あなたを生かす聖書の言葉

2019年5月5日(投稿)・主日礼拝説教(要旨)

盤石の守りの中に  

 聖書「わたしたちは知っています。…わたしたちは真実な方の内に、その御子イエス・キリストの内にいるのです。」(Tヨハネ520)

 Tヨハネの最後の部分になります。そこでヨハネは「わたしたちは知っています」という言葉を、三度繰り返します(18節、19節、20)。以前から何度かお話ししていますが、「わたしたちは知っています」という言葉を読むとき、そのことへの思いを新たにすることができますが、それは、わたしたちにとって本当に必要なことは今まで聞いたこともないような新しいことではない、ということです。わたしたちは目新しいことや物珍しいこと、より刺激的な言葉や実践などを求めたくなったり、それらの内に真理があると思ったりするかもしれません。しかし、本当に大事な真理は変わることはないのです。変わらないからこそ真理なのです。わたしたちはそれを繰り返し聞き、その通りであると首肯するのです。それが大切なことです。

わたしたちは知っています、だからもう話さないし聞く必要もありません、ということではないのです。知っているからこそ話すのであり、繰り返し聞くのです。そのようにして主にある真理に深く肯き、受容するのです。それなら、その知っていることとは何でしょうか。わたしたちは「神から生まれた者」(18)であり、「神に属する者」(19)であり、「真実な方の内に、その御子イエス・キリストの内にいる」(20)ということです。一言で言うと、わたしたちは主イエス・キリストと一つなる者とされており、主イエスの内にいるということです。外的状況は人によって違うし、また変化するでしょう。わたしの信仰自体も、覚束なくなることもあり得るでしょう。しかし、わたしたちには主が共にいまして下さり、御前で生きる命を得ており、キリストの内にいる者とされているのです。それほどの主の御守りの中にあるのです。それこそ盤石の守りです。そういう盤石の守りという恵みの事態を、わたしたちは繰り返し確認しながら信仰生活を送るのです。

 

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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