あなたを生かす聖書の言葉

2018年11月4日(投稿)・主日礼拝説教(要旨)

カルペ・ディエム(今日を生きよ)  

 聖書「神から生まれた人は皆、罪を犯しません。神の種がこの人の内にいつもあるからです。」(Tヨハネ:9)

あるTVドラマで、主人公がCARPE DIEM(カルペ・ディエム)と書かれているパーカを着ているのを見て、驚いたことがあります。カルペ・ディエムとはラテン語で「今日一日の花を摘め」という意味ですが、それが意訳されて「今日を生きよ」という意味で使われていたようです。しかも、修道院内の挨拶の言葉として、です。修道院の挨拶の言葉と言うと、MEMENTO MORI(メメント・モリ、「汝の死を覚えよ」の意)という言葉を思い起こします。わたしたちは自分の罪の故に、いつ神の裁きを受けて死んでもおかしくはない、そのことを覚えよ、ということで、メメント・モリと言われたのです。しかし、そのような罪の内にある者たちが今日を生きるを得るとしたら、主の恵みによるほかないということを覚えるために、カルペ・ディエム(今日を生きよ)と挨拶を交わしたのでしょう。

わたしたちも同じです。わたしたちも御前では罪しかないのです。それ故に滅びゆき、死ぬべきものです。だから、その罪と死を覚えるために、メメント・モリと自らに言い聞かせる必要があるのです。しかし、その罪の内にあったわたしたちが、今やカルペ・ディエム(今日を生きよ)と言うことができるようにされているのです。「神の種が…いつもあるからです」。神の種とは、神の御言葉と言っても良いでしょうし、聖霊なる神と言っても良いでしょう。御言葉を神の言葉として聞くことができるようにしてくださるのは聖霊の働きですから、どちらでも同じなのです。わたしたちは、聖霊なる神により、御子の十字架の死によって罪が取り除かれ、御子の復活の命に与るを得ているという御言葉を与えら、「今日を生きよ」「今日を生きてよいのだよ」と語りかけていただいているのです。ですから、今日一日を、そして毎日毎日を、感謝と喜びをもって主を称えて生きてゆくのです。

 

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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