あなたを生かす聖書の言葉

2021年9月5日(投稿)

今週の聖句    列王記下10

 聖書「一緒に来て、主に対するわたしの情熱を見せてください。」

(列王記下10:16)

列王記下910章は、「イエフ王の宗教改革」と呼ばれている箇所です。しかし、9章もこの10章も、血の匂いが満ち溢れている殺戮に次ぐ殺戮の報告です。

まず、アハブ王の子供たち70人が皆殺されと記されています。アハブ王は妻イゼベルが持ち込んだバアル礼拝を推進した王で、父の跡を継いで王になったヨラムを始め70人の子らも加担していたので、滅ぼされることになったのです(111節)。次いで、イエフ王がサマリヤに行く途中、アハブ王と親戚関係にあったユダの王アハズヤの一行42人も、同じような理由で一人残らず殺されます(1215節)。サマリヤに着いてからも、イエフはバアル礼拝を支持するかのように見せて、バアル礼拝者をすべて集めて、彼らが逃げられないようにした上で殺してしまいました。バアルの神殿も、石柱も捨てて跡かたもなくなるほど、徹底的に破壊しました(1827節)。聖書は、イエフのしたことをまとめるようにして「イエフはイスラエルからバアルを滅ぼし去った」(28節)と言い、更には、そのことのゆえに主「わたしの目に適う正しいことを…成し遂げ」(30節)た、と彼を称賛したのです。

わたしたちはこの章を読むとき、そこまでしなくても、と思います。ある先輩牧師が「殺しても殺しても再生してくる生物がいるが、罪もまたそれと同じである」とお話になったことが、忘れられません。今で言えば、コロナが何度もその型を変えて、襲い掛かってくるようなものです。完全に殲滅したと思っていても、またぞろ息を吹き返すのが偶像礼拝です。必要なことは、「主に対する…情熱」(16節)です。イエフはその主への情熱をもって、またその情熱を同じくするヨナダブ(15節、エレミヤ3512以下も参照)とも協力して、その罪の力と戦ったのです。二人、または三人でも、主キリストの御栄えを表すことを願って罪と戦うのが、真の教会の姿なのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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