お前だけ
雨上がりの朝
それは朝とは思えないほど薄暗く奇妙な気を漂わせていた。
いやに聞こえる革靴独特の音が響く
コツコツ、と心地良い音にその主であるティキは優雅に歩き、
尖った門の前に立ち止まる
「俺だって、オレ…開けてくれよ?」
ティキはポケットの中に片手を入れ、もう片方の手でシルクハットを取ると、
錆びた音を立てながら徐々に開く門の隙間から入った
長い道を抜け、扉を明けると一面には深紅の絨毯が広がっており、
そのフカフカとした踏み心地に快感を得ながら高い階段から降りてくるとロードを目で追う
「ティッキーおかえりぃ」
「おかえり」
「タダイマ」
出迎えに来た二人の手にそっとキスを落とすティキ、
ロードが『キモイよ』と言ったのは言うまでもなく、
それを聞き流したティキも言うまでもない
「もしかして僕じゃまぁ?」
「え、あ――「少しは気が利くようになったんじゃないか?」
「でっしょぉ?」
そう言って――それじゃあねぇ
と、語尾でハートを散らしながら階段をタンタンと上って行くロード
それを見送るの視線はロードが消えたと同時に彷徨う
きっと後ろでは何か悪巧みしているティキの姿があるに違いないと考えを巡らすが
どうもこの場所――ティキから逃げる術など見つかりそうになくてゆっくりと振り向く
「俺から逃げようとか考えてた?」
「少しね」
「考えてたのかよ」
「だって変態だし」
「それって酷くない?」
「そうでもないよ」
言って後に――冗談だよ
と笑うの笑顔につられてティキも思わず笑顔になる
この一瞬でさえ、自分の糧であり、幸せの一部なのだ
ティキはそっとの腕を掴み引き寄せ、大事に抱き締める
「ティキ、どうしたの…?」
「別に、が気にすることでもないさ」
ティキはお互いの顔が見えるように間を空け、
そっとの額にキスを落とし、離すと目が合った。
そして自然と閉じるの瞼を合図に唇を重ねる
甘ったるいのではなく、少し、少しだけ大人なキスをした
こんなことをするのも
できるのも
それは全部全部
お前だけ
FIN...
初ティキ…
ちょっと大人に挑戦!!でもうまく書けないです…
もうティキは存在自体エ○イので誰かどうにかしてください…
ありがとうございました!!!