いの通りになることに執着し、自己の主張を譲らなかったのが原因だったのです。わたしたちは、このことを通して、主イエスが「あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり…」(マルコ10:43以下)と勧めたお言葉に、改めて心を寄せたいと願うものです。

歴代誌はこの後、北イスラエルの王たちについては何も触れず、南ユダの王たちについてだけ記しています。その最初は言うまでもなくレハベアムですが、彼は堅固な城砦をつくるとともに、ヤロブアムが追放した祭司やレビ人を迎え入れ、上記聖句が示すように神礼拝を整え、御心に添った町作りをします。

しかし、レハベアムは仕えるのではなく、強権を用いて王になった人物です。やがて、その本性が出ます(12:1参照)。そのような在り方の行く末は衰退です。我々に対する警告が、ここでも語られているのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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