あなたを生かす聖書の言葉

2020年12月20日(投稿)

今週の聖句    サムエル記下17

  聖書アブサロムに災いが下ることを主が定められた。」       (サムエル記下17:14

ダビデは、義兄殺しのアブサロムを、まっとうに裁くことができませんでした。アブサロムは図に乗り、自分が王の座に就いたと宣言しました。そして今や、ダビデを滅ぼすチャンを得ました。アヒトフェルは、夜の内の奇襲を実行して、ダビデを滅ぼしてしまおうと提案します。しかし、フィシャイは反対し、まず全軍団を集結させ、奇襲ではなくアブサロムが先頭に立って全軍団で襲い掛かること、そうすれば石ころ一つ残ることなく完璧な勝利を得られる、と提案します。これは慢心しているアブサロムの自尊心をくすぐるのに十分でした。しかし、人の思いは、どのようなものであっても、実現することはないのです。

実際、アヒトフェルの奇襲作戦は、ダビデに告げ口する者もいて失敗します。アヒトフェル自身はそれを知り、首を吊って死にます。それなら、フィシャイの作戦がうまく行ったかというと、そうではありませんでした。次章を読めば分かるように、全軍団による攻撃をしたアブサロムが、逆に悲惨な死に方をします。いずれにせよ、人の計画はことごとく失敗するのです。上記の聖句のように、「主が定められた」ことこそが実現するのです(箴言19:21参照)

自殺の記述は、聖書の中に三か所しかないと言われています。この箇所と列王上16:18と、イスカリオテのユダの死です。ユダの時、主イエスは不当な裁判を受け、十字架にかけられて死にます。悪辣な人々の思い通りに事が進行したかのように思えました。しかし、それは、神の救いの御計画の内にあることでした。「時が満ちると、神は、その御子を女から…生まれた者としてお遣わしにな」(ガラテヤ4:4)りました。そして「あなたの御心が行われますように」(マタイ27:42)という主イエスの祈りのように、十字架の死は御心に基づくものであったのです。御心のみが成るのです。

神の信実を覚え、繰り返し、御心への信頼を新たにしましょう。

 

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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