朝、風を切る音で目を覚ましたスバル。音の正体を知ろうと襖を開けると、暑いのか汗をかいて上着を脱ぎ捨て一心不乱に木刀を振り落とすキュウマの姿。そんなキュウマからスバルは目が離せなかった。

「キュウマって……やっぱりカニ腹だったんだ」

 自然と襖を持つ手の力が抜ける。

 そんな出来事があった日の昼、いつもの様にパナシェのところに行こうとすると、キュウマに呼び止められた。

「敵が多き今、いつ何時スバル様を守れる様共に行く事をお許しくださいませ!」

 たかが遊びにいく行くごときで大袈裟な奴……。心の中でそう思いつつも口には出さず断るが、あまりにも真剣に頼むキュウマを見てしぶしぶ了解する事にする。

「キュウマさんも……一緒に遊ぶの?」

「いえ、自分は見守っておきますので、どうぞ遊んでおいて下さい」

 パナシェの問いにそう答えるキュウマ。しかし鬼ごっこで遊んでいる時にスバルが鬼から逃げる時は見失わない様にと、遊んでいないにもかかわらず一緒に走ったり、かくれんぼで隠れている時はスバルからそう遠くない場所に遊んでいないにもかかわらず隠れたり――その目が本気(マジ)なのが恐ろしい。

 そんなキュウマの行動に、とうとうスバルの堪忍袋の緒が切れた。

「キュウマのバカーッ! カニ腹ーっ!!」

 そんな事を叫んで走ってきてもキュウマは追いかけてくる。キュウマにとっては当たり前の事をしたはずなので、不思議がるのも無理はない。

「スバル様……」

「キュウマの分からず屋!」

 目頭が熱く、それでスバルは自分が泣いている事に初めて気が付いた。いても立ってもいられなくなって再び走り出す。

 

 

 スバルを泣かしてしまい、追いかけたくても追いかけられないままキュウマはしばらく茫然とその場に立っていたが、しぶしぶ屋敷へ戻った。

 屋敷にはもうスバルは帰っていたらしく、ミスミが何も言わないスバルの事を心配していたので訳を話す。

「そうか、そんな事が……。キュウマ、そなたの気持ちは良く分かる。じゃがスバルはまだ子供ゆえ、そなたのピー は重すぎたようじゃ」

「み、ミスミ様……その放送禁止音は……?」

 ミスミの提案でスバルと話をする事になったキュウマ。二人の仲は元に戻るのか、スバルの流した涙の意味とは、作者に名前を忘れられたパナシェは、放送禁止音に遮られたミスミの言葉は、何故カニ腹が関係するのか……!?

 次回、『カニ腹の悩み』。真実は自分の手で掴め!

「のう、キュウマ。そちは本当にカニ腹なのか?」

「え、それは……」

 

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これを読んで後悔した人がいる確率、100%だ…。
もう…ね、日頃どんな事を考えているのか丸分かりですよ…;
皆の口調が分からないー;難しいです;;

3人共大好きです。決して嫌いではありません。愛、ありますよ!ただ、私の頭がおかしいだけです。狂ってます。

04年10月12日