■歴史 左京区黒谷にある浄土宗の寺。山号は紫雲山。本尊は阿弥陀如来。「黒谷さん」として親しまれている。知恩院、清浄華院、百万遍知恩寺とともに浄土宗京都四ヵ本山の一つ。
比叡山を出た法然が承安五年(1175)、この地にあった白河禅房を師の叡空から譲られ、念仏道場としたのに始まる。法然の没後、後光厳天皇から「金戒」の文字を賜り、金戒光明寺となった。正長元年(1428)後小松天皇から「浄土宗最初門」の勅額を賜る。応仁の乱やその後の戦乱で諸堂を度々焼失したが、その都度再興された。三重塔は、文殊塔ともいい、徳川秀忠の菩提を弔うために寛永十一年(1634)に建てられたもので重要文化財。
幕末維新時には松平容保率いる会津藩の本陣になった。山上墓地北東には会津藩殉難者墓地がある。→巻末絵図8(黒谷金戒光明寺)
■見どころ 寺宝として重要文化財の「山越阿弥陀図」「地獄極楽図」、木造千手観音立像などを所蔵する。塔頭西翁院にある茶室反古庵(淀や山崎を遠望できることから澱見席とも呼ばれる。重要文化財)は、千宗旦(千利休の孫)の四天王の一人と呼ばれた藤村庸軒(1613-99)好みの茶室。道具の運びに工夫を加えた「宗貞囲い」と呼ばれる茶室。
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