あなたを生かす聖書の言葉

2018年8月12日(投稿)・主日礼拝説教(要旨)

愛されている者なのだから  

聖書「愛する者たち、わたしがあなたがたに書いているのは、新しい掟ではなく、あなたがたが初めから受けていた古い掟です。この古い掟とは、あなたがたが既に聞いたことのある言葉です。」(Tヨハネ27)

冒頭の「愛する者たち」は、厳密に訳せば「愛されている者たち」です。わたしたちは愛されているのです。勿論、神さまによって、また主イエス・キリストによってです。わたしたちは、神によって愛されているということをしばしば忘れ、ともすれば、闇の中に逆戻りします。そのようなわたしたちですが、神の愛、主の愛は変わることなく、わたしたちに届いているのです。「その人の内には神の愛が実現している」とTヨハネ25にはありましたが、その言葉のとおり、神の愛がわたしたちの内に入り込んでおり、わたしたちの内において神の愛が成し遂げられ、実現しているのです。わたしたちには神の愛が押し寄せており、わたしたちはその愛によって挟み撃ちにされるほどになっているのです。神の愛がわたしたちの内から漲り溢れ、迸(ホトバシ)り出るほど、愛されているのです。

人によって経験することは違うでしょう。遭遇する出来事も様々でしょう。取り巻く環境や人間関係も種々でしょう。しかし、それらの事どもがどれほど人とは違って特別であり、抜きんでて困難で、しゃくに障るほど厄介なことであろうと、そのような闇の力がわたしたちを支配しているのではないのです。本当にわたしたちは「愛されている者たち」なのであり、神の愛の光によって支配されている者たちなのです。そのことが、独り子なる神、主イエスが十字架において、現に明らかにされているのです。

ですから、わたしたちは、古くて新しい掟である「兄弟を愛する」(10)人として歩んでゆくのです。「兄弟愛には愛(アガペーという字で神の愛を意味する)を加えなさい」(Uペトロ1:7)とあるように、主によって愛されているという事実に支えられ促されて、兄弟を愛する歩みをなしてゆくのです。

 

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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