ソロモンには、Wisdom(知恵),Wealth(富),Worship(礼拝)という三つのWがあったと言われています。神がその三つを与えたのです。そのことが歴代誌下1章で語られ、更に9章ではシバの女王を登場させて再確認しています。彼は、知恵、富だけではなく、神殿建築をなすことを通して神礼拝の道を開いていただいたのです。神殿建築もまた神の恵みの御業であり、賜物だったのです。そうだとしたら、肝心なことは、繰り返し「ひざまずいて祈り、わたしの顔を求め、悪の道を捨てて立ち返る」(7:14)ことです。
しかし、イスラエルの民は、最終的には、上記の言葉にあるように諸国民の中で物笑いとなり嘲りの的となりました。ソロモン自身がエジプトのファラオの娘と結婚するという律法の規定に反することをしました(8:11以下)。その故に、彼の死後、王国は南北に分裂します。200年後、北イスラエルはアッシリアによって滅ぼされ、更に約140年後、南ユダはバビロンによって滅ぼされ、神殿も崩壊しました。イスラエルの民は「バビロンの流れのほとりに座り/シオンを思って、わたしたちは泣いた」(詩編137:1)とあるような、屈辱、嘲りの中に置かれることになったのです。
日々悔い改めて御許に立ち帰り、知恵や富や礼拝の道をさえも賜う主の御前にぬかづき御顔を求めることがないなら、わたしたち教会も、かつての北イスラエルや南ユダのように簡単に滅び、世の物笑い、嘲りの的になるのです。主を侮ってはなりません。「わたしに立ち帰れ、わたしはあなたを贖った」(イザヤ44:22)との言葉の通り、喜んで贖い主の許に立ち帰りましょう。
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