2 何言ってんだ
「ねぇ、神田」
「なんだよ」
任務で神田と組んだとき
目的地までの電車の中で隣同士座って話をした
神田とはここ、黒の教団に来たときからの仲で
任務も指で数えられないほど一緒にしてきたこともある
だから何でも話せる仲間で、私のたった一人の大好きな人
後者はただの片思いだけど、きっと神田は気づいていないだろうな。
――ガタンゴトン…
電車の音が響く中
神田がそう言ったきりは喋ることを忘れたかのように窓の外を眺めていた
「おい、話しかけてきたのはお前じゃなかったのか?」
「え、あ…うん…」
「どうした?」
「いや、これで何回目なのかなって思って」
「28回目」
「もうそんなになるっけ?」
「あぁ」
察しのいい神田はが何のこと言っているのか分かって
それに率直に答えた
二人がこうして組んで任務をするのは、28回目となり
よく28回も任務をこなしたなと自分で自分を誉めてやる
その横で目を瞑って俯いていた神田がそっと目を開けを見た。
視線に気づいたは視点を外から電車の中へ戻し、神田と目が合う
「ねぇ、私が死んだらどうする?」
「何言ってんだ」
――バカか?お前
そう続けて神田に言われ、は鼻で笑った
心なしかその表情が脆く哀しいのは気のせいだろうか?
神田はその鋭い目つきの奥に優しさを潜ませながらを見る
「だって……死んだら哀しんでくれる?」
「それ以前の問題だな」
「…どういうこと?」
「そう簡単に死ぬようなやつじゃねぇだろ
第一、俺が死なせねェ」
思ってもない言葉が返ってきては目を見開いて驚いた
心臓が高鳴り、近くにいる神田に聞こえてしまうんじゃないかというぐらい。
他意はないと思うが違う意味でとってしまいそうで顔が段々と熱くなる
神田は誰にも分からないように自嘲の笑みを浮かべてこう言った。
「ずっと仲間だと思ってたんだけどな」
「え……?」
「一回しか言わねぇからなよく聞け」
「う、うん」
「俺はが好きだ、分かったか?」
「うん……って、えぇっ!?ウソ…」
信じられないとは叫ぶ
運良くこの車両には二人以外だと探索部隊の一人しかいなく
慌てる必要もなく神田は
――デケェ声出すんじゃねぇよ
との額を弾いた
手が離れたと思えば視界が暗くなり
顎に指が滑ると唇には感じたことのない感触。
が慌てて声を出そうとすればそれは神田によって飲み込まれ
開いた隙間から巧みに舌が入り込んでくる
なにもかもが始めてなにとってはもう何がなんだか分からず
頭の中は真っ白、挙句の果てに意識が遠のいていきそうな気がした
「っ…か、か、か……!!!」
「二度と自分が死ぬとかそんな話、するんじゃねぇぞ」
「わ、わかったけど…い、今!!!」
上手く喋れない
その慌てた様子に神田は誰にも見せたことのないような笑顔で
――もう一回してやろうか?
そう苛めるようにに言ってやる
「いい!!いいって、No thank you!!!」
「片言な英語喋ってんじゃねーぞ?」
言って今度は逃げられないようにと抱き締められる
行き成りの行為に硬直してしまい、神田はしてやったりと
本日二度目のキスをした
何かキモイですね神田(笑)
こんな神田もまぁ、許してください
ありがとうございました!