寝起きの悪い私を起こしたのは一晩共に明かした男だった
「早く起きねェと飯が冷めるぜ」
起きたら朝ご飯が待っていたという何とも贅沢な一日が始まろうとしている中、
は唸り声を上げながら布団の中をもそもそと動く。
「オラ、さっさと起きやがれ」
荒々しくなった声と共に身体を被っていた布団は剥ぎ取られ、
一気に光と寒さがを襲った。
「うわ、何、すんの・・!?」
「オメェ、まだ真っ裸のまンまじゃねェか!バカ野郎!!」
慌てて開いたままの障子を閉めた元親の蟀谷には冷や汗が流れていた
「朝から怒鳴ることないでしょ?大体その真っ裸にしたのは誰だと思ってるの!?」
起き上がったは横に放置された上着を羽織り、目の前に立つ元親を睨み上げてやった。
「俺以外にいたら驚きモンだぜ?」
「何開き直ってんのよ、バカ!」
言って枕を投げてやると上手いこと片手で叩き落された枕、
は唖然と口をあけて叩き落された枕を見つめた。
「バーカ、俺に枕当てようってのがそもそも間違いなンだよ」
何やら悪戯を企んでいるような笑みを浮かべ、
元親はそのまま前に倒れるようにして両膝を付く、
もちろんは後ろに身を引くが座ったままの状態では上手く後退できず、
元親の隻眼が先程よりも近いことに鼓動が速まったのを覚えた。
「元親・・近いん、だけど…」
「俺の顔がよく見えンだろ?ん?」
「そうだけ、ど――っ!?」
時は止まったように二人を包んだ
唇に重なる確かな温かさはまるで何もかも溶けてしまいそうで、
は素直にその唇を受け止めることしかできず、
いつの間にか離された唇は開放感と酸素を得た
「バカ」
「さっさと着替えちまえ、じゃなきゃ飯食う前にオメェ喰ってやる」
そう言って
貴方は
いつものように
私に微笑む
(その微笑みはまるで魔法のように)
FIN...
事後とか書くの好きだなーと思った作品(笑)
アニキになっていたら幸いです(汗)
ありがとうございました!!